ダイエットをしていて、なんだか体臭がきつくなった気がすると思ったことはありませんか?間違ったダイエットをしていると、体臭がきつくなることがあります。
ダイエットをしている時のダイエット臭と言います。ダイエット臭の原因とダイエット臭の対策として運動での予防法を食事での改善法をまとめました。
ダイエット臭の原因は何?
ダイエット臭という言葉を聞いたことはありますか?ダイエット臭とは、ダイエットをしていると出てくる特徴的な体臭のことです。
運動を中心にした正しいダイエットをしている人は、ダイエット臭がしてくる心配はあまりありません。でも、厳しい食事制限を中心にしたダイエットをしている人は、ダイエット臭のリスクがあります。
ダイエット臭は間違ったダイエットをしている証拠なんです。「あなたのダイエット方法は間違っているよ!」という身体からの警鐘と言っても良いでしょう。
ダイエット臭はレベル1~3に分けることができ、それぞれのレベルでダイエット臭の臭いの特徴は異なります。ただ、3つのレベルのダイエット臭に共通しているのは、体のエネルギー不足による臭いであることです。
食事制限をしているから、体のエネルギーが不足して、何とかエネルギーを生み出そうとした結果、独特のダイエット臭が出てくるんです。
レベル1=脂っぽい臭い
ダイエット臭のレベル1は、脂っぽい臭いです。厳しい食事制限をしていると、体がエネルギー不足になります。そうすると、脳は「あれ?飢餓状態かな?」と考えるようになりますので、基礎代謝を落として、エネルギーを蓄えようとします。
基礎代謝が落ちると、TCA回路というエネルギーを作り出す回路の回転が減速してしまいます。この状態になると、ダイエット臭を発生させる準備段階が完了したことになります。
厳しい食事制限をしていると、主なエネルギー源である炭水化物を摂らなくなりますので、身体は身体に蓄えておいた中性脂肪を燃焼させて、エネルギーを作り出そうとします。
この中性脂肪を燃焼させるのは、TCA回路で行われるのですが、TCA回路は基礎代謝が落ちているので、回転が減速して、きちんと働けない状態になっています。
本来なら、中性脂肪は脂肪酸に分解して、TCA回路でエネルギーとして燃焼するのですが、TCA回路の働きが落ちているので、きちんと燃焼できずに、余った脂肪酸が血液中に増えていきます。
そうすると、その余った脂肪酸は汗や皮脂と一緒に体外に排出されますので、脂っぽい体臭がするようになります。
ただ、このレベル1のダイエット臭は、それほどきつくないので、「なんとなく体臭がきつくなったかな?」と感じるかどうかという程度になります。
レベル2=アンモニア臭
このレベル1のダイエット臭がしているのに、さらに厳しい食事制限のダイエットを続けていると、体はさらにエネルギー不足になります。
そうすると、さらに基礎代謝が下がり、血行が悪くなり、細胞に必要な産後が運ばれませんので、体中が酸素不足になってしまいます。
TCA回路でエネルギーを作るためには、酸素が必要なのですが、酸素不足のために、TCA回路からは必要なエネルギーを作り出せなくなります。
そうすると、体は酸素を必要としないエネルギー産生法である解糖系という方法でエネルギーを作り出そうとするのです。これは、無酸素運動をする時に使われるエネルギー産生法ですね。
この解糖系でエネルギーを作り出すと、乳酸が発生します。アンモニアと乳酸は結びつきやすい性質を持っています。
乳酸と結びついたアンモニアは汗と一緒に出てくるので、汗をかいた時にアンモニア臭がしてくるようになります。これが、レベル2のダイエット臭になります。
レベル3=ケトン臭(甘酸っぱい臭い)
アンモニア臭がしているのに、さらに食事制限を続けていると、今度はケトン臭と呼ばれるような甘酸っぱい臭いがしてきます。
これは、TCA回路で脂肪酸を燃やしていると、肝臓でケトン体という物質が作られるようになります。このケトン体はエネルギーとして使われる物質なのですが、強烈な臭いが特徴なのです。
そのため、ケトン体が体内に増えると、ケトン臭と呼ばれる甘酸っぱいようなツーンとした臭いが発せられるようになります。
ケトン臭は尿からも汗からも、口臭からも出てきますので、体臭全部がケトン臭になるのです。このケトン臭は強烈な臭いが発生しますので、自分自身も気づきますし、周囲の人からも「この人体臭がきついな」と思われてしまうのです。
ダイエット臭対策=運動で予防
ダイエット臭の原因やメカニズムを詳しくお話しましたが、ダイエット臭はできるだけ予防・改善しなければいけませんよね。ダイエットをしてきれいになるのは良いのですが、体臭が臭かったら、それはダイエット成功とは言えませんから。
ダイエット臭の原因は、間違ったダイエット法でしたよね。脳が飢餓状態と勘違いするほどのきつい食事制限が根本的な原因なんです。
それなら、ダイエット臭対策のためには、正しいダイエット法をすれば良いのです。正しいダイエット法とは、運動を取り入れたダイエット法です。
ダイエット臭を予防するためには、有酸素運動と無酸素運動を取り入れたダイエットを行いましょう。有酸素運動は、脂肪を燃焼してくれる効果があります。無酸素運動は、筋肉をつけて基礎代謝を高める効果があります。
有酸素運動と無酸素運動を取り入れたダイエットをすれば、厳しい食事制限はしなくても、基礎代謝を下げずに痩せやすい身体になることができます。基礎代謝が下がらなければ、TCA回路は正常に回転してくれますので、脂肪酸が余ることもありません。
そして、有酸素運動をすると、体脂肪を確実に燃焼させてくれるので、痩せていくのです。
運動を取り入れたダイエットをする時は、無酸素運動を行ってから有酸素運動をしてください。無酸素運動を行うと、脂肪燃焼促進効果があるアドレナリンと成長ホルモンという2つのホルモンが分泌されます。
この2つのホルモンを分泌させてから、有酸素運動を行えば、効率よくダイエットができるというわけなんですね。
無酸素運動は、次のようなものです。
・短距離走
・筋トレ
・重量挙げ
・ダンベル体操
この中で気軽に自宅で行えるのは、筋トレですね。そして、有酸素運動には次のようなものがあります。
・ウォーキング
・ジョギング
・踏み台昇降
・サイクリング
・エアロビクス
・アクアビクス
・水泳
この中から好きなものを選んで運動すると良いでしょう。ただ、先ほども言いましたが、無酸素運動→有酸素運動の流れは、必ず守ってください。
ダイエット臭対策=食事で改善
ダイエット臭の対策の2つ目は、食事で改善することです。ダイエット臭はきつい食事制限をして、深刻なエネルギー不足になることが原因なのですから、ダイエット臭を改善するためには、きつい食事制限は止めましょう。
最低でも基礎代謝量のエネルギーは摂らなければいけません。また、1日の消費カロリーの80~85%はカロリーを摂取しましょう。
例えば、1日の消費カロリーが2000kcalの人は、摂取カロリーは1600~1700kcalは摂るようにしてください。そうすれば、脳は飢餓状態と感じることはないはずです。
また、次のものを積極的に食べると良いでしょう。
・海藻類
・酸味のあるもの
・アルカリ食品
海藻類にはアスパラギン酸が含まれています。アスパラギン酸はTCA回路の材料となりますので、脂肪が燃焼される時に、脂肪酸が余りにくくなります。
次に、酸味のあるものには、クエン酸が含まれています。クエン酸はTCA回路の回転を維持してくれる役割がありますので、ダイエット臭を予防・改善してくれるのです。酸味のあるものと言えば、レモンなどのかんきつ類や梅干し、お酢などです。
そして、アルカリ食品ですが、ケトン体が増えると身体が酸性に傾いてしまいます。体のバランスが崩れると、基礎代謝がさらに下がりやすくなります。
そのため、アルカリ食品を食べて、身体のバランスを整えるようにしましょう。アルカリ食品は野菜や果物、海藻、きのこ類ですね。
海藻類や酸味のあるもの、アルカリ食品はダイエット臭対策になるだけでなく、低カロリーで健康に良いものですので、ダイエットにも良い食品ですし、カロリーを気にする必要がなく、どんどん食べられます。
ダイエット臭を予防・改善するためにも、バランスの良い食事、さらに海藻類や酸味のあるもの、アルカリ食品をたっぷり食べるようにしましょう。
ダイエット臭の原因・対策についてのまとめ
「脂っぽい臭い」「アンモニア臭」「ケトン臭」
・ダイエット臭対策「運動で予防」「食事で改善」
ダイエット臭の原因とダイエット臭対策、運動による予防と食事での改善法をまとめました。ダイエット臭は、「あなたのダイエット法は間違っていますよ!」という合図ですので、ダイエット臭がする時は、運動と食事でダイエット臭を予防・改善しましょう。
また、体臭は自分ではなかなか気づかないものです。ただ、周囲の人に指摘されるのは恥ずかしいですから、ダイエット中はいつも以上に体臭を気にしておきましょうね。