アロマは自然植物や果実、樹皮などが持つ香り成分を用いて、心や体をケアしてくれます。このアロマをマッサージに取り入れようと始まったのが、アロマリンパマッサージです。
今回はアロマリンパマッサージを取り入れた、ダイエットに関する豆知識や効果についてご紹介したいと思います。
この記事の目次
アロマリンパマッサージとは
人の身体の多くが、水分で出来ている事はご存知だと思います。水分は体全体の6割から7割を占めていると言われており、この水分の事を“体液”と呼びます。体液が流れるのがリンパ管で、そこを流れるポンプのような働きを行っているのが循環系と呼ばれる器官です。
循環系の一つであるのが『リンパ系』で、リンパ系は先に述べたリンパ管と、そのリンパ管を通る体液であるリンパ液で構成されています。
身体の細胞は、毛細血管から酸素や栄養素を貰うことでスムーズな活動を行っていますが、その際に生じた代謝によって排出される二酸化炭素、老廃物は体内を回って再度毛細血管へと約9割が戻っていき、残りの1割がリンパ管へと戻っていきます。
このリンパ系が正常に動かなくなると、体内に蓄積されている老廃物の処理がスムーズに行われなくなり、老廃物、つまり体にとって毒とも言える不要なものが細胞を侵してしまいます。そうなると疲れやすくなったり、肩こり、腰痛、頭痛といった体調不良を感じるようになるのです。
リンパマッサージとはリンパ液の流れをスムーズに行えるようにするものであり、体内に蓄積されてしまった老廃物を身体の外へ排出し、不調を取り除くためのマッサージ療法です。
さらにこのリンパマッサージに自然植物や果実、樹皮などから採取された精油を用いたアロマを組み合わせることで、より効果的な療法を行えるようにしたものがアロマリンパマッサージと呼ばれています。
リンパマッサージの歴史
今から約2500年以上昔、太古の時代にギリシャ医学の父と呼ばれた数学者でもあるヒポクラテスが、医術はあらゆる学理とマッサージを習得しなければいけないことを説いていました。
しかしその後、マッサージについてはあまり重要視される事が無く、医術の発展に長い時間を費やしてきました。
ヒポクラテスの提唱から随分長い時間が経過した16世紀の終わりごろ、スウェーデンの解剖学者によってリンパの仕組みが発見されると、デンマークの精神科の医師の手によってリンパマッサージの技術が編み出されました。
ドイツの医師が2万人の患者に臨床試験を実施し、ヨーロッパ各国で医学的な手法が徐々に確立されたと言われています。
リンパマッサージはフランス語で排出を意味する“ドレイン”を目的としていることから、リンパドレナージュという呼び方をされることもあります。日本にこのリンパマッサージが持ち込まれたのは明治20年を過ぎてからで、ヨーロッパ諸国の歴史と比べるとまだまだ歴史は浅いです。
既にヨーロッパの各国では、リンパマッサージは人間の身体にとても良いものであるとして、医療分野で活用されています。医師とは異なりますが、資格取得に関しても国家試験制度と同様の扱いを受けているそうです。
アロマリンパマッサージによるダイエット効果
リンパは体を張り巡らせるように体内を回っている(巡っている=循環)ため、よりスムーズに巡るようマッサージを行うことで、女性にとって嬉しいむくみ解消、小顔、アンチエイジング、体調改善などの効果が期待できます。
また身体の中に張り巡らされたリンパの流れをスムーズに行えるようにすることで、引き締まったり痩せやすい体質になるため、ダイエットに有効だと言われています。
ただし、アロマリンパマッサージを行ったからといって、簡単にダイエットが成功するわけではありません。確かにマッサージ直後は1cmや2cmのサイズダウンは叶うかもしれませんが、これは一時的なものなのです。
脂肪が付いた部分をサイズダウンさせるためには、その脂肪を燃焼させる必要があります。
そこでアロマリンパマッサージを行えば、脂肪を温めることで燃焼しやすい環境に引き上げ、血液やリンパの流れをスムーズにすることで体内の老廃物や水分を排出する効果を高める、いわば“間接的な効果”を与えてくれるという仕組みです。
しかし、間接的とは言っても、痩せやすい体質へと改善することはダイエットの成功への近道となります。決してダイエット効果が無い…というわけではありませんので、その点はお間違いないようお願いします。
あくまでもアロマリンパマッサージは間接的なダイエット効果がある、ということだと覚えておくといいでしょう。
アロマリンパマッサージの頻度やタイミング
疲れやすい、だるいと感じている方は老廃物やリンパ、水分が体の中で巡りの低下が行っている状態に陥っていると考えられます。疲れを取り、スムーズな巡りを身体に取り戻してやるには、少なくても1日1回はマッサージを行った方がよいと言われています。
疲労感が大きかったり、脂肪がとても多く付いている箇所は1日2回や3回行い、常に巡りを良くしてスムーズな燃焼を行える環境に置いてやるようにしましょう。
また身体は冷えると燃焼しにくく、体の巡りも低下しやすくなります。体を温めてから行うと良いのですが、出来れば入浴後などの全身が温まった状態で行い、マッサージ後にも体を冷やさないようにすることでより効果的なマッサージを行う事ができます。
アロマリンパマッサージに用いるアロマ
アロマには植物が持つたくさんの効果が含まれています。ダイエットに関する効果についても例外ではありません。
ダイエットには脂肪燃焼、自律神経の正常化作用、血行促進とむくみ改善に効果のあるアロマ(精油)を用いるとより高い効果を得ることができます。
脂肪燃焼に効果のある精油5つ
・グレープフルーツ
ダイエットに効果的な香りとして広く認識されているグレープフルーツの精油は脂肪分解を助け、むくみやセルライトに効果があるといわれています。
・パチュリ
免疫低下に効果があり、疲れを取り除き、腸の中に溜まった水分を排出させる効果を持っていることから下痢や便秘、消化不良などに作用すると言われています。
・レモングラス
免疫系やリンパ液系の体液循環に高い効果をもたらし、血液や体液の循環改善を行います。
・ローズマリーカンファー
心臓の拍動を強める働きを持っています。低血圧や冷え性に効果を発揮し、肝臓うっ血や静脈瘤などに効果をもたらします。
・シダーウッドアトラス
泌尿器系や感染症、呼吸器系に高い効果をもたらし、リンパ循環の促進や利尿作用などの働きをもたらします。
ストレス及び自律神経に効果のある精油4つ
・ラベンダー
精神的に落ち着かせてくれる作用があり、泌尿器、生殖系などのトラブルにも作用してくれます。
・イランイラン
女性的なエネルギーを高め、イライラを鎮めてくれる作用があります。催淫作用や女性ホルモンの調整、生殖系の不調の改善などに効果をもたらします。
・ローズマリー
精神高揚効果があり、血流促進、心臓強壮、強壮作用などをもたらしてくれます。
・バジル
消化促進作用、女性ホルモンの調整、神経強壮、疲労回復に作用します。
血行促進・むくみ改善に効果のある精油3つ
・フェンネル
吐き気、便秘などに効果があり、女性ホルモン作用があることから、月経トラブルや更年期にも効果が期待できるほか、むくみやセルライトにも効果をもたらしてくれます。
・サンダルウッド
精神を鎮静させ、生殖器不調、熱性不調を改善します。また水分調整作用があることからむくみやセルライトにも効果をもたらします。
・ジュニパー
体内の水分バランスを整え、腹部張満感、肥満、むくみ、動脈硬化などに効果をもたらしてくれます。
アロマは香りがとても良く、精神的にもリラックスし、穏やかな気持ちにさせてくれます。ここにあげた精油を用いて、自分だけのオリジナルアロマレシピを見つけてみるのもいいのではないでしょうか。
アロマリンパマッサージのやり方
足つぼマッサージと異なり、強く押したりすることがありませんので、必要になるのはアロマオイルのみです。あとは手を使って行います。マッサージを行う前にコップ1杯程度のぬるま湯を飲むことで、マッサージ後に体の中に溜まった老廃物や過剰な水分が排出しやすくなります。
体を冷やさないためにも、体温程度の白湯を飲みましょう。また、マッサージを終えた後にも白湯を500mlほど飲むことで、より老廃物や過剰な水分を排出させやすくなるそうです。ぜひ、マッサージ前後には白湯を飲むようにしましょう。
ダイエット効果を得るためには、顔やお腹など気になる個所だけマッサージをしても問題はありませんが、時には全身をしっかりとマッサージしてあげることも必要です。
全体的にスムーズなリンパの流れと血流を得ることができますので、休日などはスペシャルケアとして全身のアロマリンパマッサージを行ってみてくださいね。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=4EnGRnH_ekk]
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=so_wzIZrMQ8]
アロマリンパマッサージについてのまとめ
・リンパマッサージが日本に来たのは、明治20年を過ぎてから
・アロマリンパマッサージの効果
「むくみ解消や小顔効果」「アンチエイジング効果」「痩せやすい体質になる」
・アロマリンパマッサージの頻度とタイミングは、入浴後に1日1回行う
・脂肪燃焼効果のあるアロマ
「グレープフルーツ」「パチュリ」「レモングラス」「ロズマリーカンファー」「シダーウッドアトラス」
・ストレスや自律神経に効果のあるアロマ
「ラベンダー」「イランイラン」「ローズマリー」「バジル」
・血行促進とむくみ改善に効果のあるアロマ
「フェンネル」「サンダルウッド」「ジュニパー」
・アロマリンパマッサージをした後は、白湯を500ml飲む
出来れば頻度としては1日1回行いたいところではありますが、現代の生活ではなかなか時間が取れない方も多いと思います。そんな時には、普段はお腹や顔など、どうしても気になる個所のみ重点的にリンパマッサージを行い、時間の取れる時にくまなく行うようにしてください。
またアロマを使用しますので、自分だけのオリジナルマッサージオイルを作るのも楽しいですよ。