ダイエットをしようと思った時に、無酸素運動と有酸素運動のどちらを重点的に行うと、効率よくダイエットできるのか知っていますか?そもそも、無酸素運動と有酸素運動の違いは何でしょうか?
無酸素運動と有酸素運動の違いやそれぞれのダイエットへの効果、ダイエットをする時の順番をまとめました。
無酸素運動とは?
無酸素運動とは酸素を必要としない運動のことです。短時間に一気に強い力で運動をするものですね。たとえば、100m走や重量挙げ、筋力トレーニングなどは、無酸素運動に分類されます。
これらの無酸素運動を行う時でも、一瞬は呼吸を止めることはあるものの、全く呼吸をしないというわけではありません。でも、無酸素運動は運動をするためのエネルギーを作る時に、酸素を必要としないのです。
無酸素運動をする時のエネルギーは、筋肉に貯蔵しておいたグリコーゲンが使われます。グリコーゲンを酸素を使わずに乳酸に分解することで、エネルギーを作り出しているんです。これを乳酸系と言います。
無酸素運動のエネルギーはもう1つあります。それは、非乳酸系と呼ばれるもので、クレアチンリン酸を分解することでエネルギーを作り出しています。
筋肉中に蓄えられていたATPを分解するとともに、筋肉中のCPが分解するときに生じるエネルギーを利用してATPを再合成する機構である。ごく短時間に大きな力を発揮するときに主に利用される。酸素を必要としない。
引用:代謝の生理学
このように運動をする時のエネルギー合成に酸素を必要としないものを無酸素運動というのです。
無酸素運動のダイエット効果
無酸素運動のダイエット効果は、基礎代謝を高めることです。無酸素運動は短い期間で一気に力を発揮する運動ですので、筋肉をつけやすいという特徴があるのです。
筋肉は消費エネルギーが多い部位になりますので、基礎代謝の消費量がとても多く、基礎代謝の中でも22%は筋肉が消費しているんです。
基礎代謝とは、生命を維持するためのエネルギーです。呼吸をするため、心臓を動かすため、尿を作り出すため、体温を維持するために使われるエネルギーですね。
この基礎代謝は寝たままでも勝手に消費されていくエネルギーですので、基礎代謝の量を多くすれば、いつの間にか自然に痩せていきます。
筋肉をつければ、基礎代謝は上がりますので、痩せやすい身体になり、ダイエットの効率が上がるのです。
また、筋肉をつけながらダイエットをすると、ダイエットを止めた後にも基礎代謝は高い状態で、痩せやすい体質を維持できますので、リバウンドしにくいというメリットもあります。
有酸素運動とは?
では、次に有酸素運動とは何かについて説明します。運動のエネルギー合成に酸素を必要としないものを無酸素運動というのですから、有酸素運動は運動のエネルギー合成に酸素が必要な運動のことなのはわかると思います。
有酸素運動は、軽度から中等度の強度の運動で、酸素を取り込みながら長時間運動を続けていけるようなものになります。
・ジョギング
・ウォーキング
・ランニング
・エアロビクス
・アクアビクス
・サイクリング
・踏み台昇降
・水泳
このような運動は、有酸素運動に分類されます。
酸素を利用してグルコースまたは脂肪酸を酸化して、ミトコンドリアにおいて大量のATPを合成する機構である。
引用:代謝の生理学
有酸素運動は酸素を取り込みながら運動をしますので、体内に取り込まれた酸素は血中の糖と結びついてエネルギーを作り出します。また、脂肪を遊離脂肪酸とグルセロールに分解して、脂肪酸をエネルギーにしているんです。
この有酸素運動で使われるエネルギーは糖から作られるものと脂肪から作られるものの2種類がありますが、この2つのエネルギーが使われる割合は、運動の継続時間によって変化するんです。
最初は糖から作られたエネルギーが多く使われるのですが、徐々に脂肪から使われたエネルギーが使われるようになり、長く運動を続ければ続けるほど、脂肪由来のエネルギーが使われる割合が増えていきます。
有酸素運動のダイエット効果
有酸素運動は脂肪をエネルギーとして使うのですから、体脂肪をエネルギーに変えて燃焼させる
、つまり脂肪を落とすことができるのです。
有酸素運動でダイエットをするためには、できれば20分以上続けたいところです。20分以上長く続けることで、脂肪がエネルギーとして使われる割合が増えて、効率よく体脂肪を落とすことができるからです。
ただ、有酸素運動は5分でも10分でも、割合は少ないものの脂肪がエネルギーとして使われますので、まずは無理のない範囲で有酸素運動を始めて、慣れてきたら少しずつ運動時間を延ばしていくことをおすすめします。
また、有酸素運動を続けると、血液中の糖がエネルギーとして使われますので、糖尿病を予防することができます。
さらに、脂肪がエネルギーとして使われると、ダイエット効果だけではなく、血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールを減らし、脂質異常症や動脈硬化を予防・改善することができるのです。
有酸素運動を頑張りすぎるのはダメ
有酸素運動は頑張りすぎてはいけません。早く痩せたいからと、ウォーキングやジョギングのスピードを上げて、息切れして心臓がバクバクいうほどの運動負荷をかけてしまうと、無酸素運動に近くなりますので、期待するほど脂肪が燃焼しなくなるのです。
そのため、有酸素運動はニコニコ会話しながら運動できる程度の負荷にとどめておきましょう。目安は、ニコニコペースの心拍数です。
ニコニコペース=138-年齢÷2
<ニコニコペースの心拍数の目安>
20歳=128回/分
30歳=123回/分
40歳=118回/分
50歳=113回/分
60歳=108回/分
70歳=103回/分
80歳=98回/分
これを目安にして、有酸素運動を行ってください。
ダイエットにはどちらも必要
ダイエットをするなら、無酸素運動と有酸素運動のどちらを重点的に行うと良いのでしょうか?無酸素運動は筋肉をつけて基礎代謝をアップさせる効果があり、有酸素運動は脂肪を燃焼させる効果があるんでしたよね。
つまり、ダイエットには無酸素運動も有酸素運動も、どちらも必要ということになります。どちらを重点的に行うというわけではなく、無酸素運動も有酸素運動もどちらもしっかりと行って、ダイエットしましょう。
そうすれば、筋肉をつけつつ脂肪を燃焼できますので、ダイエットが成功した時には引き締まった理想の体型になることができるはずです。しかも、リバウンドしにくいですので、その体型を楽に維持できるでしょう。
ただ、ダイエットで無酸素運動と有酸素運動をする時には、「無酸素運動→有酸素運動」の順番は必ず守るようにしましょう。
無酸素運動をしてから有酸素運動をするのです。無酸素運動をすると、筋肉が強く収縮しますので、交感神経が優位になってアドレナリンというホルモンが分泌されます。そして、その後少し経ってから成長ホルモンが分泌されるんです。
アドレナリンと成長ホルモンは、脂肪を燃焼させる効果があるホルモンです。そのため、この2つのホルモンを無酸素運動で分泌させてから、有酸素運動をすると、有酸素運動での脂肪燃焼効果がさらにアップするんです。
そのため、ダイエットをより効率よく、効果をアップさせたいなら、無酸素運動を行ってから有酸素運動を行うようにしてください。
無酸素運動と有酸素運動についてのまとめ
・有酸素運動の効果「脂肪燃焼になる」「糖尿病の予防になる」
・有酸素運動はニコニコペースでやるのが基本
・ダイエットにはどちらも必要で「無酸素運動→有酸素運動」の順でやる
無酸素運動と有酸素運動の違いやそれぞれのダイエット効果、無酸素運動と有酸素運動の順番をまとめました。
ダイエットというと有酸素運動ばかりが注目されがちですが、無酸素運動もダイエットには必要なんです。ダイエットのために運動をするなら、無酸素運動を行ってから有酸素運動を行いましょう。
そうすれば、運動の効果がさらに高くなりますし、引き締まったカッコいい&キレイな体型になるんです。