ベンチプレスで筋トレをする時には、どのくらいの重さを何回くらい挙げれば良いのか、またどのくらいの重さのバーベルを何回くらい挙げれば良いのか、わからないという人も多いと思います。
筋トレの基礎的な種目であるベンチプレスのRM換算表やセット数などをまとめました。これを読めば、効率よくベンチプレスの筋トレができて、筋肉を大きくすることができるはずです。
ベンチプレスとは?
ベンチプレスを効率よく筋トレするためのRM換算表やRM法におけるセット数を考える前に、まずはベンチプレスとは、どんな筋トレ方法なのかを確認しておきましょう。
ベンチプレスとは、ずばりこの筋トレ方法です。
ベンチの上に仰向けに寝て、バーベルを胸の上から押し挙げて、胸の上に戻すという筋トレ方法ですね。
このベンチプレスは、主に上半身を鍛えることができる筋トレ方法です。特に、次の3つの筋肉を鍛えることができます。
・三角筋前部
・上腕三頭筋
ベンチプレスはこれらの筋肉を一気に鍛えることができるので、人気が高い筋トレ方法になっています。またパワーリフティングの競技として、このベンチプレスに取り組む人もいますね。
現在の日本記録保持者は、藤本竜希選手。弱冠16歳で370kgという日本記録を打ち立てました。
出典:twitter.com
ちなみに、日本人男性のベンチプレスの平均は40kg程度と言われています。平均40kgのところを370kgも持ち挙げるのなんて、いかにすごいかがわかりますね。
ベンチプレスの筋トレはRM換算表が必須!
筋トレでベンチプレスを行う時には、どのくらいの重さを何回くらいやると、筋トレ効果が高くなるのか、いまいちわかりませんよね。適当な重さのバーベルを適当な回数挙げても、効果的な筋トレはできません。
せっかく筋トレをしているのに、効果が出なかったら、時間と労力の無駄になってしまいます。
筋トレ効果が高くするためには、RM換算表を正しく理解して、それを利用してベンチプレスをしていく必要があるのです。
RM換算表とは?
RM換算表とは、繰り返し行える最大回数を表にしたものです。RMとは「Repetition Maximum」の頭文字をとったものですね。MAX換算表やMAX重量早見表とも言われます。
例えば、ベンチプレスで3RMとはギリギリ3回バーベルを挙げられるけれど、4回は挙げられないということになります。5RMとは、5回バーベルを挙げられるけれど、6回は挙げられない重さのことです。
筋トレをして筋肉を大きくするためには、いかに筋肉に負荷をかけるかが重要になります。RM換算表は、筋肉に限界まで負荷をかけて、効率よく筋トレを行うためのものなのです。
RMは次の式で計算することができます。
つまり、40kgのバーベルを8回挙げるのが限界という場合の1RMは、40kg÷40×8+40kgですから、1RM=48kgとなります。
ベンチプレスのRM換算表
では、実際にベンチプレスのRM換算表をご紹介します。単位は全てkgです。
1RM | 2RM | 4RM | 6RM | 8RM | 10RM | 12RM | 15RM |
10 | 10 | 9 | 9 | 8 | 8 | 7 | 7 |
20 | 19 | 18 | 17 | 16 | 15 | 13 | 13 |
30 | 29 | 27 | 26 | 24 | 23 | 20 | 20 |
40 | 38 | 36 | 34 | 32 | 30 | 27 | 26 |
50 | 48 | 45 | 43 | 40 | 38 | 34 | 33 |
60 | 57 | 54 | 51 | 48 | 45 | 40 | 39 |
70 | 67 | 63 | 60 | 56 | 53 | 47 | 46 |
80 | 76 | 72 | 68 | 64 | 60 | 54 | 52 |
90 | 86 | 81 | 77 | 72 | 68 | 60 | 59 |
100 | 95 | 90 | 85 | 80 | 75 | 67 | 65 |
110 | 105 | 99 | 94 | 88 | 83 | 74 | 72 |
120 | 114 | 108 | 102 | 96 | 90 | 80 | 78 |
130 | 124 | 117 | 111 | 104 | 98 | 87 | 85 |
ベンチプレスで10kgのバーベルを1回しか上げられないという人は、8kgのベンチプレスは8~10回挙げると限界になるというkとです。
75kgのバーベルを10回挙げられる人は、最大100kgのバーベルを挙げるだけの筋力があるということになりますね。
これはあくまで理論上のものなので、すべてこの数値通りにいくとは限りませんが、これを目安にすると、自分の限界回数がわかるので、効率よく筋肉に負荷をかけることができるのです。
ベンチプレスで初心者の女性が挙げられる重さは平均で20kgとされています。つまり、初心者の女性は、1RMが20kgということになります。
RM法の回数は目的によって使い分けよう
RM換算表の意味が分かったところで、次はRMの使い分けについてです。RM法は目的によって使い分ける必要があります。
ベンチプレスの目的は、主に次の3つがあります。
・筋肥大
・持久力アップ
この目的の違いによって、RMは使い分けるべきなのです。
■ベンチプレスの目的=筋力アップ
ベンチプレスの目的が筋力アップの人は、1~3RMで筋トレをすべきです。少しでも重いベンチプレスを持ち挙げたいと思っている人、ベンチプレスを競技としてやっている人は、1~3RMで筋肉に負荷をかけましょう。つまり、重さは重く、回数は少なくする筋トレ方法ですね。
最大筋力の90%以上を使うような感覚で、1回の負荷を大きくして、回数を少なく筋トレすることで、筋肉に刺激を与えて、筋力をアップさせることができます。
1~3RMは筋肉だけでなく運動神経にも刺激を与えることができるので、脳からの刺激をきちんと筋肉に伝えることができ、瞬発力が養われ、一気に最大の力を発揮することができるのです。
■ベンチプレスの目的=筋肥大
ベンチプレスを筋肥大、つまり筋肉を大きくしたいから行っている人は、8RM~12RMで筋トレを行いましょう。つまり、最大筋力の70~80%で筋トレをするイメージですね。
この程度の負荷を筋肉に与えることで、筋肉は大きくなります。もちろん、筋肉が大きくなるだけでなく、筋力もアップします。ただ、8~12RMくらいが、筋肥大のためには、適した筋トレの負荷になるのです。
1RMが20kgの女性が胸の筋肉をつけたい場合は、ベンチプレスを13~15kgの重さで8~12回行うようにすると良いでしょう。
■ベンチプレスの目的=筋持久力アップ
ベンチプレスを筋持久力アップの目的で行う場合には、15~20RMの負荷でベンチプレスを行ってください。最大筋力の65%以下が目安です。
筋持久力アップのためには、1回の負荷を小さくして、回数を増やしたほうが効果的です。有酸素運動のようなものですね。
ただ、あまり回数を増やしてしまうと、自重トレーニングと同じになり、わざわざバーベルを使ってトレーニングをする意味がありませんから、最大筋力の60~65%程度の負荷をかけてベンチプレスを行うようにしましょう。
RM法でのセット数はどうする?
RM換算表の意味やRM法での使い分けがわかったところで、もう1つ疑問が出てくるのではないでしょうか?そうです。「セット数はどうするの?」という疑問です。
目的別のベンチプレスの重量と回数がRM法で分かったとしても、セット数がわかりませんよね。
オーストラリアのウェスタン・シドニー大学の研究によると、セット数は多くしたほうが筋トレの効果は大きいことがわかっています。
ただ、セット数を多くすればするほど、筋トレ効果の伸び率は悪くなるのです。セット数を多くすれば、それだけ筋トレ効果は出ますが、コスパが悪いということです。
頑張っても、それだけの筋トレ効果を得られるわけではないということですね。
だから、短期間でとにかく筋トレ効果を出したいという人や、暇で暇で仕方がないから、筋トレする時間はたっぷりあるという人ならともかく、一般的な人が筋トレをする時のセット数は、3セット、多くても5セット行えば十分でしょう。
インターバルは5分程度とります。例えば、筋肥大のために1RMが40kgの人が8RM(32kg)を行う時には、次のような流れでベンチプレスを行います。
<ベンチプレスの筋トレの1例>
ベンチプレス32kg×8回
↓インターバル5分
ベンチプレス32kg×8回
↓インターバル5分
ベンチプレス32kg×8回
ベンチプレスのRM換算表についてのまとめは・・・
「筋力アップ」「筋肥大」「筋持久力アップ」
・ベンチプレスの目的別の目標
「ベンチプレスで筋力アップ:1~3RMを目標」「ベンチプレスで筋肥大:8~12RMが目標」「ベンチプレスで筋持久力アップ:15~20RMが目標」
・ベンチプレスの筋トレセット数は、3セットか多くても5セット行う
ベンチプレスのRM換算表やRM法の使い分け、RM法でのセット数をまとめました。効率よく筋トレをするためには、RM法を用いて、目的別に回数を変えつつも、限界まで筋肉を追い込む必要があります。
初心者男性の1RMは40kg、女性の1RMは20kg程度であることを認識して、少しずつ筋トレしていきましょう。