痩せているのに、体脂肪率は高いという人はいませんか?そんなあなたは隠れ肥満かもしれません。
隠れ肥満とは何か、隠れ肥満に多い内臓脂肪型の肥満の特徴、隠れ肥満の改善方法をまとめました。一見痩せているからといって、肥満ではないとは限らないのです。
隠れ肥満とは?
隠れ肥満とは、一見痩せているように見えるのに、実は太っている人のことです。「一見痩せているのに、実は太っている。」。なんだかよくわかりませんよね。
では、「太っている」という基準から考えてみましょう。太っているって、何を基準にして決めるのでしょうか?太っといるという基準は、3つあると思います。
・見た目が太っている
・体重が重い=BMI値
・脂肪が多い=体脂肪率
この3つの基準の中で、隠れ肥満は体脂肪率によって、太っていると判定される肥満です。つまり、見た目は痩せているし、体重もそこまで重いわけじゃない。でも、体脂肪が多い。これが、隠れ肥満です。
隠れ肥満は、とにかく脂肪が多いんです。BMI値が標準体重の25未満なのに、体脂肪率が男性で20%、女性で30%以上の場合は、「隠れ肥満」に分類されます。
BMIは18.5~25未満が標準体重です。25以上が肥満ですね。そして、体脂肪率の標準の目安は男性で10~19%、女性は20~29%です。
体重は標準体重内で、決して重いわけではない。でも、体脂肪率は多めであるということは、体内に脂肪が蓄積されていて、しかも筋肉量が少ないということになります。
筋肉は脂肪よりも重いことは、皆さんご存知だと思います。隠れ肥満の人は筋肉量が少なくて、脂肪が多いので、体重がそれほど重くないだけで、肥満は肥満なんです。
隠れ肥満に多い内臓脂肪型肥満の特徴
肥満には、2種類のタイプがあります。皮下脂肪型肥満と内臓脂肪型肥満ですね。
皮下脂肪型の肥満は、筋肉の上に脂肪がつくタイプの肥満です。腕や脚、お腹周り、お尻など全身に脂肪がつくのが特徴です。「洋ナシ型の肥満」と言われるのが、この皮下脂肪型肥満ですね。
一方、内臓脂肪型肥満は、内臓に脂肪がこびりつくタイプの肥満で、お腹がポッコリ出てくる肥満になります。これは、「リンゴ型肥満」と言われるタイプの肥満です。
隠れ肥満は内臓脂肪型肥満に多いという特徴があります。内臓脂肪型肥満は、内臓を中心に脂肪がつくので、手足にはそこまで脂肪がつかないため、見た目にはそこまで太っていると思えないことが多いんです。
内臓脂肪型肥満には、2つの特徴があります。
・生活習慣病になりやすい
・皮下脂肪よりも落としやすい
内臓脂肪型肥満は、生活習慣病の原因になりやすいと言われている肥満です。内臓脂肪型の肥満は、糖尿病や高血圧、脂質異常症、動脈硬化などの原因になることが多いんです。
内臓脂肪が増えると、血液中の中性脂肪が増えたり、脂肪細胞から悪玉のアディポサイトカインが増えてしまいます。
悪玉のアディポサイトカインの中には、血糖値を上昇させたり、血圧を上げたり、動脈硬化を促進させるものがありますので、生活習慣病になりやすいんです。
メタボリックシンドロームの基準に腹囲が入っているのは、内臓脂肪型肥満が生活習慣病に結び付きやすく、腹囲を測ることで、内臓脂肪型肥満かどうかがある程度分かるからです。
内臓脂肪型肥満のもう1つの特徴は、皮下脂肪型よりも脂肪を落としやすいことです。内臓脂肪は皮下脂肪よりも、エネルギーとして使われやすいんです。「体内のエネルギーをもっと必要だ」となった時に、使われるのが内臓脂肪で、皮下脂肪よりも優先度が高いんですね。
だから、皮下脂肪よりも内臓脂肪の方が、脂肪を落としやすいのです。
隠れ肥満の改善方法
隠れ肥満の改善方法は、食事と運動、睡眠の3つからアプローチしていきましょう。食事と運動、睡眠の3つからアプローチすれば、ダイエット効果が高まりますので、隠れ肥満を改善できるのです。
食事で隠れ肥満を解消
食事で隠れ肥満を解消するには、過激な食事制限は絶対にNGです。厳しい食事制限をしてしまうと、必ずリバウンドをします。リバウンドをすると、内臓脂肪がついて、隠れ肥満がさらに悪化していまいますので、厳しい食事制限はすべきではないのです。
基礎代謝分のエネルギーは、必ず食事から摂取しましょう。
肥満の改善には、1日マイナス240kcal(食事160kcal、運動80kcal)を目指すといいとされています。これは、1カ月続ければ体重を1kg減らせるカロリー量です。
食事は1日160kcal分だけ減らすようにしてください。大体、コンビニのおにぎり1個分のカロリーです。このくらいなら、長期間続けても、ストレスを感じないのではないでしょうか。
それ以外に、次のような栄養素や食材を食べると良いでしょう。
・食物繊維
・豚肉
・青魚
・コーヒー
食物繊維は、腸内で脂肪が吸収されるのを抑制する効果がありますので、隠れ肥満を解消するには、絶対に摂取したい栄養素です。
また、食物繊維は便秘を解消してくれます。便秘が解消すると、基礎代謝が上がりますので、痩せやすい体質になるんです。また、食物繊維は、水分を含んで膨張しますので、満腹感を得やすく、ダイエットを助けてくれる働きもあります。
食物線維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類がありますが、便秘を解消するためには、この2種類のどちらも必要になりますので、野菜やキノコ類、海藻類、豆類など幅広い食材から食物繊維を摂取するようにしてください。
豚肉は、脂肪を燃焼させる栄養素をたっぷり含んでいる食材です。
・ポークペプチド
・カルニチン
・ビタミンB群
ポークペプチドは血中のコレステロールを低下させて、脂肪酸を燃焼する作用がありますので、内臓脂肪を燃焼してくれるんです。カルニチンも内臓脂肪の燃焼を助ける作用があります。
さらに、ビタミンB群は糖質・たんぱく質・脂質をエネルギー変えて代謝を促してくれますので、内臓脂肪を減らす効果があります。
青魚にはEPAという不飽和脂肪酸が含まれています。EPAは血液をサラサラにする作用があるだけでなく、GLP-1という脂肪の燃焼するホルモンの分泌を促してくれるんです。
コーヒーは運動する前に飲んでおきたいですね。コーヒーにはカフェインとポリフェノール(クロロゲン酸)が含まれていますが、どちらも脂肪細胞の代謝を促進しますので、内臓脂肪を燃焼してくれるんです。
運動
隠れ肥満を解消するためには、運動も必要です。内臓脂肪を燃焼されるためには、有酸素運動が効果的です。有酸素運動がダイエットに良いのは、皆さん知っていますよね。
有酸素運動には、次のようなものがあります。
・ジョギング
・ウォーキング
・サイクリング
・水泳
有酸素運動をすると、脂肪が燃焼していくので、隠れ肥満を簡単に解消することができるのです。脂肪を燃焼させるには、有酸素運動を20分以上続けて行わなくてはいけないと言われていますが、実はそんなことはないのです。
もちろん、20分以上続けたほうが脂肪の燃焼量が多くなりますが、5分だって脂肪を燃焼することは可能です。
毎日20分の運動は無理でも、5分だけなら続けられますよね。また、日常生活内で意識的に動くようにするだけでも、隠れ肥満を解消することはできます。
たとえば、駅ではエスカレーターではなく階段を使う、通勤時は少し遠回りをして歩く、家の掃除を気合い入れてやるなど、日常生活の中でできることを行うだけでも、少しずつ脂肪を燃焼させることができます。
1週間だけ頑張って長時間の有酸素運動をするよりも、1日5分だけでも有酸素運動をして、そのほか日常生活内でできることを長期間続けたほうが、隠れ肥満を確実に解消することができるでしょう。
睡眠
隠れ肥満を解消するためには、質の高い睡眠を取るようにしましょう。あなたは、きちんと睡眠時間を確保していますか?グッスリ眠っていますか?
睡眠不足になると、レプチンの分泌が少なくなり、グレリンの分泌が多くなるんです。レプチンは食欲を抑制させ、代謝を亢進する作用があり、グレリンは食欲を増進して、代謝を低下させる作用があります。そのため、睡眠不足になると太りやすくなってしまうんです。
また、質の高い睡眠を取ると、スッキリとストレス解消になりますよね。ストレスが溜まると、ストレスでドカ食いをしてしまうことがありますので、質の高い睡眠を取ることを心がけてください。
・早寝早起き
・寝る前にリラックスタイムを作る
・寝具は自分の体に合ったものを選ぶ
・寝る前のスマホやテレビは控える
夜更かしは睡眠の質を下げてしまいますから、早寝早起きの習慣をつけるようにしてください。
隠れ肥満についてのまとめ
「洋ナシ型肥満」「リンゴ型肥満」「生活習慣病になりやすい」「皮下脂肪よりも落としやすい」
・隠れ肥満の改善方法
「食事で隠れ肥満を解消」「運動をする」「睡眠をとる」
隠れ肥満に多い内臓脂肪型の特徴や隠れ肥満の改善方法をまとめました。隠れ肥満は見た目や体重からは、肥満であるとはわからないのですが、生活習慣病を発症する可能性が高いので、早めに改善するようにしましょう。
隠れ肥満は食事と運動、睡眠の3つからアプローチしましょう。また無理なダイエットをするのではなく、ゆっくり無理のない範囲でダイエットすると、隠れ肥満を改善できますよ!