生卵は健康に良さそうなイメージがありますよね。生卵でダイエットをしようかなと考えている人もいるのではないでしょうか?でも、生卵でのダイエットはあまりおすすめできないんです。
生卵のカロリーや栄養、ダイエット効果の有無、卵でダイエットをする時のおすすめの食べ方やレシピをまとめました。
この記事の目次
生卵のカロリーや栄養
生卵は健康に良いイメージを持っている人が多いと思います。実際に生卵は、「完全栄養食」と呼ばれることもあるほど、栄養が豊富な食品です。
生卵はいったいどのくらいのカロリーなのか、どんな栄養が含まれているのかを確認していきましょう。
表 たまごの成分表(可食部100gあたり) | ||||||||||||||||||
区 分 | エ ネ ル ギ | | た ん ぱ く 質 | 脂 質 | 糖 質 | 灰 分 | 無 機 質 | ビ タ ミ ン | 食 塩 相 当 量 | ||||||||||
カ ル シ ウ ム | リ ン | 鉄 分 | 亜 鉛 | ナ ト リ ウ ム | カ リ ウ ム | A 効 力 | D | B1 | B2 | ナ イ ア シ ン | E | |||||||
kcal | g | mg | mg | mg | g | |||||||||||||
全卵 | 151 | 12.3 | 10.3 | 0.3 | 1.0 | 51 | 180 | 1.8 | 1.3 | 140 | 130 | 307 | 3 | 0.06 | 0.43 | 0.1 | 1.1 | 0.4 |
卵黄 | 387 | 16.5 | 33.5 | 0.1 | 1.7 | 150 | 570 | 6.0 | 4.2 | 48 | 87 | 1005 | 6 | 0.21 | 0.52 | 0 | 3.6 | 0.1 |
卵白 | 47 | 10.5 | – | 0.4 | 0.7 | 6 | 11 | 0 | – | 180 | 140 | 0 | 0 | 0 | 0.39 | 0.1 | 0 | 0.5 |
資料:五訂日本食品標準成分表より |
出典:日本卵業協会
卵1個当たりの黄身と白身のカロリーや栄養を見ていきましょう。
<卵1個当たりの黄身のカロリー>
・カロリー=66kcal
・脂質=5.7kcal
・タンパク質=2.81kcal
・炭水化物=0.2kcal
・ビタミンA=81.6㎍
・ビタミンB1=0.04mg
・ビタミンB2=0.09mg
・ビタミンB6=0.04mg
・ビタミンB12=0.51㎍
・ビタミンD=1㎍
・ビタミンE=0.58mg
・ビタミンK=6.8㎍
・葉酸=23.8㎍
・ビオチン=11.05㎍
・パントテン酸=0.74mg
・ナトリウム=8.16mg
・カリウム=14.79mg
・マグネシウム=25.5mg
・カルシウム=2.04mg
・リン=96.9mg
・鉄=1.02mg
・亜鉛=0.71mg
・銅=0.03mg
・マンガン=0.01mg
・ヨウ素=8.5㎍
・セレン=9.52㎍
・モリブデン=2.38㎍
<卵1個当たりの白身のカロリー>
・カロリー=18kcal
・脂質=0g
・タンパク質=3.99g
・炭水化物=0.15g
・ビタミンB2=0.15mg
・ビタミンK=0.38㎍
・ナイアシン=0.04mg
・ビオチン=2.96㎍
・パントテン酸=0.07mg
・ナトリウム=68.4mg
・カリウム=53.2mg
・カルシウム=2.28mg
・マグネシウム=4.18mg
・リン=4.18mg
・銅=0.01mg
・ヨウ素=0.76㎍
・セレン=7.98㎍
・モリブデン=0.38㎍
黄身と白身の栄養やカロリーを比べてみるとわかると思いますが、生卵は黄身は栄養が豊富ですが、ややカロリーが高い。
白身はタンパク質の塊で、ビタミンやミネラルは少ないものの、カロリーは低い。
この黄身と白身の違いを考慮しつつ、卵をダイエットに使うと、効率よくダイエットをすることができるでしょう。
生卵でダイエットはあまり効果がない!?
生卵はダイエットに向いているのでしょうか?それとも、生卵でダイエットをしても、あまり効果がないのでしょうか?
生卵のダイエット効果やリスクを説明していきます。
生卵ダイエットの効果
生卵のダイエット効果は、カロリーが低いことと、栄養豊富であること、栄養をまるっと取れること、腹持ちが良いことの4つです。
生卵のカロリーは1個で91kcalです。生卵は2つ食べても、200kcal未満です。これを考えると、生卵はカロリーが低く、ダイエットに向いている食品と言えるでしょう。
また、生卵は栄養が豊富です。タンパク質やアミノ酸、ビタミン、ミネラルをしっかり摂ることができます。また、ビタミンB群は熱に弱いという性質がありますので、生のままで食べると、栄養を壊すことなく、ビタミンB群をそのまま摂取することができるのです。
また、生卵は消化に良い食べ物ではありません。そのため、分解・吸収されるまでに時間がかかるので、カロリーが低い割には腹持ちが良いので、生卵でダイエットをすると、空腹を感じにくいという効果があります。
生卵ダイエットのリスク
生卵のダイエット効果を説明しましたが、この効果を見ると、「生卵ってダイエットに向いているよね?」と思いますよね。
でも、生卵でダイエットをするのは、あまりおすすめできないんです。その理由は2つあります。
■タンパク質の吸収効率が悪い
ダイエット中にはタンパク質の摂取は欠かせませんよね。タンパク質は筋肉の原料となるものです。ダイエット中は脂肪と一緒に筋肉も少なくなりやすいんです。
でも、筋肉は消費カロリーが多い部位ですので、筋肉量が少なくなれば、基礎代謝が低下して、痩せにくくなってしまいます。
ダイエット中はタンパク質をしっかりと摂取して、できるだけ筋肉量を落とさず、痩せやすい体を維持する必要があります。
卵にはタンパク質が豊富に含まれていますが、生卵として食べるとタンパク質の吸収効率が悪いんです。
生卵にはオボムコイドという成分が含まれています。このオボムコイドは、体内のタンパク質分解酵素の働きを阻害する作用があるので、タンパク質が分解・吸収されにくなってしまいます。
せっかくタンパク質を摂取しても、それが吸収されにくくなってしまったら、もったいないですよね。
このオボムコイドは加熱することで、その働きを弱めることができますので、生卵でダイエットするよりも、卵は加熱したほうが良いんです。
■ビオチンを吸収できない
卵にはビオチンが含まれていますが、生卵のままではビオチンを吸収しにくくなります。ビオチンとは美しい肌や髪を維持するためには欠かせない栄養素です。
ダイエットをしていると、栄養が偏って、肌荒れをしたり、髪の毛がぱさぱさになってしまうこともありますよね。でも、ビオチンをしっかり摂取しておくと、ダイエットしていても、きれいでいられるのです。
生の卵白には、アビジンという成分が含まれています。このアビジンはビオチンと親和性が高く、ビオチンが腸管から吸収されるのを阻害してしまうんです。
そのため、生卵を食べていると、ビオチン不足になってしまうんですね。
卵でダイエットをする時のおすすめの食べ方
生卵はダイエット効果はあるものの、タンパク質やビオチンの吸収効率を考えると、ダイエットにはあまりおすすめできません。
でも、卵はダイエットに向いている食品です。そして、生卵のダイエット効果でご紹介したメリットのほとんどは、卵を加熱しても大丈夫なものばかりです。
ということは、生卵でダイエットするのではなく、加熱した卵を食べてダイエットしましょう。加熱した卵なら、タンパク質の吸収効率も良いですし、ビオチンもしっかり吸収できます。
ビタミンB群は少し減るものの、ほとんどの栄養素はしっかり摂取できます。だから、卵は加熱したほうがダイエットに効果があるんです。
では、卵でダイエットをする時には、どうやって食べると良いのか、卵ダイエットにおすすめの食べ方をご紹介します。あなたはどんな食べ方で卵ダイエットをしますか?
腹持ちを考えるならゆで卵や目玉焼き
卵ダイエットの食べ方、腹持ちを考えるならゆで卵や目玉焼きをおすすめします。これは、半熟ではなくしっかりと火を通してください。
固ゆでのゆで卵やしっかり火を通した目玉焼きは、消化が悪いんです。しっかりと火を通した卵は、生卵と同じくらい、もしくはそれ以上消化に時間がかかります。
ということは、それだけ胃や腸にとどまる時間が長くなりますので、腹持ちが良く、空腹を感じにくいのです。
また、生卵とは違い、ゆで卵や目玉焼きはしっかり噛んで食べますよね。噛むという行為は、満腹中枢を刺激してくれますので、お腹いっぱいになりやすいんですね。
嵩増しをするなら茶碗蒸しやオムレツ
卵ダイエットにおすすめの食べ方、次は茶碗蒸しやオムレツです。茶碗蒸しやオムレツのメリットは、簡単に嵩増しができることです。しかも、低カロリーのまま嵩増しができます。
ダイエット中は、どうしてもお腹が空きますよね。いくら、ゆで卵や生卵は消化が悪く腹持ちが良いからといっても、食べる量自体はそれほど多くありません。
お腹いっぱい食べることに幸せを感じる人は、卵ダイエットをすると、物足りなさを感じて、ダイエットを挫折してしまうこともあるでしょう。
そういう人におすすめの食べ方が、茶碗蒸しやオムレツなんです。茶碗蒸しは卵にだし汁を加えることで、嵩増しをすることができます。
だし汁はカロリーがほぼありませんので、カロリーを気にすることなく、しっかり食べることができるんです。鶏のささ身やキノコなど低カロリーのものを具材にすることで、さらに嵩増しができて、食べごたえも出ます!
そして、オムレツ。プレーンオムレツはあまりおすすめできません。でも、そこに野菜をたっぷり入れれば、卵1個でも大きなオムレツができます。
しかも、野菜だからカロリーは少なめ。さらに、歯ごたえが出るので、しっかり噛んで食べることができます。
また、卵に不足しているビタミンCをしっかり摂ることができますよね。
だから、ダイエット中でもたくさん食べたい人は、茶碗蒸しやオムレツの食べ方でダイエットをすると良いですよ!
白身多めの卵料理もおすすめ
卵でダイエットをする時のおすすめの食べ方、最後は白身を多めにすることです。白身だけにすると、黄身の栄養を摂れないので、ちょっともったいないのですが、例えば黄身は1つ分、白身は2つ分にすると、栄養も摂れるし、低カロリーだし、嵩増しできるのでおすすめなんです。
卵1個分の黄身のカロリーは66kcal、白身のカロリーは18kcalです。白身は低カロリーでタンパク質の塊ですので、ダイエット中でも安心して食べることができます。
余った黄身は家族に食べてもらうと良いですよ!黄身の醤油漬けやみそ漬けを作るのも良いですし、カルボナーラなどに使うのも良いですね。
ダイエットにおすすめの卵料理のレシピ!
ダイエットにおすすめの卵料理のレシピをご紹介します。ダイエットにおすすめの卵の食べ方がわかっても、レシピがわからないと作れないですよね。
ゆで卵の基本レシピ
まずはゆで卵の基本のレシピからです。ゆで卵は熱湯で卵をゆでれば良いので、特にレシピはないのですが、固ゆでにするためには沸騰したお湯から卵を茹でて12分程度は茹でたいですね。
最近では電子レンジで卵を作れる調理器具も販売されています。
出典:amazon.co.jp
ゆで卵は、卵ダイエットの基本ですので、お好みの固さでゆで卵を作れるようにマスターしておきましょう。
野菜たっぷりオムレツ
ダイエットにおすすめの卵の食べ方レシピ、次は野菜たっぷりオムレツです。これも簡単ですよね。卵にお好きな野菜類を入れて焼けばOKですから。
おすすめの野菜は、ピーマン、玉ねぎ、にんじん、トマトなどです。野菜類は細かく刻んで、卵に混ぜてから焼きましょう。トマト以外の野菜は刻んだ後に、レンジで加熱しておくと食べやすいと思います。
また、チーズなどを入れると、ちょっとカロリーは高くなりますが、タンパク質を摂取できますし、味のアクセントができますのでおすすめです。
具体的なレシピはこちらのレシピを参考にすると良いですよ!
ちなみに、時間がある人はちょっと頑張って黄身と白身を分けて、白身を泡立ててメレンゲにしてから黄身と野菜を混ぜてオムレツを作ると、ふわふわになりますし、ちょっとボリュームが出ますのでおすすめです!
卵白多めの茶碗蒸し
卵ダイエットにおすすめの食べ方レシピ、最後は卵白多めの茶碗蒸しです。
<卵白多めの茶碗蒸し>
・全卵1個
・白身1個分
・だし汁200ml
・醤油小さじ1/2
・みりん小さじ1/2
・塩1つまみ
・お好みの具
卵と白身、だし汁を混ぜて、調味料を入れた後、お好みの具を入れた容器に卵液を注いで、強火で7分、弱火で3分蒸したら出来上がりです。
生卵の栄養とカロリー・ダイエット効果の有無についてのまとめ
・生卵ダイエットの効果
「栄養豊富でカロリーが低い」「腹持ちがいい」
・生卵ダイエットのリスク
「生卵ではたんぱく質の吸収効率が悪い」「肌や髪を維持できるビオチンが吸収できない」
・卵でダイエットをする時の食べ方
「ゆで卵や目玉焼きなど加熱した卵にする」「嵩増しをするなら、茶碗蒸しやオムレツ」「白身を多めにした卵料理にする」
生卵の栄養やカロリー、ダイエット効果の有無、卵ダイエットのおすすめの食べ方やレシピをまとめました。
ダイエットをするなら、生卵よりも加熱した卵の方がおすすめです。腹持ちの良い固ゆでのゆで卵や茶碗蒸し、野菜たっぷりオムレツなど、食べ方を工夫して、卵でダイエットするようにしましょう。