BMIでいう女性のモデル体型の体重は、低体重思考の強い日本人女性の間では、ダイエット時の指標として用いられることがあります。
この記事では、モデル体型の体重・BMIをご紹介しつつ、痩せすぎなのかどうか、ダイエット時の注意点などをまとめています。
この記事の目次
BMIについて
BMIは体重と身長を使って算出した数値で、肥満度を測定できるものです。
BMIの計算式はこちら。
[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で算出される値。
逆算することによって、そのBMI数値における体重を導き出すことも可能です。
計算式によって導き出された数値は、以下のように痩せ・普通・肥満として分類されます。
BMI(数値の範囲) (肥満度)判定 < 18.5 低体重 18.5 ≤ BMI < 25.0 普通体重 25.0 ≤ BMI < 30.0 肥満(1度) 30.0 ≤ BMI < 35.0 肥満(2度) 35.0 ≤ BMI < 40.0 肥満(3度) 40.0 ≤ BMI 肥満(4度)
日本ではBMI値が低いモデル体型を目指す人が増加中?
現代日本においては女性の低体重思考が強いと言われ、実際に国の統計をみても、特に20代の女性はBMIの「痩せ」に分類される率が少なくありません。また自分が太っていると考える割合も高く、そう思ってしまう理由には「他人と比べて」しまうことが挙げられています。
平成20年の調査では、20歳代の女性はやせの割合は22.5%と多いにも関わらず、44%の女性が自分を太っていると評価し、55.8%が体重を減らそうとしていました。また、太っていると思う理由が「他人と比べて」が他の世代と比べて最も多く、適正な体格のイメージができていない女性が多いようです。
自分の体型が「他人と比べて」太っていると感じてしまうことは、痩せ率が高い若い女性たちにおいては、さらなる全体的な低体重思考につながる環境が蔓延しているようにも感じますね。
モデル体型の体重とは?(BMI17.0)
低体重思考が強い日本人女性にとっては、BMIでいう最も平均的で病気にならないとされる「BMI22.0」で導き出された標準体重は、まさに「重い」と言えるでしょう。
そんな世相を反映するかのように設けられたBMI基準には、「モデル体型の体重」や「モデル体重」と呼ばれるものがあります。
一般的にモデル体型のBMI数値は、17~18程度と言われることが多いです。ただ公的な機関から設定された数値ではないため情報源によって変わることがありますが、ここでは実際に女性芸能人のBMIを見て仮定したいと思います。
名前を挙げる芸能人たちは、2015年9月に更新されたgooランキングにランクインしたり(理想の体型だと思う女性有名人ランキングより)、体重公開をして話題になった方を中心にご紹介します。
芸能人 | 身長 | 体重 | BMI |
菜々緒 | 172cm | 46kg | 15.5 |
吹石一恵 | 169cm | 49kg | 17.1 |
長澤まさみ | 168cm | 43kg | 15.2 |
綾瀬はるか | 165cm | 47kg | 17.2 |
ローラ | 165cm | 48kg | 17.6 |
桐谷美玲 | 164cm | 39kg | 14.5 |
ダレノガレ明美 | 164cm | 43kg | 15.9 |
篠原涼子 | 162cm | 45kg | 16.5 |
以上の情報は、ウィキペディアとまとめサイト、ニュースサイト等を参考に。
いかがでしょうか。皆さん、当たり前のように「低体重(痩せ)」基準に分類されるBMI18.5以下です。
細すぎると話題になる桐谷美玲さんでいえば「BMI14.5」ということで、ダントツのトップ。
以上のように、女性が憧れるスタイルランキング等で上位の芸能人のBMI数値から見るに、
「モデル体型のBMI数値は17.0」程度と見てよさそうですね。
BMIでいうモデル体型の体重計算方法
モデル体型の体重計算式は、こちらです。
・(身長×身長)×17.0
(”m”ではなく”cm”のとき→身長×身長×17.0÷10000)
たとえば160cmの人の場合は、
・(1.6×1.6)×17.0=43.52kg(モデル体型の体重)
身長別:「BMI17.0」でいうモデル体型の体重
身長 | モデル体型の体重 (BMI17.0) |
146cm〜150cm | 36.2kg〜38.3kg |
151cm〜155cm | 38.8kg〜40.8kg |
156cm〜160cm | 41.4kg〜43.5kg |
161cm〜165cm | 44.1kg〜46.3kg |
166cm〜170cm | 46.8kg〜49.1kg |
171cm〜175cm | 49.7kg〜52.1kg |
BMIの「低体重」であるモデル体型は痩せすぎ?
モデル体型の体重はBMIでいう「低体重(痩せ)」に分類されるものです。
ただ上記で定義したようにモデル体型を「BMI17.0」とすれば、普通体重「18.5 ≤ BMI < 25.0」から、わずか1.5程度しかマイナスではありません。
実際にどの程度の体重差になるのか、身長別に何例か見てみましょう。
今回は、モデル体重と美容体重であるBMI19.0と標準体重であるBMI22.0とを比べてみます。
身長 | モデル体重 (BMI17.0) | 美容体重 (BMI19.0) | 標準体重 (BMI22.0) |
155cm | 40.8kg | 45.6kg | 52.9kg |
160cm | 43.5kg | 48.6kg | 56.3kg |
165cm | 46.3kg | 51.7kg | 59.9kg |
170cm | 49.1kg | 54.9kg | 63.6kg |
いかがでしょうか。BMIでいえばたかだが2~5程度ですが、体重に換算すると差がかなりでましたね。今回比較対象とした美容体重は一般的に痩せすぎずに太すぎないラインだとも言われていますので、それよりもはるかに軽いモデル体型の体重です。
数値だけみると、確かに痩せすぎという印象を受けますね。
痩せすぎの危険性とは?
最近では海外の痩せすぎモデルに対する規制などもありましたが(仏、やせ過ぎモデル法規制)、「痩せすぎ=悪い」というイメージも強まっています。
では、実際に痩せすぎの何が悪く危険なのかというと、それはやはり健康上の問題のためです。
上記にご紹介したように、女性が憧れてしまうスタイルを持つモデル・女優さんたちには痩せている人が多いため「痩せている=美しさ」といったように、体重を美の基準にしてしまう傾向が強いのも否めません。
もともと体質的に痩せている人もいると思いますが、モデル体型を目指すために過度なダイエットに走ることが最も好ましくない話です。
無理なダイエットの結果の痩せすぎには、国からも警鐘がならされています。
若い女性の「やせ」や無理なダイエットが引き起こす栄養問題 e-ヘルスネット 厚生労働省
また過度なダイエットだけではなく、体重の増減を気にするあまりに精神的にも追いやられ、最悪拒食症等にもつながる恐れも指摘されています。
「やせ願望」が深刻化すると、「神経性食欲不振症(拒食症)」や「過食症」を招く恐れがあります。いずれも摂食障害ですが、前者は太ることを恐れて食物を避けるために極端な痩せを伴います。多くは思春期から青年期早期にかけて発症すると考えられています。後者は週に数回・数ヶ月間にわたる過食と、体重増加を防ぐための不適切な代償行動(嘔吐、下剤の使用など)の両方が存在し、拒食症よりは発症が遅い傾向があります。
さらには、妊娠のみならず将来の子供に対する悪影響を及ぼす可能性があると言われている”無理なダイエット”は、健康リスクが高いと言えるのではないでしょうか。
最近の研究では、若い女性や妊婦の低栄養が、その子どもの将来の生活習慣病(高血圧・糖尿病など)のリスクを高めるとの見方があります。妊娠中のみならず、妊娠する前からの適切な食生活の確保が、将来の日本の子どもたちの健康にとって大切であることを理解し、適正体重の維持とバランスのとれた食生活の確立を目指しましょう。
BMIでいうモデル体型の体重は「痩せ」に分類されるということもあり、アスリートでもない限り、普通に生活している分には”痩せすぎ”と言えそうです。
低BMIモデル体型を目指す上でのダイエットの注意点
モデル体型を目指すなら、体重ではなく見た目重視に
モデル体型を目指してダイエットに励むということは悪いことではありません。
ただ一つ言うのであれば、モデル体型を目指すダイエットは体重よりも見た目(体型)を考慮しながら行うのが良いでしょう。体重はある程度のダイエットの指標になりますが、痩せすぎの危険性はすでにご紹介した通りですので、そこばかりを気にするのはおすすめできません。
では、なぜ体重ではなく見た目重視のダイエットを推奨するかというと、必ずしも「体重=見た目の美しさ」というわけではないからです。
たとえば、体重を減らすために食事制限を行っていても運動を全くしない人がいます。そうすると「体重は減ったのに、見た目があまり変わらない(あるいは太ってる)」という結果になることがあるかもしれません。
一体何故こんな現象がおきるかというと、体脂肪率や筋肉量のバランスが偏ってしまっているためであると考えられます。
体脂肪率の高い60kg女性と筋肉質の60kg女性。
一例ですが、画像のように体脂肪率が高い女性と筋肉量の多い女性の場合には、見た目の差がだいぶでます。
これは同じ体重でも、体積が筋肉<体脂肪であるために起こる現象です。
筋肉と体脂肪(ともに2キロ)。
いかがでしょうか。実際に同じ2キロといえど、その差は一目瞭然ですね。
女性の中には筋肉がつきすぎるのは嫌だという人もいるかもしれませんが、実際のところアスリート並みに真剣に取り組まない限り、ガチムチになる例は少ないです。それは女性は筋肉をつける男性ホルモンの分泌が少なく、逆に体脂肪をつける女性ホルモンの分泌が多いためだと言われています。
ダイエットの基本
まずダイエットの基本とは。
規則正しい生活を送り、食事ではカロリー計算をして、決して無理にならないようにカロリー摂取を調整しつつ、ウォーキングやランニングなど適度な運動を長く続けることが、ダイエットを成功させる秘訣です。
つまりダイエットとは、食事バランスや運動面からアプローチしていくのが正しいやり方です。
今回ご紹介した女性芸能人たちも、BMIで言えば痩せすぎに分類される人も多いですが、いろいろ情報を探れば、しっかりと鍛えている方も多いです。
・ローラや榮倉、中村アンなど、アスリート並みの“腹筋女子”なぜ増加?
・“菜々緒ボディ”を作る腹筋トレーニング動画がすごい ポイント解説「早速やってみます」と反響
・ダレノガレ明美:スタイルキープの秘訣語る 「どんなに忙しくてもジムへ」
等々。
また運動をすることは美容的な効果も望めますので、ぜひともおすすめです。
食生活ではカロリーとともに栄養バランスを考えることで、より美しく健康的にダイエットをしましょう。
終わりに
・モデル体型を目指す上でのダイエットの注意点
「体重ではなく見た目を重視する」「食事バランスを重視する」「運動をする」「ガチムチにはならない」
健康的にモデル体型を目指すためにも、体重ではなく見た目を重視してください。
また自分の主観に頼るだけではなく、時には親や友達などに相談してみるのも良いかもしれませんね。