筋トレの種目の1つにデッドリフトがあります。デッドリフトは、パワーリフティングの競技の1種目でもありますね。
今回はデッドリフトの基礎知識とデッドリフトの体重別の平均重量、目的別の回数、デッドリフトの種類について詳しくまとめました。本格的にデッドリフトの筋トレをしたい人は、ぜひ参考にしてください。
デッドリフトとは?
デッドリフトとは、床に置いたバーベルを背筋がまっすぐに伸びた状態になるまで持ち上げ、ゆっくり下す。これを1回として、繰り返し行う筋トレ方法になります。
デッドリフトでは、次の筋肉を鍛えることができます。
・僧帽筋
・脊柱起立筋
・大臀筋
・ハムストリングス
・前腕筋
デッドリフトは肩から脚にかけて、全身の筋肉を鍛えることができるので、効率よく筋肉をつけていくことができるんです。さすがは、筋トレのBIG3と呼ばれる種目ですね。
デッドリフトの体重別の平均重量
デッドリフトの筋トレをやろうと思った場合、どのくらいの重量のバーベルを上げられるのか、目標はどのくらいに設定すれば良いのかわかりませんよね。
適切な重さのバーベルを上げないと、筋トレをしてもなかなか筋肉が付きません。また、重すぎるバーベルを上げようとすると、関節や筋肉を痛めて、ケガの原因になります。
そのため、あなたにとって適切なデッドリフトの重量を知っておく必要があるのです。ここでは、性別&体重別&レベル別のデッドリフトの平均重量をご紹介します。
レベル別は、次のような分類になりますので、参考にしてください。
・初級者=半年程度はデッドリフトのトレーニングしている
・中級者=2年程度、デッドリフトのトレーニングをしている
・上級者=5年以上、デッドリフトのトレーニングをしている
・エリート=5年以上トレーニングをし、競技として行っている
これらはあくまで目安ですが、デッドリフトの重量を決める上での参考になるはずです。
男性の体重別&レベル別平均重量
まずは、男性のデッドリフトの体重別&レベル別の平均重量を見ていきましょう。単位はすべて、kgです。
体重(kg) | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 | エリート |
60 | 60 | 84 | 114 | 148 | 186 |
65 | 66 | 92 | 123 | 159 | 198 |
70 | 73 | 100 | 132 | 169 | 209 |
75 | 80 | 107 | 141 | 179 | 220 |
80 | 86 | 115 | 149 | 189 | 230 |
85 | 92 | 122 | 158 | 198 | 240 |
90 | 98 | 129 | 165 | 207 | 250 |
95 | 104 | 136 | 173 | 215 | 259 |
100 | 110 | 142 | 180 | 223 | 268 |
105 | 115 | 148 | 187 | 231 | 277 |
110 | 121 | 155 | 194 | 239 | 285 |
115 | 126 | 161 | 201 | 246 | 294 |
120 | 131 | 167 | 208 | 254 | 302 |
出典:Deadlift Standards for Men and Women (kg) – Strength Level
体重60kgの人が、初めてデッドリフトをする時には、60kg程度しか上がりません。そして、84kgを目標にしてトレーニングをすると良いでしょう。
最初は60kgを上げるのがやっとでも、トレーニングを続けていれば、100kg以上、さらに150kg以上のバーベルを上げることが可能なのです。
あなたの体重を考慮して、あなたのレベルに応じて、重量の目標を設定するようにしましょう。
女性の体重別&レベル別平均重量
次に、女性の体重別&レベル別の平均重量を見てみましょう。女性は、男性に比べると、筋肉量が少ないので、どうしても重量は少なくなります。
体重(kg) | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 | エリート |
40 | 23 | 39 | 61 | 87 | 116 |
45 | 26 | 43 | 66 | 93 | 124 |
50 | 29 | 47 | 71 | 99 | 130 |
55 | 32 | 51 | 75 | 104 | 137 |
60 | 35 | 55 | 80 | 110 | 142 |
65 | 38 | 58 | 84 | 114 | 148 |
70 | 40 | 61 | 88 | 119 | 153 |
75 | 43 | 64 | 91 | 123 | 158 |
80 | 45 | 67 | 95 | 127 | 162 |
85 | 48 | 70 | 98 | 131 | 167 |
90 | 50 | 73 | 101 | 135 | 171 |
95 | 52 | 75 | 104 | 138 | 175 |
100 | 54 | 78 | 107 | 142 | 179 |
出典:Deadlift Standards for Men and Women (kg) – Strength Level
体重50kgの初心者の女性の平均重量は29kgで、トレーニングを続けていくと、自分の体重以上のバーベルを上げることができるようになります。本格的に取り組めば、平均で130kg前後まで上げることができるようになるのです。
これらの平均重量は、あくまで「平均」であり、目安です。だから、この体重なら、必ずこれだけの重量を上げられるというわけではないので、目安として使うようにしてください。
デッドリフトの効果的な回数
デッドリフトの筋トレをする時には、どのくらいの回数を行えば良いか迷ってしまうと思います。デッドリフトの回数は、その目的によって異なります。
回数を考える時には、まずはあなたが上げられるバーベルのMAXの重量(RM)を知っておく必要があります。
デッドリフトの1RMは、次のような計算式で求められます。
最大重量(1RM)=使用重量÷33.3×回数+使用重量
例えば、30kgのバーベルを8回上げるのが限界で、9回上げるのは無理という場合、8RMが30kgとなります。
30kg÷33.3×8回+30kg=37.2kgです。つまり、1RM=37.2kgとなります。
40kgのバーベルを5回上げられるけれど、6回は無理という場合は、5RMが40kgとなりますね。
RMがわかったところで、効果的なデッドリフトの回数を見ていきましょう。
筋力アップが目的
デッドリフトを筋力アップ目的でやっている場合は、1~3RMの重量でトレーニングしましょう。
デッドリフトをパワーリフトの競技として行いたい人、また少しでも重い重量のバーベルを上げることに喜びを感じる人は、1回の負荷が大きく、回数は少なくしてトレーニングをすると、筋肉や運動神経に刺激を与えることで、最大出力をアップさせることができます。
そのため、筋力アップが目的でデッドリフトをする人は、1~3RMで筋トレをすることをおすすめします。
筋肥大が目的
デッドリフトを筋肥大のために行う人は、8~12RMの重量で筋トレをしてください。筋肉を大きくしたい、筋肉をつけてマッチョになりたい人は、8~12回を行うのが限界くらいの重量でデッドリフトを行いましょう。
中程度の重量で、中程度の回数を行うと、筋肉が最も大きくなりやすいとされています。
筋持久力のアップが目的
最後に、筋持久力アップが目的の場合のデッドリフトの回数です。筋持久力アップ目的でデッドリフトを行う時には、RM15~20くらいの重量で筋トレをしてください。
つまり、持久力アップのためには、重量は少なく、回数は多くすると良いんです。有酸素運動のようなものですね。
筋持久力アップのためにデッドリフトを行う時には、1回の負荷を大きくし過ぎずに、長く続けられる程度の重量にしてください。
デッドリフトの6種類
デッドリフトには、実はいろいろな種類があることを知っていますか?デッドリフトの種類を知っておくと、ターゲットにしたい筋肉を重点的に鍛えることができたり、より重量があるバーベルを上げることができるようになります。
ノーマル・デッドリフト
デッドリフトの種類、1つ目はノーマル・デッドリフトです。これは、「ノーマル」という言葉からもわかるように、一般的なデッドリフトになります。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=YXvcaAAToKo]
<ノーマル・デッドリフトのやり方>
1.足は肩幅くらいに開いて立つ
2.バーの真上に肩甲骨が来るような姿勢で、足幅よりもやや広めの手幅でバーを持つ
3.膝を伸ばして、膝の位置までバーを引き上げる(ファーストプル)
4.上体を起こし、背筋を伸ばして、直立の状態になる(セカンドプル)
5.腹圧をかけたまま、バーベルを下す
ノーマル・デッドリフトは、特に広背筋や僧帽筋、ハムストリングスを鍛えることができます。
トップサイド・デッドリフト
次は、トップサイド・デッドリフトです。トップサイド・デッドリフトは、バーベルのスタート位置を高くすることで、僧帽筋や広背筋など上半身の筋肉を重点的に鍛えることができるデッドリフトになります。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=I-R7jrebfBg]
胸を張って、肩甲骨を寄せるように意識すると、上半身の筋肉により負荷をかけることができます。
スモウ・デッドリフト
スモウ・デッドリフトは、スモウの四股を踏むように足幅をノーマル・デッドリフトよりも広くして行うデッドリフトのことです。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=aymoe7O1vaY]
足幅を広くすることで、バーベルを持ち上げる距離が短くなるので、より重いバーベルを上げることが可能です。筋トレ目的よりも、パワーリフティングの競技の時に使われるデッドリフトの種類になります。
ルーマニアン・デッドリフト
ルーマニアン・デッドリフトは、脚の筋肉を重点的に鍛えられるデッドリフトになります。足幅は、ノーマル・デッドリフトよりもやや狭くして、バーベルを持ち上げた位置からスタートになります。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=vRO01ayasOw]
「下から上に引き上げる」デッドリフトではなく、「上から下に下げる」デッドリフトと考えるとわかりやすいかもしれません。
ハムストリングスや大臀筋を鍛えたい人にはおすすめのデッドリフトになります。
スナッチグリップ・デッドリフト
スナッチグリップ・デッドリフトは、バーの手幅を通常よりも広くして行うデッドリフトのことですね。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=AExgnl6BNx4]
手幅を広くすることで、より大きな負荷をかけることができ、腕や背中の筋肉を重点的にん鍛えることができることが特徴です。
ダンベル・デッドリフト
デッドリフトの種類、最後はダンベル・デッドリフトです。ダンベル・デッドリフトは、バーベルをダンベルに持ち替えたデッドリフトです。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=ZuBUAwYCW88]
ダンベル・デッドリフトならダンベルさえあれば、自宅でもデッドリフトを行うことができますし、筋力に自信がない初心者の女性でも無理なくデッドリフトを始めることができます。
デットリフトの基礎知識と性別&年齢別平均重量・種類についてのまとめ
・デットリフトの男性があげられる平均重量
「初心者で60kg」「中級~上級者で100kg~150kg」
・デットリフトの女性があげられる平均重量
「初心者で29kg」「中級~上級者で130kg」
・デットリフトの効果的な回数
「重量によって異なる」「最大重量(1RM)=使用重量÷33.3×回数+使用重量の計算で回数を算出できる」
・デットリフトの目的別のRM値
「筋力アップをしたい時は、1~3RM」「筋肥大が目的の場合は、8~12RM」「筋持久力アップが目的の場合は、15~20RM」
・デットリフトの種類
「ノーマルデットリフト」「トップサイドデッドリフト」「スモウデッドリフト」「ルーマニアンデッドリフト」「スナッチグリップデットリフト」「ダンベルデッドリフト」
デッドリフトの基礎知識と性別&年齢&レベル別の平均重量、デッドリフトの種類をまとめました。
デッドリフトは、肩から脚までの幅広い筋肉を効率よく鍛えることができる筋トレ方法ですので、本格的に筋トレをしたいと考えている人は、ぜひデッドリフトを始めてみましょう。