クエン酸を正しく活用することで健康効果やダイエット効果が期待できます。
今回はクエン酸の効果8つ、過剰摂取によるダイエットへの逆効果、正しい摂取方法、食事や運動での摂取タイミング、クエン酸レシピ6選を紹介します。
この記事の目次
クエン酸ダイエットとは?
クエン酸ダイエットというダイエット方法を聞かれたことはおありでしょうか?
このダイエットは、その名の通り、クエン酸を摂取することでダイエット効果を得ることが出来る、というものです。
食事のときや、運動の前後にクエン酸を摂取することで、クエン酸のダイエット効果を実感できるようです。
クエン酸は、糖質を原料としてエネルギーを生み出すために必要な成分です。
糖質をエネルギーに変換するという働きには、細胞質で行われる解糖系か、細胞内のミトコンドリアで行われるクエン酸回路という2種類の方法があります。
クエン酸ダイエットは、この後者のクエン酸回路をより強力にして、糖質が脂肪として蓄積されるのではなく、効率的にエネルギーとして使用されるよう働きかけるのです。
クエン酸とは?
クエン酸とはいったい何なのでしょうか?
クエン酸とは果物の柑橘類、レモンやオレンジ、みかんなどに含まれている有機化合物のことです。
ヒドロキシ酸のひとつです。
クエン酸は、主に「すっぱい」と感じるものに含まれています。
クエン酸を人工的に作ることも可能です。
デンプンを発酵させてクエン酸を作ることもできます。
柑橘類以外にも梅干しのようなすっぱい食品にも豊富に含まれています。
ほとんどの場合、人は食事からクエン酸を摂取していますが、クエン酸ダイエットなど、クエン酸を意識的に摂取しようとする人たちはサプリメントを有効活用しているようです。
クエン酸サイクルとは?
クエン酸サイクル、という言葉をお聞きになったことはおありでしょうか?
先ほど糖質をエネルギー変換する際の一つの方法が、クエン酸回路である、と書きましたが、このことをクエン酸サイクルとも呼びます。
エネルギーを作り出すときに起こる体内燃焼システムの事を指しています。
このクエン酸サイクルは、イギリスの生化学者であるハンス・アドルフ・クレブス博士が発見し1953年にノーベル医学生理学賞を受賞しています。
クエン酸サイクルについては年々発見が増し加えられていますが、クエン酸サイクルが生命の維持に不可欠なものである、という認識は変わってはいません。
クエン酸サイクルとは詳しく説明すると以下のようなものです。
グルコースや脂肪酸などのアミノ酸
↓
アセチル-CoA or 中間体
↓
クエン酸
↓
アコニット酸
↓
イソクエン酸
このサイクルを巡って、またクエン酸にたどり着くというものです。
この過程の中で量が徐々に減っていき、エネルギーに変わったり水分として燃えていくことになるようです。
この回路が効率よく回ることによって、乳酸やピルビン酸なども同時に燃えていき、体にとって非常に良い状態が保たれるということになります。
クエン酸のダイエットや健康への効果8つ!
クエン酸はダイエット効果をもたらすようですが、どのような働きをしてくれるのでしょうか?
クエン酸がダイエットや健康にもたらす様々な良い効果についてご紹介していきたいと思います。
ここでは8つの具体的なクエン酸効果について解説いたします。
①エネルギー産生の効果
クエン酸にはエネルギーを生み出すという効果があります。
人間の体は約60兆個の細胞からできているといわれています。
その細胞一つ一つの中でクエン酸回路を使ってエネルギーが生み出されています。
エネルギー代謝回路が正常に回らなければ生きていくためのエネルギーを得ることができません。
クエン酸はクエン酸回路の中で生成されるものですから、摂取しなければ不足してしまうということはありません。
しかし、クエン酸を生み出しているクエン酸回路そのものの働きが低下するということはあり得ます。
クエン酸回路が正常に動かなくなると、エネルギーが作り出せなくなり、糖質や資質がエネルギーとならず、蓄積されていくことになります。
クエン酸を摂取すればクエン酸回路を活性化させることができます。
エネルギー生成の効率を上げることができるのです。
②ダイエット効果
クエン酸ダイエットで最も大切なクエン酸効果はダイエット効果です。
クエン酸を摂取することによってエネルギー代謝の経路であるクエン酸回路を活性化させ、摂取した資質や糖質を効率よくエネルギーとして使用できるようになります。
クエン酸をしっかり摂取してその働きを向上させることにより、代謝がよくなり、ダイエットに成功しやすい体質づくりにもなることでしょう。
ただし、クエン酸をただ摂取しておけばダイエットになる、というわけではありません。
栄養バランスのとれた食事や適度な運動を組み合わせることによって、クエン酸の働きを最大限活かしてしてダイエット効果を期待できるようになるのです。
③食欲増進効果
クエン酸には食欲増進効果もあります。
夏バテして食欲がない時に梅干を食べるとよい、という話を聞いたことはおありでしょうか。
それは梅干しに含まれているクエン酸の働きによる食欲増進効果が期待できるからでしょう。
クエン酸は、その酸味によって唾液や胃液の分泌を促進させることができます。
食事をきちんと摂ることができなければ、栄養不足の状態となり、疲れやすくなります。
なかなか疲労が取れない体になってしまいます。
ですから、クエン酸を摂取して必要な栄養素を食事からとることは必要です。
夏場は夏バテ予防にすっぱいものがたくさん販売されるのは、このためでしょう。
④疲労回復効果
クエン酸には疲労回復効果もあります。
人の体は疲労がたまると酸性に傾くようになっています。
そのため体内のクエン酸回路が正常に働かなくなるようです。
結果、ブドウ糖が分解された後の焦性ブドウ糖や乳酸が体内にたまってしまい、余計に疲労感が増します。
しかし、クエン酸を摂取することでクエン酸回路を活性化させることができるので、乳酸や焦性ブドウ糖や乳酸などの物質が減少されます。
また、このサイクルによってエネルギーが生み出されると同時に老廃物を体外に排出するという働きもあります。
そのため、体内環境が改善され疲労が回復します。
⑤筋肉痛の防止効果
筋肉痛を防止するという効果もクエン酸にはあります。
疲労物質である乳酸がたまることによって、筋肉痛が引き起こされ長引くということがあります。
クエン酸回路が正常に働かないと焦性ブドウ糖が蓄積され、その一部が乳酸に変化します。
ですから、クエン酸を外から摂取して、この回路を正常な状態に戻すことで、乳酸の蓄積を未然に防ぐことができるのです。
そのため、筋トレや運動前にクエン酸を摂取することが進められています。
疲労感や筋肉痛を防止することができるからです。
この効果がうまく働くと、運動を継続することができ、体への負担が軽減されるため、ダイエット成功にもつながる、と考えられます。
⑥痛風に対する効果
クエン酸は痛風に対する効果もあります。
痛風は尿酸が蓄積されてしまい、うまく代謝が働かないので起こってしまう症状です。
尿酸は本来尿とともに排泄されるべきものですが、尿に溶け込むことができず体内に残ってしまうと、関節が激しく痛むようになります。
しかし、尿が弱酸性を保っていれば、尿酸が溶け込みやすくなるので排泄がスムーズにできます。
クエン酸には尿を弱酸性に変えるという働きがあります。
痛風を防いだり、痛風の痛みを和らげる効果があるといわれています。
⑦ミネラルの吸収を促進する効果
ミネラルはなかなか体内に吸収されづらい成分ですが、クエン酸によってミネラルの吸収を促進することができるといわれています。
クエン酸はミネラルを包み込もうとするため、ミネラルの吸収を高めることができるのです。
これは「かにのはさみ」という意味の「キレート」効果とも呼ばれています。
クエン酸がカニのはさみのようにミネラルを挟んで包み込むということです。
そのため、ミネラル系のサプリメントにはクエン酸が配合されていることがほとんどです。
⑧ビタミンB群の吸収促進効果
クエン酸はビタミンB群の吸収率を高めるという効果もあります。
クエン酸をビタミンB群とともに摂取することで、相乗効果を期待できます。
ビタミンとクエン酸両方の働きにより、エネルギー生成効率が高まります。
クエン酸の過剰摂取はダイエットに逆効果!
クエン酸ダイエットなど効果がないという声もちらほら耳にしますね。
クエン酸ダイエットは全く意味がないのでやらないほうがいい、とすすめているものもあります。
確かにそれはある意味事実なのです。
クエン酸サイクルはミトコンドリアで行われていますが、エネルギー生産が活発になりすぎると、クエン酸が細胞質内に染み出すようになってしまいます。
その結果、エネルギー生成能力が抑制されてしまい、本来のクエン酸ダイエットの効果が失われてしまいます。
さらに、クエン酸が余ってしまうと、脂肪酸と合成されて脂肪が増えてしまう危険すらあります。
このような理由でクエン酸はダイエットに向かない、と考えられています。
確かにクエン酸だけに頼ったダイエットは、過剰摂取となり、ダイエットには逆効果になってしまうかもしれません。
正しいクエン酸摂取の方法を知っておく必要があるでしょう。
クエン酸の正しい摂取方法とタイミング!【食事、運動前後が最適】
クエン酸は過剰摂取するとダイエットとは逆の効果を出してしまう、ということがわかりました。
では、ダイエット中にクエン酸を摂取するなら、どのような点を注意すればよいのでしょうか?
3つのポイントを意識するようにしましょう。
1日の摂取量は5gが目安
クエン酸の1日の摂取量を守るようにしましょう。
大体2~5gが目安です。
ダイエット中なら運動をするでしょうから、5gしっかり摂取しても問題ないでしょう。
一度に5g摂取するのではなくて、数回に分けて、毎食時に飲むことをお勧めします。
果物や果汁100パーセントジュースなどを飲むのがおすすめです。
ビタミンや糖質と一緒に摂取することでクエン酸との相乗効果を期待できます。
有酸素運動や筋トレの後に摂取する
クエン酸には、乳酸を抑制する疲労回復効果があります。
そのため疲れにくい体を維持できます。
運動前にクエン酸を摂取することによって、運動効率を高めることができます。
いつもより長時間高強度の運動をすることができるようになるでしょう。
また、消費エネルギーを高めることもできます。
糖質をエネルギー変換する必要が常に生じていることにありますので、運動前のクエン酸摂取は非常に効果的です。
クエン酸は摂取後1時間ほどで活性化するので、運動を始める1時間前に摂取するようにするとよいでしょう。
アミノ酸と合わせて摂取する
アミノ酸と合わせてクエン酸を摂取することで、ダイエット効果を高めることができます。
体の組織のもととなっているタンパク質はアミノ酸でできています。
アミノ酸は傷ついた筋肉を修復したり増強するために働いてくれます。
クエン酸はエネルギーを効率よく生み出すことができます。
アミノ酸とともに摂取することで運動効率を高め、より多くのエネルギーを消費し、代謝をスムーズに行えるようにサポートしてくれるでしょう。
クエン酸を使ったレシピ6選【ダイエット効果あり】
クエン酸をどのように食事で摂取できるでしょうか?
クエン酸を使ったレシピをいくつかご紹介したいと思います。
簡単にできるものから一食のメインディッシュになるものまであります。
どうぞ参考になさってください。
①クエン酸炭酸水
クエン酸を飲み物で摂取するという方法が最も簡単でシンプルなものです。
重曹とクエン酸で炭酸水を作ることができます。
炭酸水のダイエット効果もありますのでとてもおすすめの方法です。
重曹もクエン酸もネットで購入することができます。
クエン酸を重曹よりもやや多めに入れることで効果を上げることができます。
ただし、購入する際には食用を選ぶように注意してくださいね。
②シソジュース
赤しそを使ってシソジュースを作るのもおすすめです。
赤しその葉を使って鍋に水を入れて煮ます。
砂糖を加えることで、よりクエン酸の効果を高めることができます。
1度に大量に作ることができますので、保存方法も確認しておくようにしましょう。
③クエン酸スポーツドリンク
運動前後にクエン酸を摂取するための、クエン酸スポーツドリンクを作るのはいかがでしょうか。
塩・砂糖・クエン酸をいれて作るというとっても簡単なスポーツドリンクです。
ただかき混ぜるだけで完成です。
④タコとトマトのマリネ
きゅうりとゆでだこ、トマトを乱切りにし、レモンのしぼり汁と酢、はちみつ、ゆず胡椒を入れて混ぜ合わせます。
冷蔵庫で30分ほど冷やして完成です。
レモンにクエン酸がたっぷり含まれていますし、疲労回復効果をたこやトマトを使ってさらに高めることができます。
⑤サーモンのグリル
輪切りにした玉ねぎと、しめじ、ブロッコリー、サーモンの切り身に、塩コショウをかけてアルミホイルに包みます。
アルミホイルの包み口が上にくるように注意して、フライパンで加熱します。
火が通ったらレモンをかけて、バジルとオリーブオイルをたらします。
玉ねぎにも疲労回復効果がありますし。ブロッコリーからは食物繊維をとることができます。
様々な栄養をいっぺんにバランスよくとることができるレシピです。
⑥ささみの塩焼き
ささみの筋を取り平たくします。
梅としそをのせてオーブンで焼きます。
焼きあがったら粉チーズをかけて出来上がりです。
梅干しからクエン酸を摂取することができますし、ささみやチーズからはタンパク質やカルシウムなどの栄養素も同時に摂取できます。
低カロリー高タンパク質のレシピですから、筋トレやダイエット効果に最適です。
クエン酸ダイエットについての総まとめ
「生きていくためのエネルギー生産をしてくれる」「ダイエット効果」「食欲増進効果」「疲労回復効果」「老廃物を体外に排出する効果」「筋肉痛を防いでくれる」「痛風に対する効果」「ビタミンB群やミネラルを吸収しやすくなる」
・クエン酸ダイエットの注意点
「クエン酸の過剰摂取は逆に太りやすくなる」
・クエン酸ダイエットのやり方
「1日の摂取量は5gが目安で数回にわける」「毎食時に飲む」「有酸素運動前や筋トレの後に摂取する」「アミノ酸と合わせて摂取すると効果アップ」
クエン酸ダイエットは危険といわれることもありますが、正しい摂取方法を守れば、エネルギー消費量を増やすことができます。
代謝がよくなればダイエットに成功しやすくなります。
おすすめしたレシピをどうぞ参考にして、クエン酸を食事でしっかり取り入れていきましょう。