海のミルクと呼ばれるほど、栄養豊富で濃厚な牡蠣。生で食べるのはもちろん、カキフライなど加熱しても美味しいですよね。
今回は牡蠣の魅力や、気になる食中毒の危険について皆さんにお伝えしたいと思います。
この記事の目次
牡蠣に含まれている栄養素
牡蠣には様々な栄養素が含まれていることから『海のミルク』と呼ばれていますが、どのような栄養素が詰まっているか、皆さんはご存知でしょうか。
ビタミン群
ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、葉酸、パントテン酸、ビオチン
ミネラル群
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム。モリブテン
アミノ酸群
イソロイシン、ロイシン、リシン、含硫アミノ酸、芳香族アミノ酸、トレオニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジン、アルギニン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、プロリン、セリンアンモニア
牡蠣に含まれる美容効果のある成分
牡蠣には女性にとっても嬉しい、美容効果のある成分がたくさん含まれています。その中でも私たちの体に大きな影響と役割をもたらす亜鉛が豊富に含まれています。
たんぱく質やDNAの合成に深く関わっている酵素の主要成分が亜鉛です。例えば、肌に傷が出来たとします。すると体内では細胞分裂を起こし、タンパク質を送り出す事で傷を回復させようとします。亜鉛が少しでも不足すると、傷の治りが遅くなってしまうと言われているほどです。
美肌に欠かせない亜鉛を摂取することでコラーゲンを作り出す代謝反応が活性化し、健康な肌をキープします。体内で発生した有害活性酸素を無毒化させるのも亜鉛の役割で、この無毒化させる物質が亜鉛を摂取することで活性化し、抗老化、つまりアンチエイジングに効果を発揮します。
亜鉛が健康な髪を外的刺激から守るキューティクルを作り出すのに関与していたり、ホルモン合成にも欠かせない成分です。女性の卵巣には亜鉛が含まれており、黄体形成ホルモン、細胞刺激ホルモンなどのホルモンを亜鉛が活性化させる事でホルモンバランスを整えてくれます。
亜鉛は不足すると傷の治りが遅いだけではなく、実はホルモンに深く関与していることで、生理不順になったりもするのです。
牡蠣で食中毒を引き起こす4つの原因
牡蠣を食べてあたったという話をよく耳にすると思いますが、これはどうしてだか皆さんご存知ですか?牡蠣であたるのは、主に生食で多いと言われています。そのため、現在では食品衛生法や厚生労働省によって基準が設けられ、食中毒を回避するための対策が取られています。
現在では牡蠣で食中毒を起こす原因として考えられているのが、有害プランクトンを蓄積させている牡蠣によって起こる貝毒、腸炎ビブリオ、大腸菌、そしてノロウィルスです。
貝毒
貝毒には麻痺性と下痢性の2種類あります。
●麻痺性の場合
30分ほどで症状が現れ、唇から麻痺が生じ、首から全身へと広がっていきます。嘔吐、頭痛などの症状を発しますが重症化すると呼吸困難や運動障害を引き起こし、ごくまれに死に至ることもあります。
●下痢性の場合
症状は30分から、遅い人であれば3~4時間後に現れる場合もあります。激しい腹痛、下痢、吐き気、嘔吐などを発症し3日程度で回復します。
腸炎ビブリオ
食後6時間〜12時間ほどで症状が現れます。激しい下痢、腹痛、嘔吐、発熱といった症状を発します。2~3日で回復することが殆どですが希に重症化することもあります。
大腸菌
37℃が最も大腸菌の活発な温度だと言われていますが、熱に弱く、75℃、1分以上の加熱で菌は死滅します。激しい下痢、腹痛、嘔吐、高熱といった症状を発します、1~2日で回復することが殆どですが、まれに腸炎を起こす事もあります。
ノロウィルス
牡蠣が旬を迎えている時期に最も発生しやすいと言われています。潜伏期間は24時間~48時間。症状としては突然の嘔吐、吐き気、下痢、腹痛、高熱を発し、3日程度で回復をしますが、嘔吐や下痢が酷い場合は脱水症状を引き起こすなどの重症化に繋がることもあります。
生食用牡蠣と加熱用牡蠣の違い&おすすめレシピ
牡蠣はスーパーなどで手軽に購入できますが、パッケージを見てみると“生食用”と“加熱用”と区別されて販売されています。この違いについて見ていきましょう?
生食用牡蠣とは
保健所によって定められた海域で採取された牡蠣で、大腸菌の数が一定数以下の基準を満たしている物。また、紫外線殺菌処理をした海水によって牡蠣の体内から毒素を吐き出させた毒抜き済の清潔な牡蠣。
●生食レシピ
ポン酢やレモン醤油でそのまま食べるのも美味しいですが、粗びき胡椒、塩、レモンに、溶かしバターをかけて食べるとコクも加わり美味しく食べることができます。
加熱用牡蠣とは
保健所によって定められた海域以外で採取された牡蠣。
●加熱レシピ
王道のカキフライも良いですが、クラムチャウダーの中に牡蠣を加えたり、味噌で和風仕立てにしたホワイトソースを使った牡蠣グラタンなど、ホワイトソース+牡蠣の組み合わせがおすすめです。
以上のような違いがあります。では、加熱する際も生食用の方が安全で美味しいんじゃない?と思われがちですが、実は加熱用の牡蠣は河口や沿岸などの海域で育っていることから、多くの良質のプランクトンをエサにしているため、豊富な栄養素を含みます。
生食用は衛生面を考慮し、採取されてから販売されるまでの間に2~3日断食をして毒抜きを行っている事もあり、加熱用と比べると牡蠣そのものに元気がなく、栄養素も減ってしまっています。
そのため、生食用より栄養素の含有量が多く、うまみがより凝縮されているのです。このことからやはり生で食べる際には生食用で、カキフライなどの加熱調理の際には85℃以上かつ90秒以上しっかり加熱して食べるというのが基本です。
牡蠣のカロリーとダイエット効果・方法
牡蠣は1個あたり20gと設定すると、およそ12キロカロリーになります。10個食べたとしても120キロカロリーなので、ショートケーキのカロリーと比較すると半分以下なので、かなり低カロリーなダイエット向きの食材と言っていいでしょう。
豊富な栄養素を含んでおり、特に女性にとっては高い含有率で亜鉛を含んでいることから、ダイエット時に多くの栄養素を摂取することができる食材として、ダイエット中にぜひ食べておきたい食材です。
ただし、牡蠣だけを食べてダイエットを行うというのではなく、あくまでもダイエット中の食事のメニューの一つとして牡蠣を食材の中に加えると考えてください。
牡蠣の栄養とダイエット効果・カロリーについてのまとめ
・牡蠣の栄養で美容効果のある成分は、亜鉛
・牡蠣で食中毒を起こす原因は、貝毒や腸炎ビブリオ、ノロウイルス
・生食用牡蠣は、保健所によて定められた海域で採取された牡蠣
・加熱用牡蠣は、保健所によって定められた海域以外で採取された牡蠣
・牡蠣のカロリーは、20gあたり12kcalでダイエットにもぴったり
如何でしたでしょうか。牡蠣はとても高い含有率でビタミン、ミネラル、脂質、アミノ酸を含んでいますので、美容や健康を意識して、食べるようにしたい食材です。生食用、加熱用に気を付け、自分の舌に合うおいしい食べ方を見つけてくださいね。