発芽する際に眠っていた酵素が活性化することで様々な効果をもたらし、健康にいいと言われている発芽玄米の事を皆さんはご存知でしょうか。
発芽玄米という商品がスーパーなどで売られている事は知っている人が大半でも、その栄養や効果などは知らないという人も多いと思います。
そこで、今回は発芽玄米について深く掘り下げてみました。
発芽玄米の栄養素
ビタミン群
ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンE、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン
ミネラル群
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、セレン、モリブテン、総イノシトール、
脂質
脂肪酸 飽和、脂肪酸 一価不飽和、脂肪酸 多価不飽和、オレイン酸、n-6リノール酸、n-3 α-リノレン酸、総フェルラ酸、γオリザノール、γアミノ酪酸、フィチン酸
その他
食物繊維
発芽玄米の効果・効能
玄米を発芽させたものが発芽玄米となります。玄米が発芽する際に眠っていた酵素が顔を出し、多くの栄養素を必要としながら芽を出します。そのため、玄米の中には多くの栄養素を含まれており、玄米よりもさらに高い栄養素を有します。
●γアミノ酪酸(ギャバ)
血中コレステロール値の低下、抗肥満、抗高血圧、抗アレルギー、アトピー性皮膚炎の症状緩和、精神安定、抗ストレス
●γオリザノール
肌の老化防止、皮膚の健康、血液循環の促進、自律神経失調症の症状緩和、更年期障害の症状緩和
●フィチン酸
抗酸化、抗ガン
●食物繊維
整腸作用、消化器官の活発化、糖や脂質の吸収抑制効果、便秘予防、高コレステロール血症の予防
●ビタミンB1
糖質代謝促進、中枢神経・末梢神経の正常化、脚気予防、記憶力低下予防
●イノシトール
脂肪肝予防、動脈硬化予防
●ビタミンE
抗酸化作用、老化防止
●マグネシウム
心臓病予防、カルシウム・ビタミンB1の吸収促進
●総フェルラ酸
活性酸素除去、メラニン色素生成の制御
●カリウム
高血圧予防、ミネラルバランス保持
●亜鉛
味覚異常の予防、生殖機能の正常化
発芽玄米とダイエットの関係
ダイエットでは脂肪を燃焼させる事で痩せていきますが、特に運動などをしていなくても、内臓を動かしたり寝ているだけでも自然にカロリーを消費しています。これが“基礎代謝”と呼ばれているものです。
太りやすい体質と痩せやすい体質の人の違いは、この基礎代謝が良いor悪い=燃焼しやすいor燃焼しにくい体である、というところにあります。
基礎代謝が上がるというのは、つまり燃焼しやすい体質になるということです。発芽玄米は白米を普段から食べている人と比べると基礎代謝力が高く、糖の吸収を制御し、血糖値の上昇を抑える働きを伴っています。当然GI値も発芽玄米の方がグッと低くなります。
次に注目したいのが中性脂肪です。発芽玄米の中に含まれている栄養素の内、決定的な違いであるのが発芽玄米には食物繊維が豊富に含まれている点です。白米に比べると発芽玄米の食物繊維含有量は4倍とも言われています。
食物繊維は女性に多い便秘を解消させる効果があり、食べてから腸に届くまで吸収される事なく届くため、腸の活性化に繋がり、体の中の不要な物を便と一緒に排泄する効果があります。
そして、最後に注目しておきたいのがギャバの存在です。ダイエットをしている方の中には、食欲を抑えることができずにイライラしてしまった、なんて経験を持っている方も多いと思います。
その点発芽玄米ダイエットは白米から置き換えるだけですので、無理な食事制限を伴いません。ギャバには精神安定効果があり、イライラを鎮静化させてくれるのです。
これらのダイエットに有効な効果を見てみると、口から摂取し、排泄するまでのダイエットの様々なポイントを押さえてくれる性質を持っており、ダイエットにとても適している食材であることがお分かりになるかと思います。
発芽玄米をダイエットに摂り入れる方法
発芽玄米をダイエットで用いるには、実にシンプルに“発芽玄米を食べる”ということのみが挙げられます。もちろん、栄養バランスを考慮した食事制限を設けることも出来ますが、毎日食べている主食を白米から発芽玄米に変えるだけでも十分ダイエットの効果を得ることができます。
主食全てをいきなり変えてしまうことに抵抗を感じる場合は、白米の中に少量の発芽玄米を混ぜて炊いた米を食べるのも良いですし、1日のうち1食または2食を発芽玄米に変えるだけでも十分です。
無理のない範囲でスタートし、健康効果を考慮して徐々に主食を発芽玄米に変えてみては如何でしょうか。
発芽玄米の作り方
発芽玄米は購入すると手間がかかる分、玄米より割高で販売されていることがほとんどです。ダイエットをしながら散財していては意味がありませんので、どうせなら思い切って自分で発芽玄米を作ってみては如何でしょうか。
発芽玄米を作るためには30度の温度が最適だとされていますが、実はこの温度、雑菌の適温とも言われています。自家製で作るときには、衛生管理に十分な注意が必要です。
方法としては室温で水を張った容器に炊きたい量の玄米を投入し、1~2日水に浸しておくだけですので、温度管理以外の手間はそれほどかかりません。最近では発芽玄米を作ることができる釜も販売されているので、利用するのも良いでしょう。
発芽玄米の炊き方
炊き方は簡単で、白米と同じように炊くだけです。特別難しい事はありませんので、是非挑戦してみてください。
玄米、発芽玄米は繊維質が硬く、食べにくいと感じる場合は土鍋、土鍋より圧力なべを使って炊いてみましょう。炊飯器で炊くよりずっとやわらかでふっくらした発芽玄米ご飯が完成します。
土鍋で炊く場合
発芽玄米2に対して水3の割合で土鍋に入れ、30分ほど寝かせます。その後、土鍋のふたは閉じて中火で炊きます。20分~25分ほど経つと土鍋からパチパチと音がしますので、音がしたら火を止めて15分程度蒸らすと出来上がりです。
圧力なべで炊く場合
発芽玄米1に対して1.2~1.5の水を用意し、圧力なべに入れたらしっかり蓋を閉じて強火にかけます。沸騰したら20~30分ほど弱火で炊き、最後は10秒ほど強火にして火を止めます。そのまま5分ほど蒸らしたら一旦鍋の蒸気を抜き、さらに15分程度蒸らすと出来上がりです。
しっかりした歯ごたえを求める場合は発芽玄米:水の分量を1:1.2、柔らかさを求める場合は1:1.5の分量で炊くようにしてください。
発芽玄米の栄養とダイエット効果についてのまとめ
・発芽玄米の効果と効能
「ギャバによる精神安定やアトピー性皮膚炎の緩和」「肌の老化防止や血液循環の促進、更年期障害の緩和」「アンチエイジング効果」「食物繊維で便秘解消効果」
・発芽玄米のダイエット効果は、白米に比べると食物繊維が取れて痩せられるから
・発芽玄米のダイエット方法は、毎日食べている主食を変えるだけでOK
・発芽玄米の作り方
「室温で水を張った容器に炊きたい量の玄米を入れて1~2日浸す」「土鍋で炊く場合は、発芽玄米2に対して水3の割合がコツ」「圧力なべで炊く場合は、発芽玄米1に対して1.2~1.5の水がコツ」
如何でしたでしょうか。白米から発芽玄米に変えるだけでダイエットが出来るとは、嬉しい食材ですよね。栄養素も豊富に含まれていますので、是非、発芽玄米ダイエットに挑戦してみてください。