タンパク質は私たちが生きていく上で欠かせない栄養素の1つです。
筋肉をつけたい人はもちろん、ダイエット中にもしっかりと摂取する必要があります。
そこで今回は、タンパク質の多い食品ベスト10を紹介していきます。
この記事の目次
タンパク質とは?
脂質、糖質とともに三大栄養素として知られるタンパク質。アミノ酸で構成されているタンパク質は私たちの筋肉、皮膚、臓器などを構成する必須栄養素です。人間の体の約20%がタンパク質でできています。
臓器やホルモンの材料となるだけでなく、エネルギー源としての役割も果たすタンパク質。不足すると体にさまざまな不調が現れる可能性があります。
動物性タンパク質と植物性タンパク質の違い
タンパク質には、動物性タンパク質と植物性タンパク質の2種類があります。
動物性タンパク質は動物由来のタンパク質のこと。魚、肉、卵などがこれに該当します。一方の植物性タンパク質は植物由来のタンパク質で、大豆製品やイモ類などに多く含まれています。
動物性タンパク質は、9種類の必須アミノ酸を全て含んでいるという特徴があります。
人間の体をつくる20種類のアミノ酸の中で、体内で合成できない9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」といいます。残り11種類の「非必須アミノ酸」は、ほかのアミノ酸や脂肪、糖などを使って体内で合成されます。
引用:セルフドクターネット
必須アミノ酸は体内では合成できないので、食品から積極的に摂る必要があります。多くの植物性タンパク質は必須アミノ酸が1つ以上欠けているので、必須アミノ酸を摂取するという意味では動物性タンパク質がおすすめです。
動物性タンパク質と植物性タンパク質をバランス良く食べることを心掛けましょう。
タンパク質が多い食品ベスト10
では、いよいよ本題。タンパク質が多い食品ベスト10を紹介していきます。
第1位:豚のゼラチン
豚ゼラチンとは、豚の骨などからとったコラーゲンを熱で分解したもの。豚ゼラチン100gには87.6gのタンパク質が含まれています。重量の約9割がタンパク質という驚異的な食材です。コラーゲンが豊富なので美肌効果も期待できます。
しかし、現実的に考えて豚ゼラチンを大量に摂取することは難しいです。タンパク質の含有量は高いものの、効率良く摂取できる食材ではありません。
第2位:ふかひれ
ふかひれはサメのひれを乾燥させた食材のこと。高級食材として知られており、中華料理に使用されることが多いです。ふかひれ100gには83.9gのタンパク質が含まれています。
ふかひれは炭水化物が0g、脂質もほとんど含まれていません。ダイエット中にもおすすの食材です。コラーゲンが豊富なので美肌効果も期待できます。
第3位:鰹節
鰹節はかつおを加工して作る食材のことです。主にだし取りや料理のトッピングとして使用されます。鰹節100gには77.1gのタンパク質が含まれています。
だし取り用として使っている人が多いと思いますが、タンパク質が豊富なので冷奴やサラダなどにトッピングしてみてはいかがでしょうか?
第4位:たたみいわし
たたみいわしとは、カタクチイワシの稚魚を天日干しにしたシート状の食品のことです。たたみいわし100gには75.1gのタンパク質が含まれています。
軽く焼くだけで絶品のおつまみになります。カルシウムが豊富なので、育ち盛りのお子さまにもおすすめです。
第5位:するめ
するめとはイカの内臓を取り出して乾燥させた食品のことです。するめ100gには69.2gのタンパク質が含まれています。
軽く炙ってマヨネーズなどをつけて食べると絶品です。水で戻して料理に使うことも可能。
第6位:煮干し
煮干しとは、小魚を一度茹でてから乾燥させた食品のことです。煮干し100gには64.5gのタンパク質が含まれています。
だし取り用として使用する人が多いと思いますが、乾煎りにしてそのまま食べたり料理に活用することも可能です。
第7位:ビーフジャーキー
ビーフジャーキーとは、牛肉を塩漬けにしてから干した食品のことです。ビーフジャーキー100gには54.8gのタンパク質が含まれています。
こちらも大量に食べるのは難しいかもしれませんが、おやつやおつまみの代わりに食べることでタンパク質を効率よく摂取できます。
第8位:高野豆腐(乾燥)
高野豆腐とは、豆腐を凍らせた後に乾燥させた食品のことです。高野豆腐100gには49.4gのタンパク質が含まれています。
高野豆腐は低カロリー高たんぱくな食品の代表格。ダイエット中にもおすすめの食品です。ただし、油を吸いやすいので油を多く使う調理法には注意が必要です。
第9位:しらす干し
しらす干しとは、しらすを塩茹でした後に半干した食品のことです。しらす干し100gには40.5gのタンパク質が含まれています。
そのままでもご飯のおかずになるしらす干し。いつもの食事にプラスするだけで、効率よくタンパク質を摂取できます。
第10位:いわし(丸干し)
いわしを丸ごと干物にしたものが「丸干し」です。いわし丸干し100gには32.8gのタンパク質が含まれています。
丸干しは特に栄養価が高いので、さまざまな美容・健康効果が期待できます。
1日に必要なタンパク質量
1日に必要なタンパク質は体重×1.0~2.0gとされています。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準2015」によれば、一日あたりのタンパク質平均必要量は成人男性で50g、成人女性で40gと定義されています。可能であれば成人男性は60g、成人女性は50g摂ることが推奨されています。また妊娠中の方、成長期の子どもなどでは必要な摂取量が異なります。
引用:グリコ
筋肉をつけたい場合はやや多めに摂ることを意識しましょう。それ以外の場合は男性60g、女性50gが1つの目安となります。
では、たんぱく質50gとはどれくらいの量なのでしょうか?肉や魚を50g食べれば良い、というのは大きな勘違いです。
低カロリー高たんぱくで知られる鶏のササミの場合でも、200g程度食べないとたんぱく質50gをクリアできません。意識的にタンパク質を摂取する必要がありそうです。
タンパク質の不足および過剰摂取による弊害
成人女性の場合、1日50g程度のタンパク質が必要であることを解説してきました。もしタンパク質が不足、もしくは多すぎた場合はどのような弊害があるのでしょうか?
タンパク質が不足した場合
タンパク質は皮膚、臓器、髪など私たちの体の元となる栄養素です。他にもホルモンを作ったり、免疫機能を高める役割があります。
体のあらゆる部分に関係しているタンパク質。タンパク質が不足することで以下のような症状が現れることがあります。
◎タンパク質の不足によって現れる症状
- 体力低下
- 倦怠感
- 肌や髪のトラブル
- 消化不良
- 貧血
- うつ など
タンパク質の不足は倦怠感やうつ症状の原因となることも。ダイエット中はタンパク質が不足しやすいので、くれぐれも注意してください。
タンパク質を摂りすぎた場合
タンパク質の摂取量は多ければ多いほど良い、というわけではありません。タンパク質を摂りすぎると以下のような症状が現れることがあります。
◎タンパク質の摂りすぎによって起こる症状
- 肥満
- むくみ
- 腸内環境の悪化
- 肝機能の低下
動物性タンパク質の摂りすぎは肥満の原因となります。また、タンパク質は腸内の悪玉菌のエサとなり腸内環境を悪化させる可能も。摂りすぎにはくれぐれも注意しましょう。
タンパク質が不足するとダイエットが失敗しやすくなる3つの理由
ダイエット中は食事制限によってタンパク質が不足しがちです。特に肉や魚などの動物性タンパク質が不足する傾向にあります。タンパク質が不足するとダイエットが成功しにくくなります。その理由とは?
基礎代謝が低下する
タンパク質が不足すると、筋肉量が落ちて基礎代謝が低下する可能性があります。
基礎代謝(きそたいしゃ)とは、何もせずじっとしていても、生命活動を維持するために生体で自動的に(生理的に)行われている活動で必要なエネルギーのこと。
引用:wikipedia
基礎代謝が低下するということは、1日の総消費カロリーも減ってしまうということ。同じ生活をしていても太りやすく痩せにくい体になってしまいます。
体がむくみやすくなる
タンパク質が不足すると低タンパク質血症になる可能性があります。低タンパク質血症とは、血中のタンパク質が低くなる症状のこと。血管の水分を保持できなくなるので、その水分が血管外にしみ出してしまいむくみを引き起こします。
どんなに体重が落ちても、脚や顔がむくんでいたらダイエット成功とは言えませんよね。美脚のためにも必要最低限のタンパク質が必要です。
肌荒れや体調不良
先ほど紹介しましたが、タンパク質が不足すると肌荒れや消化不良などが起こる可能性があります。美しく健康的に痩せるためにタンパク質は必要不可欠なのです。
タンパク質についての総まとめは・・・
・タンパク質が最も多い食品は、豚のゼラチン(87.6g)
・1日に必要なタンパク質は、体重×1.0~2.0g
・タンパク質が不足すると、皮膚や臓器、髪などに症状が起こる
・タンパク質を摂りすぎると、肥満やむくみなどの症状が起こる
・タンパク質を足りずにダイエットをすると1日分の総消費カロリーが減る
・体がむくみやすくなり、低タンパク質血症になる可能性がある
・肌荒れや体調不良を起こす可能性がある
タンパク質が多い食品ベスト10を紹介してきました。現実的に考えて、毎日食べるのは難しい食品が多いように感じました。今回紹介した食品に限らず、タンパク質が多い食品を積極的に食べるようにしましょう。低カロリー高たんぱくの鶏胸肉やササミが特におすすめです。
タンパク質が不足すると、肌荒れや筋力低下を引き起こす可能性があります。もちろんダイエット成功のためにも必要不可欠な栄養素!もう一度あなたの食生活を見直してみませんか?