自分の体系に不満を持っている女性は数多く存在します。特に足が太い、ウエストがくびれていない、など部分的な悩みを抱えている方は少なくありません。そんな気になる部分をすっきりさせるのは、本当に不可能なのでしょうか?
部分痩せダイエットは可能なのか不可能なのか徹底的にまとめたのでご紹介します。
この記事の目次
部分痩せ不可能なダイエット方法3つ
部分痩せとは、身体の一部分のみを細くする、一部分だけを痩せさせることです。巷の部分痩せの方法には、一体どんなものがあるでしょうか。
塩もみマッサージ
塩には水分を吸着する効果があるので、マッサージで余計に表皮の水分をとって引き締めようとするものです。塩も天然の岩塩や海水から作ったものまで、色々あります。
結論から言いますと、これほど効果のないものは他にありません。むしろ素肌を荒れさせるだけので、絶対に止めるべきです。塩はアルカリ性なので、体表の持つ弱酸性とは相対する性質です。
一時的に肌がスベスベして見えるのは、単に体表の表面本来のコーティングが取れただけに他なりません。むしろマッサージによる一時的な筋肉の引き締め効果があるだけです。
脂肪を揉むマッサージ
これも全く医学的な意味はありません。むしろ強く揉むことで皮膚が伸び、余計な皺やたるみの原因を作っている可能性もあります。直後に計測して、お腹などが痩せたように感じるレベルは、これも一時的な引き締め効果によるものです。1時間から2時間後はまた元に戻ります。
ラップを巻く
これは体表の呼吸を妨げ、窒息させるだけではなく、圧迫によってその部分の血流が悪くなります。細くなったように感じるのは、一時的に血流が行かなくなったために、血管が収縮したためです。これも危険なだけで効果はゼロと言っても過言ではありません。
こうしてみると巷の部分痩せの方法は、ことごとく間違いであるのと同時に、何の効果も無い無意味な方法だとわかります。一部分だけ脂肪を減らして細くするのは不可能であり、筋力をつけて引き締める以外、部分痩せはできないと思っておきましょう。
部分痩せが可能な場所
「部分痩せは出来ない、不可能である」前もってこう説明しましたが、部分痩せが出来る箇所が一つだけあります。それは腹部です。
腹部に付く内臓脂肪は、十二指腸の後ろにある隙間にたまる脂肪で、ポッコリお腹の原因にもなります。ここの脂肪を減らすのは案外簡単なんです。内臓脂肪は非常に短期間に蓄積される代わりに、消費も早いという特徴があります。
内臓脂肪を減らすためには、食事制限が有効です。特に脂質と炭水化物の両方を重点的に減らします。人の脂肪は体内で合成したもので、油分として食べ物から摂った分と、糖質を使って合成して作られます。
糖質でも砂糖よりも、炭水化物を分解して摂取する方が多いので、単に肉類だけ制限すれば痩せられるわけではありません。
この場合の食事制限とは、1回の食事量というよりも、「1日の総量」を減らす考え方になります。例えば普通の外食で、一般的な総菜のメニューがありますよね。ご飯、お味噌汁、おかずに肉野菜炒め、お新香といった内容です。
これが3食同じだとして、2食分を3食に分けてしまうイメージで食事を摂るようにしましょう。こうした食事制限を3か月続ければ、みるみるうちにお腹の脂肪は減っていきます。
身長から割り出した「標準体重」を目標に続け、体重が停滞した段階で、今度は皮下脂肪の燃焼を目指すとスムーズにダイエットできます。
部分痩せと引き締めることの違い
「体を引き締める」とは、要するに筋力を鍛えようとするものです。痩せるというのは、体重を落として「スタイルを良くする」事が目標なので、筋肉ムキムキになるのとは違います。この引き締める効果を上手に使えば、“筋肉のある部分”ならどこでも部分痩せが可能です。
女性の場合、20代後半から筋肉の発達は止まるため、20代前半よりも太ももなど大きな筋肉のある箇所は細くなることがあります。また女性は、男性よりも歩く機会が多いそうです。買い物や外出頻度は、会社内を歩くよりも、大抵は長い距離になるからです。
一方でほとんど使わない筋肉もあります。それは肩甲骨付近にある背筋の一部や、物を“押す”場合に使われる、腕の肘からわきの下まで繋がる筋肉です。そして「中腰」になった時に使われる、お尻から膝関節までの太もも裏側の筋肉も、普段あまり使われません。
こうした日常生活ではあまり使わない筋肉周辺にある皮下脂肪は、消費されません。つまり全身の筋トレよりも、こういった「普段は使わない筋肉」を積極的に鍛えれば、余分な脂肪を減らすことが出来るのです。これが部分痩せに繋がるというわけです。
従って筋トレを効率よくやれば、引き締まった体を目指すことが可能、つまり部分痩せは不可能でも、できないわけでもありません。筋トレにはストレッチやトレーニング後のマッサージもあるので、バランスも良いですね。
部分痩せは決してできないわけではない
ここまでくれば、実は部分痩せは不可能でも、決して出来ないわけでもないのはわかって頂けたかと思います。日常的に使っている筋肉の箇所は、元々皮下脂肪が付きにくいのです。
ですから、「普段は行わない姿勢」を行うとか、「日常的に使わない筋肉」を鍛えることで部分痩せは可能です。
部分痩せが不可能と思えるのは、その箇所だけの皮下脂肪を取ろうと思うからです。皮下脂肪の役割は健全な皮脂の分泌と、体温を適切に保つ役割です。全身くまなく使う生活なら、最初から皮下脂肪は付きにくくなります。
自分らしいスタイルを目指し、美しい体を手に入れるには、使わない筋肉を頻繁に使えば良いのです。
部分痩せダイエットが続かない理由
最も良くないのは、急激で無理な過激なダイエットです。内臓脂肪を取るにも、いきなりサラダだけしか食べないとか、過剰な糖質制限は疲労の蓄積となり、かえってストレスを増大させます。
偏食は病気になりやすい体を作ってしまいます。肌が荒れる原因にもなりますから、痩せるにしても短期間で結果を期待してはいけません。
内臓脂肪は1か月もあれば簡単に蓄積する代わり、食事の総量を少しずつ下げれば減らせます。しかも非常に早く消費されるので、過剰なダイエットをしなくても簡単です。
問題は皮下脂肪で、徐々に時間をかけて、内臓脂肪の蓄積により余剰分が付いていく性質があります。これは、内臓脂肪が代謝を抑制する、インスリン耐性というものを持っているからなのです。
インスリンとは、体内の糖分をエネルギーに変え、筋力が使いやすい“力”として活用しています。しかし内臓脂肪が多い人ほど、このインスリンの働きに対して抵抗する代謝が強くなり、太りやすい体質になります。
また太ると、普通に立ち上がったり座ったりするだけでも体力を消耗するため、体を支えようと余計にエネルギーが必要になってしまいます。
女性がよく「間食がやめられない」理由の一つが、筋力の衰えによって何気ない姿勢だけでも、気が付かず疲労しているケースがあります。むしろ基礎体力があれば、動かない場合でもエネルギーはさほど必要とはしません。
痩せている人と太っている人では、元々のエネルギーを使う「効率」が違っているんですね。
部分痩せと部分太り
そもそも部分痩せをしようと思うのは、その箇所だけ「太っている」と感じるからではないでしょうか。つまり身体として全体を見た時に、アンバランスに見えるということです。
普段使わない筋肉には、脂肪が付きやすいとは既に説明した通りです。しかし目立って運動をしない人でも、全身の筋肉と一緒に、必ず関節は使って生活しています。ではなぜ脂肪が付きやすい箇所があるのでしょうか。
ここでちょっと想像して欲しいのですが、日常の中で「重い物を引っ張る」とか、「重い物を強く押す」といった動作をどれくらいやっているでしょうか。加えて、中腰で数十秒姿勢を維持するなどの行為は、一般的に椅子があるため、普段はまずやらないでしょう。
この2つは部分痩せではよく言われる、「二の腕のたるみ」や「太ももの太さ」など、身体の後ろ側にある脂肪と関係しています。ほとんどの人は、鏡でも上半身や正面以外、あまり見ることはないでしょう。身体の後ろ側にある筋肉こそ、脂肪が一番付きやすいと言えます。
例えば「お尻」ですが、加齢で垂れた感じになりやすい部位の一つです。ここが垂れるのは、筋肉の衰えと同時に、太ももに付いた余分な脂肪も関係しています。スポーツ選手のお尻がピンと張って見えるのは、太ももの筋肉を、瞬発力を使って鍛えてあるためです。
お尻の筋肉は、大臀筋、中臀筋、小臀筋などありますが、これは歩幅が大きな人ほど良く発達します。小幅でダラダラ歩く人などは、この部分の筋肉が衰えやすくなります。
柔らかいイメージのあるお尻ですが、実は筋肉が多く脂肪は少ない箇所なんです。だからこそ、筋力が衰えると同時に垂れてしまいます。
部分痩せダイエットの真実についてのまとめ
・脂肪を揉むマッサージは、余計なたるみなどを作ってしまう
・ラップを巻く方法は、肌の呼吸を防いでしまうので血流が悪くなる
・部分痩せが可能な部分は、腹部
・2食分を3食に分けるイメージで1日の食事量を減らす方法がおすすめ
・『筋肉のある部分』ならどこでも部分痩せはできる
・筋肉を鍛えて体を引き締める方法
「筋トレ」「普段使っていない筋肉を使う」
・過剰な糖質制限や過激なダイエットはストレスになりやすいので注意
痩せたい部分だけを筋トレもせずに痩せさせることは、出来ない、不可能と言えるでしょう。
そして筋トレといっても、日常的にそれを使う動作や姿勢を維持すれば、あるいは歩き方などを変えるだけで、特別な運動はあまり必要ではありません。運動によって、部分痩せは不可能ではないと言えます。
こうしてみると、簡単な心掛け一つで、部分痩せは可能であることがおわかりいただけるのではないでしょうか。