BMIでいう男性と女性の理想体重について、注意点とともにまとめています。
この記事ではBMIの基本的な知識や計算式、BMIでいう理想体重をダイエットで利用する場合に知っておきたいポイント等を解説しています。
また身長・男女別に、BMIでいう理想体重・痩せ気味・肥満気味をまとめた簡易表もありますのでご覧ください。
この記事の目次
BMIとは
BMIというと漠然としたイメージがある方もいるかもしれませんが、正式名称をご存知ですか。
BMIは、BODY MASS INDEX(ボディマス指数)というものの略で、体重・身長から肥満度を算出する体格指数を言います。
日本政府はもちろん世界保健機関(WHO)等でも肥満度の基準としても利用されるものですので、自分の太り具合が気になった時の参考におすすめです。
BMI計算式と肥満度測定表
では、BMIの計算式をご紹介します。
[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で算出される値。
いかがでしょうか？非常に単純な計算式ですので、スマートフォンや携帯などでサクッと計算することが可能です。
この計算式で導き出されたBMI数値によって自身の肥満度が判定されます。 肥満度の測定については、次の表に当てはめてご確認下さい。
表1: 肥満度の判定基準（日本肥満学会）
BMI（数値の範囲） （肥満度）判定 < 18.5 低体重 18.5 ≤ BMI < 25.0 普通体重 25.0 ≤ BMI < 30.0 肥満（1度） 30.0 ≤ BMI < 35.0 肥満（2度） 35.0 ≤ BMI < 40.0 肥満（3度） 40.0 ≤ BMI 肥満（4度）
また上記にご紹介したBMI計算式は大人(成人)用ですので、まだ発育が十分でない場合には他の計算式があります。
乳幼児および学童児の肥満の判定にはそれぞれカウプ指数（10×体重(g)/身長(m)3）・ローレル指数（体重(kg)/身長(cm)3）×107）が用いられます。
乳児用がカウプ指数、学童時用がローレル指数となります。
BMIでいう理想体重＝「普通体重」？
最近では低体重思考が強いので、自分のBMI数値が普通体重に分類される「18.5〜25.0」内であっても、「まだ太ってるのになぁ」と感じてしまう人もいるかもしれません。
しかし、BMIの「普通体重」はあらゆる可能性のもと健康的な数値として導かれるもので、中でも「BMI22.0」が最も体のために良いとされています。
BMIが22になるときの体重が標準体重で、最も病気になりにくい状態であるとされています。25を超えると脂質異常症や糖尿病、高血圧などの生活習慣病のリスクが2倍以上になり、30を超えると高度な肥満としてより積極的な減量治療を要するものとされています。
つまりBMIでいう理想体重は見た目の指標だけではなく、健康数値という意味合いも強いと言えます。ですのでBMIでいう理想体重は健康のためにも美容のためにも、普通体重に分類される数値、特に「BMI22.0」であると言えるでしょう。
またBMIで最も標準とされる数値は男女間で多少の差があり、男性が22.0で女性が21.0と言われることもあります。
BMIでいう理想体重の出し方はBMI計算式の逆算となりますので、
（身長×身長）×22(女性の場合は21でも)÷10000
から導き出せます。
BMIでいう理想体重をダイエットの目標に！ただし注意点も
健康的なダイエットをするためには、BMIでいう理想体重を目標として設定することがおすすめです。
しかし、BMI数値は身長と体重で算出していますので、それだけで体のすべてがわかるはずがありません。そのためBMIでいう理想体重をダイエットの目安として考えるときに、他に幾つか気にしておきたいポイントがあります。
BMIと筋肉量・体脂肪の関係
BMI数値は、身長と体重から算出するものですので、筋肉量・体脂肪などが考慮されていません。
筋肉が脂肪よりも重いという事は聞いたことがある人も多いと思いますが、実際には筋肉の密度が高いので、その分体重が重くなるといった話。
その密度の比重としては筋肉が1.1g/ml、脂肪が0.9g/mlで、これを体の見た目(体積)として考えると筋肉：脂肪＝0.8：1と言われています。画像を用いた方がその体積の違い・密度がわかりやすいので、いくつかご紹介します。
まず、Twitterで話題となった脂肪と筋肉の大きさの違いがよくわかる画像から。
脂肪2キロと筋肉2キロの大きさが これだけ違うという事実。これはホラーだ yurarimama pic.twitter.com/21je1xcGJc
— 大人気ツイート集♡ (@ninki_tweet1) 2014年4月22日
脂肪と筋肉の大きさの違い。
一例ですが、脂肪の多い60キロと筋肉質な60キロの違いがどれほどのものかわかる画像です。
つまり筋肉量が多い人ほど体重が重くなるため、BMI数値もあがりますので、筋肉質なのに肥満と分類されてしまう恐れもあるわけです。また逆に見た目が細くても体脂肪が高い人もいますので、その場合は”隠れ肥満”と呼び、これもBMI数値には反映されません。
このことからもダイエットを考える場合には、BMIでいう理想体重を目標体重としながら、体脂肪率や筋肉量がわかる体組成計などを時に併用するのがおすすめです。
ちなみに体脂肪の平均的な数値は、以下の通りです。
体脂肪率は男性で15～20％女性で20～25％が「普通」、男性で25％以上女性で30％以上が「肥満」と判定されます。
アスリートのように体脂肪率平均よりもはるかに数値が下回っている場合に、BMIでいう理想体重に矛盾を感じることがあるかもしれません。しかし平均前後の体脂肪率だった場合はBMIでいう理想体重を省みつつ調整していくことで、もっとも理想的な体に近づけるでしょう。
BMIと年齢の関係
BMI数値の肥満度表はすでにご紹介していますが、ここでは年齢とBMIの関係性をご紹介します。人は、体が老化をしていくと体内の仕組みもだいぶ変わってきます。身長が小さくなる、筋肉が衰える、体内水分量が減少するといったのも、自然な老化として言われています。
そのためBMIと年齢の関係も一枚岩のように「これだ！」というものではなく、他に目安として言われる指標があります。
目標とするＢＭＩの範囲（18 歳以上）1 , 2
年齢（歳） 目標とするＢＭＩ（kg/m2） 18～49 18.5～24.9 50～69 20.0～24.9 70 以上 21.5～24.9 1 男女共通。あくまでも参考として使用すべきである。
2 観察疫学研究において報告された総死亡率が最も低かった BMI を基に、疾患別の発症率と BMI との関 連、死因と BMI との関連、日本人の BMI の実態に配慮し、総合的に判断し目標とする範囲を設定。
3 70 歳以上では、総死亡率が最も低かった BMI と実態との乖離が見られるため、虚弱の予防及び生活習慣 病の予防の両者に配慮する必要があることも踏まえ、当面目標とする BMI の範囲を 21.5~24.9 とした。
ある程度の年齢以上は、痩せ基準をもう少し上げて考えた方が健康に重きを置いたBMI数値としては良いとされる統計が出ています。
BMIと身長の関係
BMI数値の疑問として筋肉・脂肪の話とともによく言われるのは、身長が高いほどBMI数値が高くなるというものです。BMIを出す時に身長を2乗しているため、より大きい数値が出てしまうのも当たり前ですが、それでは身長が高い人の方が不利といえば不利になります。
そんな身長の高い人のために、標準体重を見出すための計算式「ブローカ式」があります。
身長175cm以上(身長［cm]-110)=(kg)
- 身長165～174cm(身長［cm]-105)=(kg)
- 身長155～164cm(身長［cm]-100)=(kg)
これもBMIからの標準体重同様に計算式も簡単ですので、目安としてご活用ください。
【身長別】BMIでいう男性の理想体重
BMIでいう男性の理想体重を、身長別にご紹介していきます。男性の場合のBMIでいう男性の理想体重(標準体重)は、BMI数値「22.0」とされています。
身長を161cmから5cm刻みごとに理想体重・痩せ気味・肥満気味と並べた表も作成いたしましたので、あわせてご覧ください。
| 身長 | 理想体重(BMI22.0) | 痩せ気味(BMI18.5以下) | 肥満気味(BMI25.0以上) |
161cm〜165cm | 57.0kg〜59.9kg | 48.0kg〜50.4kg 以下 | 64.8kg〜68.1kg 以上 |
| 166cm〜170cm | 60.6kg〜63.6kg | 51.0kg〜53.5kg 以下 | 68.9kg〜72.3kg 以上 |
| 171cm〜175cm | 64.3kg〜67.4kg | 54.1kg〜56.7kg 以下 | 73.1kg〜76.6kg 以上 |
| 176cm〜180cm | 68.1kg〜71.3kg | 57.3kg〜59.9kg 以下 | 77.4kg〜81.0kg 以上 |
| 181cm〜185cm | 72.1kg〜75.3kg | 60.6kg〜 63.3kg 以下 | 81.9kg〜85.6kg 以上 |
| 186cm〜190cm | 76.1kg〜79.4kg | 64.0kg〜66.8kg 以下 | 86.5kg〜90.3kg 以上 |
【身長別】BMIでいう女性の理想体重
BMIでいう女性の理想体重を身長別にご紹介していきます。基本的にBMIの理想数値は男女関係なく「22.0」とされていますが、ここではBMI数値「21.0」を理想値として算出します。
もちろん同じ数値(BMI22.0)を用いても問題ありませんが、実際に女性と男性の場合はからだの構造に違いがあります。たとえば女性の方が脂肪が多いため男性より体内の水分量が少ないこと、また女性が筋肉よりも軽い脂肪がつきやすい傾向にあることが挙げられます。
ですので、男性よりも若干少ない「21.0」として設定した方が自然だと、ここでは仮定してご紹介します。
理想体重・痩せ気味・肥満気味の基準を、BMIから算出して表にまとめていますので、参考までにご覧ください。
| 身長 | 理想体重(BMI21.0) | 痩せ気味(BMI18.5以下) | 肥満気味(BMI25.0以上) |
| 146cm〜150cm | 44.8kg〜47.3kg | 39.4kg〜41.6kg 以下 | 53.3kg〜56.3kg 以上 |
| 151cm〜155cm | 47.9kg〜50.5kg | 42.2kg〜44.4kg 以下 | 57.0kg〜60.1kg 以上 |
| 156cm〜160cm | 51.1kg〜53.8kg | 45.0kg〜47.4kg 以下 | 60.8kg〜64.0kg 以上 |
| 161cm〜165cm | 54.4kg〜57.2kg | 48.0kg〜50.4kg 以下 | 64.8kg〜68.1kg 以上 |
| 166cm〜170cm | 57.9kg〜60.7kg | 51.0kg〜53.5kg 以下 | 68.9kg〜72.3kg 以上 |
| 171cm〜175cm | 61.4kg〜64.3kg | 54.1kg〜56.7kg 以下 | 73.1kg〜76.6kg 以上 |
BMIで自分の理想体重・標準体重を知ろう
・BMIの普通体重は「22.0」
・BMIの理想体重にする時の注意点
「体組成計を併用する」「年齢によって異なる」「身長が高いほど数値が高い」
ダイエットする時には、自分の理想体重を知ることで目標が立てやすくなります。
ですので、健康に重きを置くBMIから算出される理想体重を目標として設定することは、すなわち健康的なダイエットにもつながります。
その上で、自身の体の状態を知るためにBMIだけには頼らず、時には体組成計などを用いて筋肉量・脂肪率などを加味して総合的に判断してあげてください。
