古くから私たち日本人は“めでたい”とかけて、鯛を晴れの日の食事の一つとして好んで食してきました。スズキ目タイ科の魚を総称して“鯛”と言いますが、殆どの人が鯛=真鯛を連想するのではないでしょうか。
そこで今回は鯛について少し掘り下げて話をさせて頂きたいと思います。
鯛の種類
真鯛だけが鯛ではありません。黒鯛や赤鯛をはじめ、黄鯛や血鯛、平鯛、笛鯛など、鯛と呼ばれる魚はおおよそ24種類あると言われています。日本近海で取れる物だけでもその種類は約200種、世界的に見るとその数はもっと膨らみます。
見た目に体形が違っているうえ、色や模様などもあり、全部を並べると本当に全部鯛の仲間なの?と思うほど、バラエティ豊かな魚です。
鯛のカロリー・栄養素
一般的な鯛である真鯛を見てみると、食用部分100gあたり天然真鯛の場合、142キロカロリー、養殖真鯛だと194キロカロリーと、養殖の方がカロリーとしては高くなっています。真鯛はビタミンとミネラル、脂質に富んでいます。
●ビタミン群
ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン
●ミネラル群
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム
●脂質
脂肪酸 飽和、脂肪酸 一価不飽和、脂肪酸 多価不飽和、オレイン酸、リノール酸、αリノレン酸、γリノレン酸、オクタデカテトラエン酸、イコサジエン酸、イコサトリエン酸、イコサテトラエン酸、アラキドン酸、イコサペンタエン酸、ヘンイコサペンタエン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸
鯛の効果
真鯛はピンク色をしていますが、この赤みを帯びている理由、それが色素成分であるアスタキサンチンであることはあまり知られていないのではないでしょうか。カニやエビといった甲殻類やサケなどにも含まれているこのアスタキサンチンは、高い抗酸化作用を有しています。
毒性を持つ活性酸素の働きを阻害する働きを持っていることから、老化、生活習慣病、がん、慢性疾患、認知症、心臓病、脳卒中、アレルギー性疾患といった病に関係してくる活性酸素の働きを阻害してくれます。
身体を酸化させる活性酸素はこれまでβカロチン、ビタミンC、ビタミンEと言われてきましたが、アスタキサンチンにはビタミンEのなんと1000倍もの活性酸素阻害効果があるのです。
つまり、先に挙げた活性酸素の働きによってもたらされる病が、アスタキサンチンによって予防や緩和などに効果があるということになります。
アンチエイジング、美肌や美白効果のほか、抗炎症、眼精疲労などの老化によって生じる病の予防と緩和のほかに、育毛、難聴などにも効果があると言われています。
そして、白髪は一度なってしまうと黒髪には戻らないと言われていますが、アスタキサンチンがこれまでの定説を覆すのではないか?という期待が高まっており、現在研究が進められています。
鯛のダイエット効果・方法
鯛にはBCAAと呼ばれている栄養素が含まれているのを皆さんはご存知でしょうか。Branched Chain Amino Acidsnの頭文字をとってBCAAと呼ばれる栄養成分は筋肉のエネルギー代謝と深い関わりを持つ必須アミノ酸のバリン、ロイシン、イソロイシンの総称を指しています。
このBCAAが鯛に含有されており、アミノ酸の約50%を占めていますし、人の体内では約35%を占めていると言われています。筋肉を作るうえで欠かせない成分ということですね。
また人の体は運動を行う事で、筋肉にあるたんぱく質の分解が始まります。そこで、運動を行う前にBCCAを摂取することで、血中と筋肉内にあるBCCA濃度が上がり、筋肉から分解される必須アミノ酸、筋タンパク質の分解を制御してくれる大切な役割を担っています。
近年注目されているのが体脂肪を燃やしてくれる有酸素運動と、基礎代謝量を増やしてくれる無酸素運動(筋トレ)をバランスよく行うダイエットです。
効率よく筋肉をつけることが基礎代謝量をアップさせ、燃焼しやすい身体を作るのですが、BCAAを摂取せずに筋トレを行うより、摂取してから行う方がより筋肉がつきやすくなります。
ボディビルダーがジムで運動前や運動中にプロテインを飲んでいるのは、このBCAA(必須アミノ酸)を摂取することで、より筋肉をつけやすくするためなのです。
このことから、ダイエットを行う際にBCAAを摂取し、筋肉をつけることで燃焼しやすい身体をつくり、有酸素運動で脂肪を燃やしていく、つまりダイエットを成功へ導くというわけなのです。
鯛のおすすめレシピ3選
鯛のあらスープレシピ(潮汁)
<材料>
・新鮮な鯛のあら
・だし昆布
・塩
・しょうゆ
・酒
分量外の塩をまんべんなくあらにまぶし、熱湯をかけて臭みを取り除きます。更に冷水で洗い流してうろこや血合いを取り除いておきます。
昆布だし汁を作り、綺麗にした鯛のあらを入れ、中火にしながらあくを丁寧に取り除きます。塩、酒、しょうゆで味を調えたら出来上がりです、有ればユズの皮などをあらに少量加えると見た目も味もより美味しく仕上がります。
美肌の元、コラーゲンを有する頭部や目玉は、水溶性のカリウムが溶け出しても摂取できる鯛の粗スープにしてしっかり栄養を摂りましょう。
鯛の蒸し焼き
<材料>
・塩と酒を振った鯛の切り身
鯛の切り身をアルミホイルで包んだらオーブントースターで15~20分ほど蒸し焼きにします。焼きあがったら醤油などをかけて食べます。
ダイエット中の方はネギ、きのこ類と一緒に蒸し焼きにすることでかさが増すので満腹感も得られておすすめです。また、しょうゆに少量の酒とユズの搾り汁を加えることで、より美味しく仕上がります。
ワサビやしょうがで風味をアップさせ、消化吸収アップの蒸し料理で美味しく食べましょう。
鯛の和風カルパッチョ
<材料>
・鯛
・カイワレ
・ネギ
・生姜
鯛の身を刺身にし、塩を軽くまぶして30分ほどラップをして冷蔵庫で寝かせておきます。カイワレと白髪ねぎ、しょうがを混ぜ合わせて器に盛ったら、鯛の刺身を盛り付けます。
オリーブオイルにわさびとしょうゆを混ぜ合わせたものをかけ、最後にレモンの絞り汁を掛けると和風カルパッチョの出来上がりです、
鯛の栄養とカロリー・ダイエット効果についてのまとめ
・鯛のカロリーは、100gあたりで142kcal。養殖真鯛は194kcal
・鯛のダイエットと健康効果
「活性酸素を抑えて認知症や老化予防」「生活習慣病」「がん予防」「アンチエイジング」「美肌効果」「美白効果」「抗炎症」「眼精疲労」」「脂肪燃焼」
いかがでしたか?鯛には意外と私たちが知らない栄養素を含まれていることが分かりましたね。ダイエットや美容効果もあるので、ダイエット中にはぜひ進んで食べる様にしましょう。