薄着の時期や、ぴったりしたニットを着る時期、気になるのは二の腕のたるみです。何とかして細くしたい!とは思うものの、なかなかダイエットをするだけでは理想の体型になりません。
今回はそんな女性のために、筋トレで二の腕を引き締める方法をご紹介します!
この記事の目次
二の腕のたるみの正体とは
「二の腕のたるみ」と聞くと、まるで二の腕、つまり両腕の筋肉が緩くなったような印象を持つのではないでしょうか。
しかしこの二の腕のたるみの正体は皮下脂肪です。男性とは違って、女性は体質的に皮下脂肪が蓄積しやすく、内臓脂肪と違ってそう簡単には落とせません。
女性は冷房には弱い体質と思われていますが、これは誤解だと言われています。女性の身体は皮下脂肪で外気の影響を受けにくいため、血行が悪くなり冷えやすいというのが真実です。
皮下脂肪は熱の伝導率が低く、いったん体温が上昇した状態から冷えるまでは時間がかかります。しかし、皮下脂肪が厚いと冷たさは表皮にしか感じられません。男性の場合は皮下脂肪が女性よりも薄いので、極端に外気が下がればすぐに体温が下がります。
逆に女性の場合は、外気の影響を受けるタイムロスがあるため、外気によって体温が下がるまでには男性よりも時間がかかります。
言ってみれば女性の体は、「温まりにくく、冷めにくい」のです。これは皮下脂肪の影響です。またこの皮下脂肪は女性特有の”丸い柔らかい体”を作り上げる、重要な働きがあります。
従って「二の腕を引き締める」というのは、皮下脂肪を適度に抑えて、それまでよりも筋トレで筋力を”多少”つけさせることが目的になります。
二の腕を引き締める筋トレの多くは間違っている?
二の腕のたるみを引き締めようと、バーベルを持ち上げても重い物を持っても、実はそのたるみを取ることは出来ません。
腕の筋肉は上腕二頭筋と上腕三頭筋から成り立っています。通常、物を持ち上げるには上腕二頭筋を主に使います。普通に腕を曲げて、力こぶが出来る方です。
一方の上腕三頭筋は、腕の筋肉の中で唯一肩甲骨と結合している筋肉です。肩こりに悩む人はこの上腕三頭筋の筋力が弱いため、筋力の衰えた上腕三頭筋に、上腕二頭筋の引っ張る力で負荷がかかり、痛みや違和感を引き起こします。肩こりをほぐすのに、肩を叩いても効果が薄いのはこのためです。
腕のたるみは「上腕三頭筋の衰え」です。まず体全体の皮下脂肪を落とすような食生活に戻すことと、肘関節の伸び縮みにしか関与しない、この上腕三頭筋を適度に鍛える筋トレが必要になります。普段はあまり使わない筋肉を、積極的に筋トレで使おうというわけです。
二の腕の皮下脂肪を減らす筋トレ
前述したように皮下脂肪は、「体温を保つ」という非常に重要な役割があり、無理なダイエットでは体調にも悪影響が出てきます。脂肪は体内にある「糖質」が不足した時に初めて代謝されて使われるものです。糖質が不足するのは、基本的に一定以上の運動を行った時のみになります。
つまり、いくらダイエットしようとも、基本的に運動をしないことには皮下脂肪は絶対に落ちません。むしろ食べた分、使われない糖質は脂肪と結びついて、皮下脂肪として少しずつ毎日蓄えられるのです。
多くの人が、食べ物の脂肪がそのまま内臓脂肪や皮下脂肪になる、という勘違いをしています。動物性脂肪と糖質の2つで中性脂肪は作られます。この中性脂肪が皮下脂肪の正体です。
皮下脂肪の効率的な落とし方について、具体的な方法は後述するとして、まずは二の腕のたるみの引き締め方について詳しく説明してみましょう。
二の腕を引き締めるには上腕三頭筋の筋トレが重要
二の腕のたるみの原因は、根本的に皮下脂肪であることは理解してもらえたと思います。普段の生活の中では、無意識に上腕二頭筋ばかりを使っている女性がほとんどです。上腕三頭筋に対して、上腕二頭筋と同等の負荷を定期的に与えることが、二の腕を引き締めるトレーニングになります。
この筋肉を鍛えるためには、特別な器具も道具も必要ありません。すべて自宅の室内で、誰でも簡単に実践することが出来ます。まずはトレーニングの前に、二の腕のストレッチからご紹介します。
二の腕を引き締める筋トレの前にストレッチ
運動を始める前に、肩を中心にして、片腕ずつよく回しておきましょう。筋力が弱い状態でいきなり負荷を筋肉に与えると、関節を痛めることがあります。肩を上下に上げ下げしたり、特に二の腕はよく回しておいてください。
次に椅子などに腰かけ、姿勢をまっすぐにして片手を垂直に上げます。上げた腕は耳の後ろ側になるように反らせ、肘を片方の腕の手で押さえておきます。これを背骨の体の中心に向かって、押し込む動作をします。肘を伸ばさないように注意しましょう。
両腕とも同じように行いますが、1回の動作が終わり次第、肩の力を抜きリラックスするようにします。
次に座ったまま、両腕を水平にし、肘を曲げて胸のあたりで開いて上げておきます。そのまま力を込めて、肩甲骨の両肩が付くように後ろに腕を曲げましょう。ちょうど胸を突き出すような格好ですね。この運動が、上腕二頭筋と上腕三頭筋の基本的なストレッチになります。
女性の二の腕を引き締めるトレーニング1
女性の二の腕のたるみを解消するには、「上腕三頭筋を鍛える」ことが大切だと説明しましたが、全てのトレーニングで“体幹”に近いように鍛えることもポイントになります。
これは肩甲骨付近の筋肉も一緒に鍛えることが、引き締まった二の腕を作るうえで重要だからです。このあたりの筋肉を鍛えるには、ダイヤモンド腕立て伏せとか、ナロープッシュアップというやり方が良いと言われています。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=0PMcMjZB9GM]
まずうつ伏せに寝転がり、肩幅より狭く両手を構えて胸の前に両手を置きます。足は真っすぐ、つま先は立てておきましょう。そのまま背中の肩甲骨付近の筋肉を意識し、腕よりも肩の力で持ち上げます。
重要なのは持ち上げる時よりも体を床につける時で、動作をゆっくり行うのがコツです。力を入れた状態のまま途中で動作を止めたら、2秒間態勢を維持します。そして今度は一気に体を持ち上げます。お尻の位置が背中よりも落ちないようにしないと効果はありません。
1回の動作が40秒ほどになるよう意識し、これを10回、2セット行います。体を持ち上げるというよりも、床を体重で押すイメージです。
女性の二の腕を引き締めるトレーニング2
次は背中側に頑丈な椅子やテーブルなどをつけて行う逆腕立て伏せです。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=dE6bgUBOIl4]
背中側の椅子やテーブルに両手を回して、手のひらで椅子やテーブルの端を握ります。本来は体重をかけて行いますが、女性はマッスルボディを目指すわけではないので、寄りかかる程度で問題ありません。その姿勢のまま、ゆっくり手を椅子やテーブルから離さず座る動作をします。
座る時もそのまま立ち上がる時も動作をゆっくり行い、両腕に力を入れて肩の力で体重を持ち上げるようにします。
コツはなるべく深く体を沈めて、座る動作を行う事です。足を開いてはいけません。後方に背中を反らせるように行うと効果的です。怪我をしないように、丈夫で頑丈な椅子やテーブルで行ってください。
女性の二の腕を引き締めるトレーニング3
次はより強い負荷を与えるトレーニングです。1と2に慣れたらチャレンジすると良いでしょう。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=z_zgK0S0GUM]
やり方はうつ伏せに寝て、両手を肩の位置に置きます。足は大きく開き、つま先を立てておきます。そのままお尻を天井に向けて突き出し、体を押し上げたら、頭で床を舐めるように上半身を前に突き出します。
そのまま背中を反らせて、再びお尻を持ち上げるようにしてください。体を波のようにくねらせるイメージです。
肩甲骨付近の筋肉、上腕三頭筋に非常に強い負荷がかかります。肘を体の方へ近づけて動作するのがコツです。大きく何かを頭ですくいあげるような動きで、この筋トレはヒンズープッシュアップと呼ばれています。
女性の二の腕を引き締めるトレーニング4
次は普通の腕立て伏せと動作は同じですが、これは小さな台やベンチ、ベッドの端などを利用して行う、上半身を高くする腕立て伏せです。つま先を立てて高い台の端に両手を置き、背骨をまっすぐになるように態勢を維持します。この時両足はピッタリつけます。
顎を大の端までゆっくり数秒かけて下げていき、限界を感じたところで2秒間体勢を維持します。体を持ち上げる時は素早くやるのがコツです。肩甲骨付近の筋肉を使うイメージですね。1回の動作は約30秒、これを10回1セット行います。トレーニングは、全部で3セットです。
女性の二の腕を引き締めるトレーニング5
次は女性でも非常に楽なトレーニングの一つで、これもベッドや低めの台、ベンチがあれば出来るトレーニングです。
まず台に片膝をついて、同じ側の片手をその膝の前に置きます。1キロ程度のダンベルがあれば便利ですが、無ければ辞書などの重たいものを、手首を使ってしっかり掴みます。重い物を持った側の片腕は、軽く後ろに引いておきましょう。
コツは重たい物を持った手はあまり強く握らないことです。この態勢から、肘を伸ばしてそのまま肩から垂直に真っすぐに片腕をもっていきます。伸ばし切ってその状態を2秒間維持し、再び同じ位置にゆっくり戻します。
1回の動作は30秒以上かけて行う事です。この動作は、2セット行います。
ご紹介したトレーニングは、1から5まですべてを毎日行う必要は無く、1日どれか一つを実行するだけでも問題ありません。
二の腕のトレーニングと同時に行うべき食習慣
甘いものはどうしてもやめられない、そんな方は多いですよね。しかし炒め物やケーキなど、バターを使った食べ物では脂質と糖分が合わさり、皮下脂肪の原因、中性脂肪を蓄えることに繋がります。いくらヘルシーと言っても、果物を積極的に食べればそれは糖分という意味では同じです。
またテレビを見ている時など、口さみしさで食べる癖がある人は、意識的に間食を控える必要があります。「暇だと何か口にする」なら、その暇を作らなければ良いだけです。太る人ほど家にはお菓子が必ず常備してあります。うっかり食べないような工夫をすることも大切です。
既に説明したように、食べた油がそのまま脂肪になるわけではありません。脂肪と糖分、あるいは炭水化物の消化分解で作られた糖質と脂質が合わさって、脂肪となるのです。
脂質が僅かでも、ご飯やパスタ、小麦粉をつかったお菓子などを沢山食べていれば、脂肪は確実に蓄積されます。小食だと思っても、体重が増えるならその分食べているのです。
食事前と食事後に体重を測ってる習慣をつけましょう。そして、その中での体重の変化を見れば、減った分それだけカロリーを消費したことが分かります。1日のカロリー消費はせいぜいグラム単位ですので、体重計はグラムまで計れるものを使いましょう。
余った分は確実に体に残り、脂肪となって蓄えられる、ということが目に見えてわかるので、自分自身の食欲を抑制するのにも役立ちます。
また、筋肉を鍛えるにはアミノ酸が必要で、特に良質なたんぱく質が必要です。卵や皮の取った鳥の胸肉、マグロの赤身も非常に良好な筋トレ用の食材になります。炭水化物でも、小麦粉を摂るならパンがおすすめです。
油分が少ないのでトレーニングのエネルギー源になります。同じ脂質でも、普段の食事でオリーブオイルを使った料理はダイエットと同時に素肌の健康にも良いとされています。
二の腕を引き締めつつ女性らしい体を作る
女性の筋トレは、理想の体型を目指すことにあるでしょう。従って、いくらダイエットと言っても、マッスルボディは理想ではないですよね。二の腕を引き締める方法を5つご紹介しましたが、二の腕がたるんでいる人は、他の部位も同時に皮下脂肪があるはずです。
人の体は、一部にだけ顕著に脂肪がたまることはありません。お腹周りが脂肪でダルダルな体系でありながら、二の腕だけ引き締まってもアンバランスでしょう。
筋トレだけで皮下脂肪を落とすのは無理があります。やはり食生活を見直し、ある程度の食事制限は絶対に必要です。皮下脂肪が余計に付くのは、食べた分のカロリーをいつも余らせている状態だからです。
これは頑張って運動で消費するか、それとも食べる量を減らすかのどちらかしか無いのです。
二の腕を引き締める筋トレについてのまとめ
・腕のたるみは、上腕三頭筋の衰えによるものが多い
・二の腕を引き締めるには、上腕三頭筋の筋トレがおすすめ
・二の腕を引き締める筋トレの前にはストレッチを行う
・上腕三頭筋を鍛える筋トレ
「ナロープッシュアップ」「テーブルやイスなどを使う筋トレ」「逆腕立て伏せ」
・より強い負荷を与える筋トレ
「ヒンズープッシュアップ」「上半身を高くする腕立て伏せも取り入れる」「ベンチや低めのベッドで筋トレ」「台でできるダンベルトレーニング」
・食事は、アミノ酸と良質なタンパク質を摂るのがおすすめ
人の体は「食べた量以上に体重が増える」ことはありません。毎日の食事や習慣に気を付けることと、筋トレをうまく組み合わせることで、理想とするすっきりした二の腕を手に入れてくださいね。