生きていく上で欠かせない栄養素、タンパク質。タンパク質が不足すると、肌や体調にさまざまな弊害が出る可能性があります。一方で摂り過ぎも体に良くありません。
タンパク質は1日にどれくらい摂取すれば良いのか、タンパク質を摂ることによる効果、そして1日摂取量や摂り過ぎた時の副作用などをまとめました。
この記事の目次
タンパク質とは?
まず始めに、タンパク質はどのようなものなのかを解説していきます。
体の20%がタンパク質
タンパク質とは、人体の皮膚・臓器・髪の毛などを構成している重要な栄養素です。私たちの体の約20%はタンパク質でできています。
また、タンパク質は消化吸収やホルモンの分泌とも深く関わっています。生命活動のほとんどにタンパク質が関与していると言っても過言ではありません。
タンパク質=アミノ酸
タンパク質はアミノ酸がつなぎ合わさってできています。
自然界には約500種類ものアミノ酸が発見されていますが、私たちのカラダのたんぱく質を構成しているのはわずか20種類。
引用:わんぱくランチ
人間の体を構成しているのは20種類のアミノ酸です。このうち、9種類は体内で合成できない必須アミノ酸になります。
必須アミノ酸 | 非必須アミノ酸 |
|
|
体内で作り出すことができない必須アミノ酸は特に意識して摂取する必要があります。
タンパク質には動物性タンパク質と植物性タンパク質がありますが、必須アミノ酸が完全な形で含まれているのは動物性タンパク質になります。植物性タンパク質は必須アミノ酸が1つ以上欠けているものがほとんどです。
どちらかに偏ることなく、バランス良く摂取することが望ましいです。
タンパク質の1日の摂取量はどれくらい?
タンパク質は1日にどれくらい摂取すべきなのでしょうか?
目安は体重×1~2g
1日あたりの摂取量は、体重×1~2gが1つの目安となります。
必要なタンパク質量は年齢や生活スタイルによって多少異なってきます。成長期の子どもや筋肉をつけたい人は多めに摂取してください。
では、もう少し具体的な摂取目安量を紹介していきます。
あまり体を動かさない人
普段あまり体を動かさない人、普通体型の人は以下の計算式を参考にしてください。
例えば体重60kgの人の場合、【60×1.08=64.8】で1日に必要なタンパク質は64.6gとなります。
日常的に運動をしている人
日常的に体を動かす習慣がある人は以下の計算式を参考にしてください。
例えば体重60kgの人の場合、【60×1.3=78】で1日に必要なタンパク質は78gとなります。
筋肉トレーニングをしている人
普段からハードな運動や筋トレをしている人、もしくはマッチョ体型の人は以下の計算式を参考にしてください。
1.5~2gとやや幅がありますが、自分の体型や運動習慣に合わせて調整してください。筋肉をつけたい場合は2g程度摂ることをおすすめします。
例えば体重60kgの人の場合、【60×2=120】で1日に必要なタンパク質は120gとなります。
子ども
成長期の子どもにとってタンパク質は特に重要な栄養素となります。摂取目安量は年齢によって異なるので、以下の表を参考にしてください。
年齢 | 1日のタンパク質量 |
0~5ヶ月 | 10g |
6~8ヶ月 | 15g |
9~11ヶ月 | 25g |
1~2歳 | 15g ~ 20g |
3~5歳 | 20g ~ 25g |
6~7歳 | 25g ~ 30g |
8~9歳 | 30g ~ 40g |
10~11歳 | 40g ~ 45g |
妊娠中・授乳中の人
妊娠中はお腹の赤ちゃんのために、しっかりとタンパク質を摂取する必要があります。妊娠中期はプラス5g、妊娠後期はプラス25gを意識してください。授乳中はプラス20gが目安となります。
タンパク質の5つの主な効果・効能
タンパク質は私たちの皮膚、内臓、髪の毛などを構成する重要な栄養素です。それ以外にもさまざまな役割を果たしています。
免疫力アップ
タンパク質を摂取することで免疫力アップが期待できます。免疫力とは、ウイルスや細菌から体を守る力のこと。免疫力が高ければ高いほど風邪やインフルエンザにかかるにくくなります。
タンパク質は免疫グロブリンの原料となります。
免疫グロブリン(めんえきぐろぶりん)とは、脊椎動物の血液中や組織液中に含まれている血清タンパク質のひとつである。ウイルスや細菌などの異物(抗原)が体内に侵入した際に抗体として働く。
引用:看護roo!
免疫グロブリン=抗体のこと。タンパク質を摂ることで免疫グロブリンが生成され、感染症などにかかりにくい体が作られていきます。
貧血予防
「貧血=鉄分不足」というイメージが強いかもしれませんが、鉄分だけでなくタンパク質も重要な鍵を握っています。
貧血とは、酸素を運ぶ赤血球か、赤血球の中で酸素と結合するヘモグロビンが少なく、体内が酸素不足になった状態のことです。
引用:ハクライドウ
上記にあるように、貧血とは血液中のヘモグラビンが不足した状態のこと。このヘモグラビンの原料となるのがタンパク質なのです。ヘモグラビンが不足すると、酸素が上手く運搬できなくなり動悸やめまいなどの症状が現れます。
高血圧予防
高血圧の原因の1つに塩分(ナトリウム)の摂り過ぎがあります。タンパク質には体内の余分な塩分を排出する作用があるので、高血圧の予防が期待できます。
また、タンパク質には血管の弾力性を保つ作用があります。血管が丈夫になるので、脳血管障害の予防にも効果が期待できるのです。
筋力アップ
筋トレといえば、プロテインを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?プロテインにはずばり「タンパク質」という意味があります。タンパク質は筋肉の原料となる栄養素。筋力アップしたい人には特に重要な栄養素です。
ハードな運動や筋トレを行うと、筋肉中のタンパク質が分解されたり筋線維が傷ついてしまいます。これを補修するために良質なタンパク質が必要となるのです。
傷つく→補修という流れを繰り返すことで、徐々に増強していきます。この仕組みのことを超回復と言います。超回復のためには休息と栄養補給が必要不可欠!特にタンパク質は意識して摂る必要があります。
美肌効果
皮膚を形成するタンパク質が不足すると、肌のターンオーバー(生まれ変わり)が上手くいかなくなり肌トラブルを招く可能性があります。
また、タンパク質は肌の潤いを保つコラーゲンを作り出す役割があります。コラーゲンが不足することで、肌のハリやツヤが失われやすくなるので注意しましょう。美肌を作るためには内側からのケアも重要なのです!
タンパク質の効果は本当?口コミで検証
タンパク質を意識的に摂取している人たちの口コミを紹介していきます。
だから自分もダイエットはするけど、肌コンディションはキープしたいからタンパク質意識的に摂ったりマルチビタミンミネラル飲んだりしてる。今のところ肌荒れなし!
— ミートだんご (@dango_meat) 2017年6月21日
この1週間でかなり筋肉ついた。
— 優馬 (@px4tf) 2017年6月17日
全ては、ダンベルとタンパク質の力。
意識的にたんぱく質取りまくるようになってから体調がすこぶる良い
— KaBuKi (@KaBuKi) 2017年6月20日
タンパク質の摂り過ぎに注意!4つの副作用や危険
タンパク質は私たちが生きていく上で欠かせない栄養素ですが、摂り過ぎはNGです!タンパク質を摂取しすぎると以下のような症状が現れることがあります。
腸内環境の悪化
動物性タンパク質の摂り過ぎは腸内環境を悪化させるリスクがあります。吸収できなかったタンパク質が腸内に送られ、悪玉菌のエサとなってしまうためです。
腸内細菌には良い働きをする善玉菌、悪い働きをする悪玉菌、どちらでもない日和菌の3つに分類されます。悪玉菌が増えることで腸内環境が悪化、便秘や下痢を引き起こすことがあります。
肥満
動物性タンパク質は高カロリー・高脂質なものが多く、食べ過ぎるとあっという間にカロリーオーバーとなってしまいます。摂り過ぎた分は脂肪に変換され、蓄積されてしまうので注意が必要です。
肝臓や腎臓に負担をかける
タンパク質の分解・吸収、そして運搬には肝臓や腎臓が深く関わっています。タンパク質を摂り過ぎると肝臓や腎臓に大きな負担がかかり、内臓疲労を起こしてしまう可能性があります。
骨粗しょう症
骨にとってもタンパク質は必要不可欠な栄養素です。しかし、摂り過ぎることで骨粗しょう症になる可能性があります。
タンパク質は体内でアミノ酸に分解・吸収されます。余ったアミノ酸は尿として排出されるのですが、この時にカルシウムも一緒に排出してしまう作用があるのです。
カルシウムは骨の形成に必要不可欠な栄養素。もちろんすぐに骨粗しょう症になることはありませんが、長期的に高たんぱくな食生活を続けているとリスクが上がります。
タンパク質の摂取量と効果についてのまとめ
・あまり体を動かさない人は、体重×1.08g
・日常的に運動をしている人は、体重×1.2~1.3g
・筋肉トレーニングをしている人は、体重×1.5~2.0g
・子どものタンパク質摂取量は、0歳から11歳まで必要な量が異なる
・妊娠中はプラス5g、妊娠後期はプラス25g、授乳中はプラス20g
・タンパク質の効果と効能
「免疫力がアップする」「貧血予防や高血圧予防が期待できる」「筋力アップや美肌効果が期待できる」
・タンパク質を摂りすぎると起こる可能性のある副作用
「腸内環境の悪化になる」「肥満になりやすく、肝臓や腎臓に負担がかかる」「骨粗しょう症になる恐れがある」
タンパク質は私たちが生きていく上で欠かせない栄養素の1つ。美肌や筋力アップなどの効果が期待できます。筋肉をつけたい人、肉体労働をしている人などは特に意識して食べる必要がありそうです。
しかし、摂り過ぎるとさまざまな弊害が現れる可能性があります。1日の摂取目安量を参考にタンパク質を摂取していきましょう。