肥満に悩んでいる人、いつもダイエットに失敗してしまう人は、肥満外来に通ってダイエットをすると、ダイエットに成功するかもしれません。
肥満外来についての基礎知識や肥満外来でダイエットをするメリット、治療薬、費用などをまとめました。本気でダイエットをしたい人は必見です。
この記事の目次
肥満外来とは何?
肥満外来とは、医療機関が医学的な知識や薬剤などを用いて、無理なく健康的にダイエットできるように治療をするために開設した外来です。
肥満外来では、専門的な知識を持った医師や看護師、薬剤師があなたのダイエットのサポートをしてくれるので、自分でダイエットをするよりも確実に痩せることができますし、エステなどでダイエットをするよりも、医学や薬学の知識を集結している分、きれいに健康的に痩せることができるのです。
近年は、やせ型が多いといわれている日本人も、肥満の人の割合が増え、それが生活習慣病に結びついていることから、肥満が社会問題になっています。
このような社会背景を受けて、肥満外来を開設する病院やクリニックが増えてきています。
肥満外来を開設しているのは、大学病院のような大きな総合病院もありますし、個人病院やクリニックもあります。
また、肥満外来の特徴は、保険診療で診療するところと自由診療で診療するところがあることです。
肥満外来の保険診療と自由診療の違い
肥満外来では保険診療の治療と自由診療の治療があります。それぞれ、どのような違いがあるのかを比べてみました。
■保険診療の肥満外来
保険診療の肥満外来は、受診できる人が限られています。保険診療の肥満外来を受診できるのは、肥満によって健康を害していることが明らかであるパターンの場合です。
ただ単に、「ちょっとぽっちゃり気味だから痩せたい」というだけでは、保険が適用にならないのです。
肥満外来で保険適用になるケースは、医師が「治療が必要な肥満」と認めた場合ですが、おおよその基準は、次の通りです。
・肥満以外にも糖尿病や高血圧などがあり、メタボリックシンドロームと診断された場合
・肥満が原因で睡眠時無呼吸症候群になっている場合
・肥満によって腰痛や膝痛がある場合
このような人は、保険適用で肥満外来での治療を受けることができます。
保険診療の場合、費用は3割の自己負担で済みますが、保険適用外の薬は使えないことになります。
■自由診療の肥満外来
自由診療の肥満外来は、ダイエットをしたい人、痩せたい人なら、基本的に誰でも受診できて、治療を受けることができます。
ただ、自由診療の場合、治療にかかる費用は全額自己負担になります。ただ、海外では認可されているけれど、日本では認可されていないような薬でも、処方してもらうことができるメリットがあります。
肥満外来でのダイエット治療方法
肥満外来では、どのようなダイエットを行うのでしょうか?肥満外来でのダイエット治療の方法をご紹介します。
全身状態の検査
まずは、全身状態の検査を行います。身長や体重、腹囲、採血以外にも、尿検査や心電図、運動負荷心肺機能検査などの検査を一通り行い、健康状態を調べます。肥満外来によっては、肥満遺伝子などの遺伝子検査を行うこともあります。
全身状態の検査を行い、肥満によって健康に影響が出ていないかを調べ、どのようなダイエットがその人に合っているのか、どのような治療が必要かを検討していきます。
運動処方
肥満外来では運動処方を行います。日常生活内でどのような運動をすると、効果的に痩せることができるのかなどを考慮した運動メニューを医師が処方してくれます。
体重や心電図、心肺機能を検査して、その人の運動能力を考慮していますで、無理なく運動を続けていくことができる処方内容になっています。
栄養指導
肥満外来は栄養指導も行います。ダイエットのためには、どのくらいのカロリーを摂取して、どのような栄養を取ればよいのかを具体的なメニューと共に提案してくれます。
ついつい食べ過ぎてしまうという人は、この栄養指導に沿った食生活を送ると、自然にダイエットをすることができるのです。
行動修正療法
肥満の人は、その生活習慣の中に肥満の原因が潜んでいます。例えば、次のようなものです。
・ダラダラ食べてしまう
・お腹いっぱいになっても食べてしまう
・運動をする習慣が全くない
・空腹時にスーパーやコンビニに行って、大量に食材を購入してしまう
・ストレス解消方法はドカ食い
このような生活習慣は肥満の原因になりますので、どうすればこのような行動を修正できるのかを医師と考えながら、日常生活習慣を修正し、肥満の原因を消していく治療方法です。
薬やサプリメント
肥満外来では、薬やサプリメントを使って治療を行うこともあります。食欲を抑える薬や脂質の吸収を抑える薬、体脂肪を燃焼させやすくするサプリメントなどを用いて、ダイエットを支援するのです。
肥満外来でダイエットをする4つの効果・メリット
肥満外来でダイエットをすると、どのようなメリットがあるのでしょうか?自分でダイエットをするのではなく、肥満外来でダイエットをするメリットを4つまとめました。
健康的に痩せることができる
肥満外来でダイエットをするメリットの1つ目は、健康的に痩せられることです。肥満外来では医学的な理論に基づいたダイエットを行いますので、体重を一気に落としすぎることはありません。
健康になることを目標にして、ダイエットをしていきます。そのため、自分でダイエットをした時のように、肌がボロボロになったり、倦怠感が出たりなどの体調不良がなくダイエットをすることができるのです。
肥満外来でダイエットをすると、ダイエットをしながら健康になることができるのです。
ダイエット薬を使うことができる
肥満外来でダイエットをすると、薬を使ってダイエットができます。自分でダイエットをすると、ダイエットをサポートするためのサプリメントを使うことはできますが、医薬品を使うことはできませんよね。
肥満外来では、ダイエットの薬を医師が処方してくれますので、より効率よく楽に痩せることができるのです。
保険診療の肥満外来では保険適用薬しか処方されませんが、自由診療なら海外でよく使われているダイエット薬を処方してもらうことができます。
薬に頼りすぎるのは良いことではありませんが、つらい食事制限と運動だけでダイエットをしようとすると、どうしても挫折してしまうことがありますので、ダイエットの効率を上げる目的でダイエット薬を使うと、楽にダイエットを成功させることができますよね。
リバウンドしにくい生活習慣に変えることができる
肥満外来でダイエットをすると、リバウンドしにくくなります。肥満外来では行動修正療法で、肥満の原因となる生活習慣を変えることができます。
そのため、ダイエットを終えた後でも、リバウンドしにくいですし、再び肥満になるリスクが低くなるのです。
ダイエット後はいつもリバウンドしてしまうという人は、肥満外来でダイエットをすると、もうリバウンドに悩むことはなく、スリムな体を維持することができるでしょう。
そもそも、肥満外来では、リバウンドするほどのスピードでダイエットせずに、無理なくダイエットをしていきますので、リバウンドしにくいのです。
お金がかかる分、本気でダイエットできる
肥満外来では治療費用がかかります。人間はお金を出すと「損をしたくない」とか「もったいない」という意識が働きますので、本気でダイエットができます。
ダイエットが辛いなぁとかもう止めたいなぁと思っても、「でも、治療費、高かったし」とか「ここでダイエットをやめてしまったら、お金がもったいない!」と思ったら、またダイエットを頑張れるようになります。
無料でダイエットをするよりも、お金をかけたほうが、本気でダイエットができますし、ダイエットを途中で挫折することもないのです。
肥満外来で使う薬
肥満外来では、薬を使ってダイエットをすることができます。これが、肥満外来の一番の特徴と言えるかもしれません。
肥満外来で使う主な薬を紹介していきます。
サノレックス
サノレックスは、保険診療でも用いられる薬です。食欲を抑えて、カロリー摂取をコントロールしやすくなります。また、代謝をアップして、消費エネルギーを増加させる効果もあります。
保険診療でサノレックスを処方されるのは、高度肥満の人だけになります。
ゼニカル
ゼニカルは海外では承認されている国もあるものの、日本では未承認のダイエット薬です。ゼニカルの主成分であるオルリスタットは、脂質の吸収を阻害する作用を持っています。
そのため、ゼニカルを服用すると、炭水化物とタンパク質は通常通りに吸収されるのですが、脂質は約30%が吸収されず、便と一緒に体外へ排出されるようになります。
炭水化物とタンパク質は1g=4kcalですが、脂質は1g=9kcalとなっていますので、脂質の吸収を阻害すると、摂取カロリーを大幅にダウンさせることができるのです。
ゼニカルは日本未承認の薬ですので、保険診療のの肥満外来では処方してもらえず、自由診療の肥満外来でのみ処方してもらうことができます。
漢方薬
肥満外来で使う薬には漢方薬もあります。肥満外来で処方される漢方薬には、次のようなものがあります。
・防已黄耆湯=水太りの人向け
漢方薬はすぐにダイエット効果が現れることはありませんが、痩せやすい体質に少しずつ変わっていきますので、ダイエットの効率が上がったり、リバウンドしにくくなるという効果があります。
サプリメント
肥満外来で使う薬の最後は、サプリメントです。自由診療の肥満外来では、脂肪の燃焼を促進したり、食欲を抑制する作用があるサプリメントを処方することがあります。
肥満外来でのダイエットでかかる費用
肥満外来でダイエットする場合は、お金がかかります。病院を受診するのですから、お金がかかるのは当然のことですよね。
肥満外来での費用の目安を保険診療のケースと自由診療のケースでご紹介します。
保険診療の場合
保険診療の場合は、自己負担金は3割ですし、細かい診療報酬は厚生労働省が決めていますので、そこまで費用が高額になることはありません。
初診の場合は運動処方と栄養指導料に加えて、初診料や検査費用が掛かりますので、1万円前後かかりますが、2回目以降は運動処方と栄養指導料で1回4000~5000円程度になります。
基本的には1ヶ月に1回の受診になりますので、1ヶ月5000円程度とみておけばよいでしょう。もし、サノレックスを処方される場合はもう少し高くなります。
自由診療の場合
自由診療の場合は、肥満外来の費用は全額自己負担になりますし、診療報酬はクリニックごとに設定できますので、費用は高額になります。
検査料や運動処方、栄養指導、薬の処方やサプリメントの処方をされると、3ヶ月プログラムで15~30万円が目安になるようです。
ただ、自由診療は診療費用をクリニックごとに決めることができますので、肥満外来によって費用は大きく異なります。
自由診療の肥満外来に通う場合は、何か所か回ってみて、見積もりをもらって比較すると良いと思います。
肥満外来の治療内容とメリット・薬と費用についてのまとめは・・・
「肥満によって糖尿病や睡眠時無呼吸症候群など健康を害しているかどうか」
・自由診療の肥満外来の場合は、ダイエットをしたい人なら誰でも可能。治療費は全額負担になる
・肥満外来のダイエット治療方法
「全身の検査をした後に運動処方や栄養指導」「行動修正療法」「薬やサプリメントなどが用いられる」
・肥満外来のダイエットの効果
「健康的に痩せられてダイエット薬での効率化」「リバウンドしにくい生活習慣に変えることができる」
・肥満外来で使う薬
「サノレックス」「ゼニカル」「漢方薬」「サプリメント」
・肥満外来でかかる費用
「保険診療の場合は1ヶ月5000円」「自由診療の場合は、3ヶ月プログラムで15~30万円が目安」
肥満外来の治療内容やメリット、処方される薬、費用などをまとめました。本気で痩せたい人は、肥満外来に通ってみると良いでしょう。
健康に悪影響が出ているほどの肥満の人は、保険診療の肥満外来を選ぶと良いですが、そこまで太っていないけれど確実に痩せたい人は自由診療の肥満外来を選ぶようにしましょう。