ダイエットをする時には、「とにかく有酸素運動をしなければ!」と思っているかもしれません。でも、ダイエットをする時は無酸素運動を無視してはいけません。無酸素運動もダイエットにはとても重要なもので、脂肪燃焼には欠かせない運動なのです。
無酸素運動の心拍数や効果、ダイエット方法などをまとめました。今からダイエットをしようと思っている人は、ぜひ参考にして下さい。
無酸素運動とは?心拍数はどのくらい?
無酸素運動とはどんな運動でしょう?運動には、無酸素運動と有酸素運動の2種類があります。無酸素運動は、運動のためのエネルギーを作り出すのに、酸素を必要としない運動のことです。
無酸素運動では筋肉に貯蔵されていたATPやグリコーゲンをエネルギーに変える運動で、強い力を出力できるものの、持続時間は短いという特徴があります。ATPからのエネルギーは8秒程度、グリコーゲンからのエネルギーは30秒程度しか持ちません。
そのため、無酸素運動は一気に強い力を必要とするスポーツ・運動になります。
・100m走
・200m走
・400m走
・重量挙げ
・筋力トレーニング
それに対して、有酸素運動は運動のためのエネルギーを作り出すのに、酸素を必要とする運動です。血中の糖や体脂肪を酸素を使ってエネルギーに変えます。力の出力は軽度~中等度ではあるものの、2時間以上持続できることが特徴です。
無酸素運動と有酸素運動の心拍数
無酸素運動と有酸素運動は、運動強度や持続時間に違いがありますが、「無酸素運動をやりたい」とか「有酸素運動をやりたい」という時は、心拍数を目安にするとわかりやすいと思います。
有酸素運動か無酸素運動かは、カルボーネン法で求めることができます。まずは、こちらの計算式を見てください。
最大心拍数=220-年齢
目標心拍数=運動強度×(最大心拍数―安静時心拍数)+安静時心拍数
運動強度50~70%だと有酸素運動になり、70%以上だと無酸素運動になりやすいとされています。
40歳で安静時の心拍数が60回/分の人が、運動強度80%で無酸素運動を行おうと思った場合、目標心拍数は156回/分です。この心拍数を目標に運動を行えば、無酸素運動を行えるということになります。
有酸素運動の運動強度は50~70%ですから、40歳で安静時の心拍数が60回/分の人が運動強度50%で有酸素運動を行う時の目標心拍数は120回/分なのです。
無酸素運動か有酸素運動かは、心拍数を目安にすると良いでしょう。
無酸素運動の効果は?
無酸素運動はダイエットに効果があるんです。ダイエット・脂肪燃焼というと有酸素運動というイメージがあるかもしれませんが、実は無酸素運動にもダイエット効果や脂肪燃焼効果があるんです。
基礎代謝が上がる
無酸素運動のダイエット効果の1つ目は、基礎代謝が上がることです。無酸素運動をすると、筋肉がつきます。筋肉がつくと、基礎代謝が上がるんです。
基礎代謝とは生命維持のためのエネルギーのことです。息をして心臓を動かして、体温を維持するためのエネルギーですね。
基礎代謝は1日の消費エネルギーの70%を占めます。そして、筋肉は基礎代謝の22%を消費する部位なのです。ということは、筋肉量をアップさせると、基礎代謝が上がるのです。
基礎代謝が上がれば、何もしなくても勝手にエネルギーが消費されていくので、痩せやすい身体を作ることができるのです。
引き締まった体型になる
無酸素運動のダイエット効果の2つ目は、引き締まった体型になることができるのです。どんなに体重が落ちて、脂肪がない身体になったとしても、筋肉がついていなければ、「骨と皮だけ」の魅力のない体型になります。
「ガリガリ」や「ヒョロヒョロ」と表現されるような体型ですね。でも、筋肉がついていれば、引き締まったカッコいい体型になります。モデルさんや女優さんも、痩せているように見えて、実は筋肉がしっかりついている人が多いんですよ。
リバウンドしにくい
無酸素運動のダイエット効果の3つ目は、リバウンドしにくい身体になることです。ダイエットを止めると、リバウンドしてしまう人が多いですね。
これは、体脂肪と一緒に筋肉が落ちてしまって、基礎代謝が低下するためです。ダイエットを止めて、ダイエット前と同じような食事に戻すと、カロリーオーバーになってしまって、どんどん太ってしまうのです。
でも、無酸素運動をしながらダイエットをすると、基礎代謝を落とさずにダイエットをすることができるので、ダイエットを止めた後もリバウンドすることなく、痩せた体型を維持できます。
脂肪燃焼が促進する
無酸素運動のダイエット効果の4つ目は、脂肪燃焼が促進することです。有酸素運動は脂肪燃焼効果がありますが、無酸素運動でも脂肪燃焼効果を得られるのです。
無酸素運動をすると、アドレナリンと成長ホルモンが分泌されます。きつい運動をすることで、交感神経が刺激されて、アドレナリンが分泌されます。
さて、筋力トレーニングのような激しい運動を行なうと、筋肉内で乳酸などの代謝産物が蓄積し、筋肉内にある化学受容器(「侵害受容器」と呼ばれています)が刺激されます。侵害受容器は、“この運動はかなりきついぞ!”という信号を脳に伝達し、脳下垂体という場所から成長ホルモンが分泌されます。
成長ホルモンは骨や筋肉の疲労回復に効果がありますので、きつい運動をすると分泌されるのです。
ただ、成長ホルモンは疲労回復効果だけではありません。脂肪細胞の中のリパーゼを活性化させて、中性脂肪を分解する効果があるんです。アドレナリンも脂肪を燃焼させる効果があります。
でも、アドレナリンも成長ホルモンも、分泌されたら自動的に脂肪が燃焼するわけではありません。脂肪燃焼しやすい状態を作り出すだけです。
アンチエイジング効果
先ほど、無酸素運動を行うと成長ホルモンが分泌することをお話しました。成長ホルモンは新陳代謝を促す効果がありますので、肌の老化を防いで、若々しさを保つ効果があるんです。
無酸素運動を取り入れながら、ダイエットをすると、美しくきれいに痩せることができるのです。
無酸素運動で脂肪燃焼!ダイエットを成功させる方法
無酸素運動には5つの効果があることをご紹介しましたが、無酸素運動を取り入れて、ダイエットをする方法をご紹介します。
無酸素運動を取り入れながらダイエットをする時の大原則は、こちらです。
無酸素運動→有酸素運動
これを必ず守ってください。先ほども説明しましたが、無酸素運動を行うと、脂肪燃焼効果のあるアドレナリンと成長ホルモンが分泌されます。
この2つのホルモンを分泌させてから、有酸素運動を行うと、有酸素運動だけを行う時よりも、効率よく脂肪を燃焼させられるのです。
ですから、有酸素運動をする前には無酸素運動を行ってから、有酸素運動を行ってください。無酸素運動は、短距離走でも良いのですが、自宅で簡単に行える筋トレがおすすめです。
筋トレをしてから、有酸素運動を始めましょう。そうすれば、筋肉をつけつつ、脂肪がガンガン落ちていくはずです!
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「無酸素運動→有酸素運動の順で運動を行う」
無酸素運動の心拍数、ダイエット効果、ダイエット方法をまとめました。無酸素運動か有酸素運動かは心拍数を目安にしましょう。
また、無酸素運動をダイエットの中に取り込むことで脂肪燃焼効果やそれ以外のダイエット効果を得られますので、無酸素運動を行ってから有酸素運動を行うようにすると良いですよ!
今まで有酸素運動しかしてこなかったという人は、今日から有酸素運動の前に筋トレなどの無酸素運動を行うようにしましょう。