カフェインはダイエットに効果があるとされていますが、一日摂取量はどのくらいにすると良いのでしょうか?カフェインは摂取量を間違うと、危険なこともあるのです。
カフェインの効果や一日摂取量、カフェインが含まれている飲み物の種類や含有量をまとめました。カフェインでダイエットをしようと思っている人は必見ですよ!
カフェインの効果は?
カフェインはダイエットに効果があると言われていますが、それはなぜなのでしょうか?まずはカフェインの効果について知りましょう。
・覚せい作用
・交感神経刺激
・脂肪燃焼
・胃酸の分泌促進
・利尿作用
カフェインにはこれだけの効果があります。それぞれ1つ1つ詳しく説明していきます。
カフェインの効果① 覚せい作用
カフェインの効果の1つ目は、覚せい作用です。コーヒーを飲むと、夜に眠れなくなった経験がある人はいないでしょうか?あれは、コーヒーに含まれるカフェインの覚せい作用によるものです。
カフェインは脳の機能を活性化させて、疲労感を解消し、集中力を高めてくれる作用があります。
カフェインは眠れなくなるというデメリット部分ばかりがクローズアップされますが、集中力を高めてくれるというメリットがありますので、勉強や仕事に集中したい人は、カフェイン入りの飲み物を飲むと効率をアップさせて成果が出やすくなるのです。
カフェインの効果② 交感神経刺激
カフェインは交感神経を刺激する作用があります。交感神経を刺激すると、血管が収縮します。そのため、偏頭痛を持っている人は、偏頭痛が出たら、カフェインを摂取すると症状が緩和されるんです。
偏頭痛は脳の血管が拡張して、周囲を圧迫することで起こるとされていますので、カフェインを摂取して、脳の血管を収縮させることで、頭痛が緩和するんです。
ただ、カフェインの効果がなくなった後は、血管が一気に拡張して、頭痛を悪化させることがありますので、常用はしない方が良いでしょう。
カフェインの効果③ 脂肪燃焼効果
カフェインの効果の3つ目は、脂肪燃焼効果です。ダイエットをしている人には、嬉しい効果ですよね。
脂肪を燃焼するには、脂肪を代謝するリパーゼという酵素が必要になりますが、カフェインはこのリパーゼの働きを活性化して、脂肪の代謝を促進してくれるのです。さらに、褐色脂肪細胞の働きも活性化してくれます。
褐色脂肪細胞とは、脂肪を燃焼させて熱に変える働きがある細胞のことです。褐色脂肪細胞が活性化すれば、それだけ脂肪が燃焼しやすくなるのです。
ダイエット中の人は、運動の前にカフェインを摂取すると、さらに脂肪燃焼効果は高まります。
カフェインの効果④ 胃酸の分泌促進
胃酸の分泌促進もカフェインの効果の1つです。
カフェインは強力な胃散分泌の刺激物質であり、お茶やコーヒーの摂取により胃酸分泌が亢進します。
胃酸の分泌促進作用はメリット・デメリットの両方があります。食後にカフェインを摂取すれば、消化を促進してくれますので、胸やけや胃もたれを予防してくれます。
でも、空腹時にカフェインを摂取すると、胃酸の分泌過多になり、胃を荒らしてしまうことになるのです。カフェインが含まれるお茶やコーヒーは食後に飲むのが良いんですね。
カフェインの効果⑤ 利尿作用
カフェインが含まれる飲み物を飲むと、トイレが近くなったという経験がある人は多いですよね。あれは、カフェインに利尿作用があるからです。
カフェインを摂取すると、腎臓の血流量が上がるんです。カフェインには血管収縮作用がありましたよね。この血管収縮作用は、中枢の太い血管よりも、末梢の細い血管の方が効果が現れやすいのです。
末梢血管が収縮すると、中枢部分の血管を流れる血流量がアップします。腎臓の血流量もアップします。腎臓の血流量がアップすれば、腎機能が高くなりますし、尿として濾過される水分量もアップしますので、尿がたくさん作られるようになるんですね。
カフェインは一日摂取量を守りましょう!
カフェインの効果を5つご紹介しました。ダイエットしたい人は脂肪燃焼効果が、むくみが気になる人は利尿効果が、受験生は覚醒効果が気になったかもしれませんね。
でも、カフェインの効果を得たいからと言って、カフェインは制限なく摂って良いというものではないんです。カフェインは一日摂取量を守らなくてはいけません。
実は、厚生労働省ではカフェインの一日摂取量の基準を定めていませんので、日本では「これ!」という明確な一日摂取量は決められていないんです。
そのため、ヨーロッパ食品安全機関(EFSA)の基準を基にしたカフェインの一日摂取量をご紹介します。
・健康な成人の習慣的カフェイン摂取量=400㎎/日以下
・妊婦の習慣的カフェイン摂取量=200㎎/日以下
・授乳婦の習慣的および単回用量のカフェイン摂取量=200㎎/日以下
これを守れば、安全性(胎児・乳児への安全も含む)の懸念は生じないとしています。ただ、この成人と妊婦の基準は一日摂取量ですので、これを一度に摂取すると危険が生じる可能性があります。
成人の場合、カフェインを一度に摂取しても安全であるとする摂取量は3mg/kg/日としていますので、体重別に換算すると次のようになります。
体重 | カフェインの摂取量 |
40kg | 120㎎ |
50kg | 150㎎ |
60kg | 180㎎ |
70kg | 210㎎ |
80kg | 240㎎ |
90kg | 270㎎ |
これは、一度に摂取しても安全とされるカフェインの摂取量です。1日の中でも数回に分ければ、400㎎までは摂取しても大丈夫ですが、一気に摂取する時は、この体重別摂取量は守らなければいけません。
一日摂取量を守らないと副作用が!
では、カフェインの一日摂取量を守らないと、どのような副作用が出てくるのかを考えていきましょう。
カフェインの過剰摂取は、カフェイン中毒やカフェイン依存症を引き起こします。
<カフェイン中毒による症状>
・焦燥感
・神経過敏
・興奮
・不眠
・顔面紅潮
・悪心
・嘔吐
・頻尿
・頻脈
・不整脈
・痙攣
カフェインを過剰摂取すると、これだけの症状が現れるのです。そして、最悪の場合は死に至ります。アメリカでは以前からカフェイン中毒による死亡例がありましたが、日本でも2015年12月に初めてカフェイン中毒での死亡例が報告されています。
また、カフェインを常習していると、離脱症状が現れることもあります。
<カフェインの離脱症状>
・頭痛
・集中力の低下
・疲労感
・過眠
・胃や関節の痛み
カフェインの過剰摂取は、これらの副作用が現れる危険性がありますので、一日摂取量は必ず守るようにしましょう。
飲み物別カフェインの含有量まとめ
では、飲み物別のカフェイン含有量を見ていきましょう。カフェインの安全な一日摂取量がわかっても、どんな飲み物にどのくらい入っているのかが分からないと、一日摂取量を守ることはできません。
飲み物 | 1杯(1回)飲み物の量 | カフェイン含有量 |
ドリップコーヒー | 150ml | 90mg |
インスタントコーヒー | 150ml | 90mg |
エスプレッソ | 50ml | 140mg |
ココア | 150ml(粉末5g) | 15mg |
ミルクココア | 150ml(粉末20g) | 微量 |
栄養ドリンク | 50ml | 50mg |
コーラ | 500ml(ペットボトル) | 50mg |
紅茶 | 150ml | 45mg |
ほうじ茶 | 150ml | 30mg |
玉露 | 150ml | 150mg |
緑茶 | 150ml | 30mg |
ウーロン茶 | 150ml | 30mg |
缶コーヒー | 180ml(缶1本) | 100~150mg |
これを見るとわかりますが、エスプレッソは量が少なくてもカフェイン量が多いことがわかりますよね。
ちなみに、カフェラテやカプチーノはミルクを混ぜてマイルドにしてあるものの、コーヒーのベースはエスプレッソですので、カフェラテやカプチーノを飲んでも、約140mgのカフェインを摂取することになりますから、注意が必要です。
カフェインの効果と体重別一日の摂取量についてのまとめ
「疲労感を解消、集中力を高める効果」「頭痛を一時的に緩和させる」「脂肪燃焼効果」「胃もたれや胸焼け予防効果」「腎機能が高くなる」
・カフェインの1日の摂取量
「健康な成人で400mg/日以下」「妊婦と授乳婦で200mg/日以下」「一度に摂取しても安全な摂取量は、成人で3mg/kg/日」
・カフェインの危険性
「1日の摂取量を守らないと、焦燥感や神経過敏、興奮や不眠などに悩まされることになる」「過剰摂取すると、カフェイン中毒で死亡する例もある」
・カフェインの離脱症状
「集中力の低下」「頭痛」「疲労感」「過眠」など
・カフェインが多く含まれる飲み物
「エスプレッソ(140mg)」「玉露(150mg)」
カフェインの効果や体重別の一日摂取量、飲み物別の含有量をまとめました。カフェインは適正量を摂れば、メリットが大きいのですが、過剰摂取は健康に悪影響を及ぼしますので、一日摂取量は必ず守るようにしましょう。
カフェインの一日摂取量を守るためには、どんな飲み物にどれだけのカフェインが含まれているかを知ることが大切ですので、日ごろよく飲む物のカフェイン含有量はチェックしておきましょうね。