昔からよく言われるのは、タバコは吸っていると痩せやすいということ。逆にたばこをやめると絶対に太る!と言われることもあります。確かにそんな面もありますが、どちらもある意味都市伝説のようなものです。
タバコを吸うだけで痩せられるなら吸ってみようかな…と思われるかもしれません。でも、そこで吸ってしまうとたくさんのデメリットもあります。正しい知識を身につけて、きちんと考えて選択するようにしてくださいね。
タバコを吸うと痩せると言われる2つの理由
そもそも、なんで昔からタバコを吸うと痩せられると言うのでしょうか。その理由は、タバコに含まれているニコチンが大きく関係しています。
出典:http://www.bmoo.net/
ニコチンのおかげで代謝が促進される
タバコの主成分であるニコチン。ある意味でカフェインなどに似て覚醒作用があることがわかっています。この働きによって、血管が収縮するので心拍数が増えることになり、基礎代謝が上がると考えられているのです。
これは医学的な調査できちんと報告されているもの。確かにダイエット効果はあるとも言えるのです。
食欲を落ち着かせる
さらに、ニコチンには脳に作用して食欲を抑える効果があることもわかっています。タバコを吸っていると口に何かを入れている時間が吸わない人に比べたら長いので、食べ物をいれる機会を減らすことができることにもつながっているようです。
でも、この脳への作用は食欲を麻痺させるという働きかけです。神経細胞を活性化させていますが、決して良い働き方ではありません。
タバコダイエットの3つのデメリット
一方で、タバコを吸うことで確かなデメリットがあることもわかっています。確かに食欲は抑えられますが、それ以上のデメリットがあると思います。
血糖値の上昇によって太りやすくなる
カリフォルニア大学での研究結果によると、ニコチンを吸うと体内のインスリンの働きが鈍くなって血糖値が急上昇することがわかりました。これは、脳への作用を起こす時に増える物質であるカテコールアミンという物質によるもの。
カテコールアミンが増えると、ノルアドレナリンとアドレナリンが上昇し、糖を吸収する能力が低下してしまうからなんだそうです。
この結果、大して食べているわけでもないのに高血糖になってしまうという方や体脂肪や内臓脂肪が増えやすくなることにもつながります。いくら頑張ってダイエットをしていても、長期的には何の意味もなくなってしまうことにつながるでしょう。
筋肉が分解されて筋肉量が低下する
インスリンの働きが鈍くなって糖の吸収能力が落ちると、身体の中は糖不足だと認識してしまいます。すると、筋肉を分解して糖に変えていってしまうのです。
もちろん、筋肉量が減ってしまえば基礎代謝も落ちることになります。ニコチンによって一時的に代謝を上げることは可能ですが、基礎代謝は落ちるので結果的に何の意味もないことになってしまいます。
筋肉量が低下すると体力的な衰えを感じることもあるでしょう。タバコを吸うと階段上り下りが辛くなったという方が多いですが、これは筋肉量が減ったことはもちろん、肺の機能も低下することも関係してきます。
肺機能が低下すると、酸素をうまく身体の中に取り入れるのも効率が悪くなります。よりダイエットしにくい体質になっていってしまうのです。
あらゆる病気の原因になる
よく知られている通り、タバコは多くの病気の原因にもなるものです。
・肺がんや肺気腫
・COPD(慢性閉塞性肺疾患)
・脳出血
・舌ガンや咽頭ガン
・歯周病、虫歯
・糖尿病
タバコに含まれるニコチンやタールは、体の中に本当に色々な悪影響を及ぼします。特に注意が必要なのが、ガンや生活習慣病です。どんなに健康に気を使っていてもあまり意味はありません。
タバコを吸うだけでビタミンCが破壊されるなど、タバコはいろいろな努力を無駄にしてしまうことにもつながるのです。
タバコダイエットが美容面に及ぼす悪影響
タバコダイエットは健康面で悪影響を及ぼすだけではありません。美容の面でも良いことはまったくないのです。
・肌のハリが失われたりしわができやすくなったりする
・タバコに含まれるタールが口の中にへばりついて口臭をひどくする
・口の中の唾液の分泌を低下させ、虫歯や着色汚れが起きやすくなる
ほんの少しの期間であればそこまで大きな影響は出ないかもしれません。でもタバコは中毒性があるものです。1度始めてしまったらなかなかやめることはできません。そのままダラダラ続けているうちに、美容面でも悪影響が出てきてしまった…。そんなことも起こりえます。
もちろん、後悔するようなことを起こさないためには吸わないなら吸わないままの方が良いし、禁煙するならできるだけ早いほうが良いです。10年後のことをきちんと考えてみてください。
タバコをやめると太ると言われる理由
タバコがなかなかやめられない、という時によく言われるのが「タバコをやめたら太るから」というもの。でも、これには科学的な根拠はありません。
タバコをやめるから太るのではなく、タバコをやめることで生活習慣が変わるから、太りそうな機会が増えてしまうのです。
・口さみしくなって、ついつい何かをつまんでしまう
・味覚や嗅覚が元に戻って、ごはんがおいしくなってしまう
・イライラしてつい食欲に走ってしまう
たばこはやめてから3ヶ月くらいが1番辛いものです。自分では意識しないところでストレスがたまってしまうことも確かにあります。
でも、そのあとの何十年もの人生を通常に戻すことができる、ほんの一時の辛さです。もし少し太ってしまったとしても、そのあとでいくらでも取り戻すことができます。
タバコダイエットについてのまとめ
「ニコチンで代謝が促進される」「食欲を抑える効果がある」
・タバコダイエットのデメリット
「太りやすくなる」「筋肉が分解されて筋肉量が低下する」「あらゆる病気の原因になる」
・タバコダイエットの美容面のデメリット
「肌のハリがなくなったりしわができやすくなる」「口臭がひどくなる」「虫歯や着色汚れが起きやすくなる」
・タバコをやめると太る理由
「口寂しくなって何かをつまんでしまう」「ご飯がおいしくなる」「イライラして食欲に走ってしまう」
たばこは確かに、痩せられそうなイメージがあるかもしれません。でもそれは本当に一時的なもので、長期的に見るとダイエットを邪魔する要因ばかりが起こってきます。
吸っていないならそのまま吸わない方が良いです。安易な気持ちで手を出すときっと後悔することになります。メリットとデメリットを見極めて、きちんと考えて決めるようにしてくださいね。