低脂質ダイエットは挫折する人も多いですが食事方法や運動メニューを工夫することで無理なく効果が期待できるはずです。
今回は低脂質ダイエットの効果、具体的な方法、おすすめ食事メニュー2選、運動メニュー2選を紹介します。
この記事の目次
低脂質ダイエットとは
低脂質ダイエットとはどのようなダイエット方法なのでしょうか?
簡単に言うと、三大栄養素のうちの「脂質」の摂取量を抑えるダイエット方法です。
では、三大栄養素についておさらいしていきましょう。
三大栄養素とは、食べ物に含まれる炭水化物・たんぱく質・脂質の総称です。
- ■炭水化物:体のエネルギー源となる栄養素。ご飯・パンなど。
- ■たんぱく質:血液や肉の原材料となる栄養素。魚・肉・卵など。
- ■脂質:体のエネルギー源でありホルモンや細胞膜を作る栄養素。植物油や動物性油脂など。
脂質は重要なエネルギー源だけでなく、ホルモンや細胞膜、核膜を構成したり、皮下脂肪として、臓器を保護したり、体を寒冷から守ったりする働きもあります。
また、脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)の吸収を促すなど、重要な役割を担っています。
脂質は炭水化物と同様、体を動かすためのエネルギー源となります。
さらに、ホルモンや細胞膜を構成するのにも必要な栄養素です。
ただ、脂質は体に必要不可欠な栄養素でありながら、高カロリーで太りやすいというイメージが強いのではないでしょうか。
そこで考案されたのが低脂質ダイエットなのです!
毎日の食事において、脂質を含む食品を減らすだけの簡単ダイエットです。
具体的な方法については後で詳しく解説していきます。
低脂質ダイエットの効果とは?脂質の摂りすぎで太る理由から検証
そもそも脂質は本当に太るのでしょうか?
脂質が太るとされている理由を徹底解説し、その上で低脂質ダイエットの効果を考えていきます。
脂質はカロリーが高い
脂質=太るというイメージが強いのは、脂質が高カロリーなことにあると考えられます。
三大栄養素の1gあたりのそれぞれのカロリーを比較してみましょう。
■炭水化物:4kcal
- ■たんぱく質:4kcal
- ■脂質:9kcal
脂質1gのカロリーは9kcalと高く、炭水化物やたんぱく質の約2倍となっています。
つまり、脂質を多く含む食品を摂りすぎると、あっという間にカロリーオーバーとなる可能性があるのです。
では、ここで摂取カロリーと肥満の関係を見ていきましょう。
1日の合計カロリーの目安量は、年齢や身長、活動等で個人差もありますが、成人男性は2,600kcalくらい、成人女性は2,000kcalくらいです。
多少の個人差はありますが、成人女性の1日あたりの摂取目安カロリーは2,000kcal前後です。
これは生きていくうえに必要な基礎代謝量+活動によって消費されるカロリーを考慮したもの。
つまり、1日分の消費カロリーということになります。
摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、余ったカロリーを体に蓄えてしまいます。
これが肥満になる1つのメカニズムです。
先ほども解説したように、脂質は他の栄養素と比べて高カロリーです。
毎日の食事において脂質を抑えることで、効率よく摂取カロリーを減らすことができますよ。
脂質は体脂肪の増加につながりやすい
脂質は炭水化物(糖質)と同じように、体を動かすためのエネルギー源となる栄養素です。
「だったら、多少多めに摂ってもエネルギーとして消費されるのでは?」と思うかもしれませんが、実は消費される順番が大きなポイントとなります。
エネルギーとして使う優先順位は糖質、脂質、タンパク質。ここ、ポイントです。
実は、栄養素をエネルギー源として使用する際には、優先順位が決まっています。
脂質がエネルギーとして使われるのは、糖質が不足した時になります。
糖質が十分足りている状態だと、脂質はエネルギー源としての出番がありません。
脂質を摂りすぎるとなかなか消費できず、体脂肪として溜め込んでしまう可能性が高いのです。
低脂質ダイエットを行うことで、体脂肪の蓄積を避けることができます。
体に悪い脂質がある
脂質を構成しているのが脂肪酸です。
脂肪酸には、大きく飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類に分かれます。
脂肪酸は、その科学的構造から二重結合の数によって大きく3つに分類でき、二重結合がない飽和脂肪酸、二重結合がひとつの一価不飽和脂肪酸、二重結合を2つ以上含む多価不飽和脂肪酸に分けられます。
引用:グリコ
さらに、不飽和脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸(オメガ9系)と多価不飽和脂肪酸(オメガ3系・オメガ6系)に分かれます。
それぞれの脂肪酸が多く含まれている食品は以下の通りです。
- ■飽和脂肪酸:脂身の多い肉・マーガリン・チョコレートなど。
- ■一価不飽和脂肪酸:ひまわり油・オリーブオイル・マカデミアナッツなど。
- ■多価不飽和脂肪酸(オメガ3系):シソ油・魚油など。
- ■多価不飽和脂肪酸(オメガ6系):サンフラワー油・大豆油・からすみなど。
太りやすいと言われているのは、動物性脂に多く含まれる飽和脂肪酸、そしてオメガ6系の不飽和脂肪酸です。
この2つの脂肪酸は、中性脂肪やコレステロールを増やしてしまう可能性があります。
この2つの脂肪酸を多く含む食品を控えることで、ダイエット効果や生活習慣病の予防・改善が期待できますよ!
低脂質ダイエットの口コミを調査
低脂質ダイエットは本当に効果があるのでしょうか?
実際に低脂質ダイエットに挑戦した人の口コミを調査しました。
成功者の口コミ
体脂肪率マイナス5%!
主に体脂肪率を落とすことを目的としていたため、マイナス5%は満足の結果です!
体重はあまり変わらないのに、見た目はかなり変わりました。
痩せたというより、絞れたといった感じです。
うむ、減量が順調。去年の10月くらいの絞り具合になってきた。
なおかつ体重はその時より重いので、筋肉を維持しつつ脂肪を落とせているみたい。
引用:Twitter
「無理なく続けられた」「筋肉を落とさずダイエットできた」という声が目立ちました。
どんなに痩せても健康を害したら意味がありません。
健康的にできるダイエット方法というのは嬉しいですね。
悪い口コミ
手っ取り早く痩せるなら、やはり糖質制限が鉄板。
低脂質ダイエットで痩せられる人を尊敬します。自分には無理。
引用:Twitter
体重まっったく変わりなくてもう一ヶ月以上経つというか何なら半年経つから、私はそろそろ糖質より脂質を落とさなければならん…
脂質落とすダイエット続かないからなぁ心配
引用:Twitter
比較的早く結果が出やすい糖質制限ダイエットに対して、低脂肪ダイエットはゆったりと行うダイエット方法です。
なかなか結果が出ず、挫折してしまう人も少なくありません。
特に、脂っこい食べ物が好きな人にとってはきついかもしれません。
低脂質ダイエットの具体的な方法
低脂質ダイエットの方法を紹介していきます。
低脂質ダイエットにはさまざまな方法があるので、あくまでも一例と考えてください。
脂質の割合を20~30%に抑える
日本人の食事摂取基準(2015年版)によると、三大栄養素の理想的な摂取バランスは以下の通りです。
- ■炭水化物:13~20%
- ■たんぱく質:20~30%
- ■脂質:50~65%
脂質の摂取量は全体の20~30%に抑えることが望ましいです。
低脂質ダイエットを行う場合も、この範囲内に収めることを意識しましょう。
1日2,000kcalを摂取する人の場合、必要な脂質量は約55gとなります。
このことから、成人女性が低脂質ダイエットを行う場合は、1日50gを目標にすることをおすすめします。
目標達成のポイントは、脂質の低い食材選びを意識することです。
同じ牛肉でも部位によって脂質量に大きな差があります。
部位 | 100gあたりの脂質量 |
バラ | 42.6g |
リブロース | 37.1g |
サーロイン | 27.9g |
肩 | 19.6g |
もも | 13.3g |
ヒレ | 9.8g |
低脂質ダイエット中は、なるべく脂質の低い部位を選んでください。
調理法も、油を多く使う揚げ物などは避け、蒸す・煮るなどの調理法がおすすめです。
不飽和脂肪酸を上手に摂る
低脂質ダイエット中だからといって、極端に脂質を減らすのはNGです。
体に不調が現れたり、肌が荒れる可能性があります。
全体の20~30%を目標に脂質を摂っていきますが、その際に上手に摂ってほしいのが不飽和脂肪酸(オメガ3系・オメガ9系)です。
- ■オメガ3系:@-リノレン酸・DHA・EPA
- ■オメガ9系:オレイン酸
DHAやEPAはサバやサンマなどの青魚に多く含まれ、オレイン酸はオリーブオイルに多く含まれています。
脂質を摂る際は、これらの食品を意識して食べてみてください。
飽和脂肪酸を多く含む豚肉・牛肉の脂身、マーガリンなどは控えたほうが無難です。
炭水化物の摂りすぎに注意
脂質を抑えると満足感を得にくくなり、代わりにご飯やパンなどの炭水化物(糖質)を多く食べてしまう人がいます。
低脂質ダイエットは脂質を減らすダイエット方法なので、糖質制限などのルールは特にありません。
とはいえ、炭水化物を摂りすぎればダイエット効果が薄れてしまいます。
制限する必要はありませんが、食べすぎにはくれぐれも注意してくださいね。
低脂質ダイエットのおすすめの食事メニュー2選
低脂質ダイエット中におすすめのレシピを紹介していきます。
キーワードは低脂肪・高たんぱくです!
高タンパク低脂肪!鶏むね肉の白味噌焼き
低カロリー・低脂質な鶏むね肉を使ったレシピ。
カロリーや脂質を抑えるため、油を敷かずに焼いています。
白味噌ベースのタレに漬け込むことで、むね肉のパサパサ感が上手にカバーされています。
詳しいレシピはこちらから。
簡単な油不使用で揚げないトンカツ
どうしても揚げ物を食べたくなった時におすすめ!油で揚げないヘルシーなトンカツです。
作り方は普通のトンカツとほぼ同じですが、揚げるのではなくオーブンで焼き上げます。
脂身の少ない部位を使うとさらに脂質を抑えられますよ。
レシピはこちらから。
低脂質ダイエットの効果がアップする運動メニュー2選
低脂質ダイエットには、運動に関する決まりはありませんが、行ったほうが当然ダイエット効果が出やすくなります。
おすすめの運動メニュー一例を紹介していきます。
ウォーキング
運動が苦手な人でも始めやすいウォーキング。
特別な道具は一切必要ないので、今日から気軽に始めることができますよ。
ウォーキングは有酸素運動の代表格です。
有酸素運動とは、十分な酸素を取り込みながら行う軽い運動のこと。
体脂肪を燃やすのに最適な運動と言われており、ポイントは20分以上継続して行うことです!
運動開始から約20分間は、主にブドウ糖がエネルギー源として使用されます。
つまり、体脂肪が燃え始めるまでには約20分かかるのです。
このことから最低でも20分歩くことをおすすめします。
スクワット
筋肉をつけることで、基礎代謝を上げて痩せやすい体に近づけます。
「でも筋トレはハードルが高すぎて無理」という人におすすめなのがスクワット。
部屋の中で気軽に行うことができますよ!
◎スクワットの基本的なやり方
- ①両足を肩幅よりも少し広めに開く
- ⓶顔を上げ、背筋を伸ばしたまま膝を曲げていく
- ③太ももと床が平行になるまで腰を落とす
- ④ゆっくりと立ち上がる(膝を軽く曲げた状態まで)
上記の動きを繰り返し、少しずつ回数を増やしていきましょう。最初は無理せず数回でも構いません。
膝がつま先よりも前に出ないように注意してください。
間違ったやり方で行うと、膝や腰を痛めてしまう可能性があります。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=Ud-hfn1Of8I]
低脂質ダイエットについてのまとめ
「カロリーが減らせる」「体脂肪の増加がおさえられる」「体に悪い脂質を摂らずに済む」
・低脂質ダイエットの方法
「脂質の割合を20~30%におさえる」「脂質の低い部位を選ぶ」「蒸す・煮る調理法にする」「不飽和脂肪酸をうまく摂る」「炭水化物の摂り過ぎには注意」
・低脂質ダイエットの効果がアップする運動
「ウォーキング」「スクワット」
低脂質ダイエットは、脂質の摂取量を抑えるダイエット方法です。
極端に減らすわけではなく、全体の20~30%に抑えるだけのお手軽ダイエット。
体への負担が少なく、継続していきやすいダイエット方法と言えるでしょう。
あなたも今日から低脂質ダイエットに挑戦してみませんか?