日本人に馴染みのある食事といえば、和食ですよね。和食にはいくつかの種類がありますが、どれもヘルシーで痩せると話題で、ダイエットにも向いているんだとか。
今回はダイエット中におすすめの和食メニューやレシピをご紹介します。
和食とは
和食とは伝統的な日本料理のことです。魚や野菜など、素材の持ち味を生かした方法で調理しています。和食は四季や年中行事とも関わりが深く、料理や器から季節感を感じることができます。
和食はユネスコ無形文化遺産
そんな和食は世界的にも注目されています。平成25年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。ユネスコが無形文化遺産が定めた和食の定義は以下の通り!
◎和食の4つの特徴
- 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
- 栄養バランスに優れた健康的な食生活
- 自然の美しさや季節の移ろいの表現
- 正月などの年中行事との密接な関わり
引用:農林水産庁
一汁三菜が基本
和食は一汁三菜が基本となります。一汁三菜とは、ご飯・汁物・おかず2品(主菜1品、副菜2品)の献立のこと。漬物はカウントされません。
一汁三菜を守るだけで自然と栄養バランスが良くなります。毎食一汁三菜を心掛ける必要はありませんが、時間がある時は是非実践してみては?
和食の種類4つ
和食にはどんなものがあるの?代表的なものを紹介していきます。
懐石料理
懐石料理とは、茶席で出される簡易的な食事のことを言います。かって禅の修行者が寒さと空腹を紛らわすために、温めた石を懐に入れていたのが名前の由来です。
会席料理
会席料理の「会席」には寄り合いという意味があります。江戸時代に俳諧の会席で出したことが始まりとされています。現在では宴会や会食で用いられる豪華なコース料理という印象が強いですよね!
精進料理
仏教的思想から伝わった料理のこと。動物性の食材は一切使わず、野菜や豆類を工夫を凝らして調理するのが特徴です。野菜でもネギやニラなど、匂いの強い食材は使用しません。
本膳料理
室町時代に生まれて、江戸時代に発展した和食のルーツとも言える料理。日本料理の正式なお膳立てですが、現在は冠婚葬祭で用いられる程度となっています。
和食が健康に良い5つの理由
和食はヘルシーで美容や健康に良いと言われています。その具体的な理由とは?
栄養バランスが整いやすい一汁三菜
先ほども紹介したように、和食は一汁三菜が基本となっています。
◎一汁三菜の基本
- 主食(ご飯)
- 汁物
- 魚を使った主菜
- 魚や野菜を使った副菜
- 野菜や大豆を使った副々菜
現在はここまできっちりと定められていませんが、本来は上記のようなルールがありました。一汁三菜を心掛けるだけで、栄養バランスの良い食事を摂ることができます。
主食のご飯から炭水化物を、主菜から動物性タンパク質を、副菜や副々菜から植物性タンパク質・ビタミン・食物繊維を…という感じになります。
主食がお米
和食の主食はお米(ご飯)です。お米には体のエネルギー源となる炭水化物の他、ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
炭水化物には消化吸収されるもの(糖質)とされないもの(食物繊維)があります。糖質は、主として脳や体を動かすエネルギーになります。同じようにエネルギーになる脂質に比べて燃焼が早いので、体に吸収されるとすぐにエネルギーになります。
引用:農林水産省
ご飯1膳(160g)には59.36gの炭水化物が含まれています。重量の1/3以上が炭水化物ということになりますね。タンパク質は4g、脂質は0.4gと低めです。
ここで着目してほしいのが脂質の低さです。ご飯100gには脂質が0.3gしか含まれていません!同じ主食である食パンには、100gあたり約4.4gの脂質が含まれています。10倍以上の差がありますね。
同じ主食でも、低カロリー低脂質なご飯を選んだほうが太りにくく健康に良いということになります。
その他の主な栄養素は以下の通りです。
栄養素名 | 1膳あたりの栄養価 |
ビタミンB1 | 0.03mg |
ナイアシン | 0.32mg |
パントテン酸 | 0.4mg |
マグネシウム | 11.2mg |
亜鉛 | 0.96mg |
銅 | 0.16mg |
モリブデン | 48μg |
ご飯にはビタミン・ミネラルがバランス良く含まれています。
まごわやさしい
和食の良さを表現した「まごわやさしい」という言葉を知っていますか?これは和食に良く用いられる食材の頭文字を並べたもの。和食は使う食材そのもののに健康効果が高いのです。
ま=豆類
和食に欠かせない豆腐・納豆・油揚げ・高野豆腐など。植物性タンパク質やミネラル類が豊富で、美容や健康に欠かせない食材です。肉や魚と比べて低カロリー・低脂肪な食品が多いのも魅力的。
ご=ごま
ゴマはタンパク質やミネラルが豊富で、様々な美容健康効果が期待できます。また、ごまに含まれるゴマリグナンには活性酸素を除去する働きがあることが分かってきました。
化学反応が起こりやすくなった酸素。一重項酸素、過酸化水素、スーパーオキサイドアニオン、ヒドロキシルラジカルなど。体内で過度に発生すると、脂質やたんぱく質、DNAなどに影響し、老化促進などの原因になるといわれる。
引用:コトバンク
◎ごまに期待できる効果
- ダイエット効果
- 美肌効果
- 便秘解消
- アンチエイジング
- 冷え性の予防・改善 など
わ=ワカメ
低カロリーでミネラル類や食物繊維が豊富!便秘解消にもおすすめの食材です。酢や油と一緒に食べることで、栄養素を効率よく吸収できます。酢の物は理にかなっているということですね。
や=野菜
和食には野菜が多く用いられます。野菜はビタミン・ミネラル・食物繊維などが豊富で、美容や健康のために欠かせない食材です。1日350gを目標に摂取していきましょう!
さ=さかな
和食の主な動物性タンパク質は魚になります。魚はタンパク質だけでなくビタミンやミネラルも豊富!また、サバや鯵などの青魚にはEPAやDHAという良質な脂が含まれています。
し=しいたけ(きのこ類)
きのこ類はビタミン・ミネラル・食物繊維などが豊富です。低カロリーなのでたっぷり使ってもカロリーが気になりません。ダイエット中の人や便秘に悩んでいる人は、特に積極的に食べてほしい食材です。
い=イモ類
こちらも食物繊維が豊富で便秘解消効果が期待できます。カロリーや炭水化物量がやや気になりますが、上手にメニューに取り入れると栄養価がアップして食卓も華やかになりますよ。
発酵食品が多い
和食には多くの発酵食品が用いられています。例えば漬物・納豆・味噌・醤油・みりんなどが発酵食品に該当します。
発酵食品(はっこうしょくひん)とは、食材を微生物等の作用で発酵させることにより加工した食品である。冷蔵庫などの存在する以前から、保存食として、または風味を改良したり食品の硬さを柔らかくするといった目的でも行われる。
引用:wikipedia
発酵食品には乳酸菌が豊富に含まれています。乳酸菌は腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えてくれる作用があります。便秘解消はもちろん、免疫力アップや美肌効果も期待できますよ!
旨みを生かす調理法
和食は昆布やかつお節などから出汁をとり、その旨みを料理に生かすという特徴があります。しっかりと旨みを生かせば、醤油や味噌などを減らすことができ薄味に仕上げることができます。
濃い味付けで誤魔化すのではなく素材本来の旨みを生かすという調理法は世界的にも注目されています。繊細な味を楽しめるというだけでなく、塩分量を減らすことができるのも大きなメリットです。
ダイエット中におすすめの食品3つと和食メニュー3選
健康的に痩せたいなら和食が断然おすすめ!ダイエット中におすすめの食品やメニューを紹介していきます。
おすすめの食品
ダイエット中にはヘルシーで栄養価が高い食品を選びましょう。
・こんにゃく
こんにゃくは言わずと知れた低カロリー食品です。和食においても定番の食品で、煮物や炒め物などさまざまな活用方法があります。
こんにゃく100gあたりのカロリーは7kcal。カロリーに関しては全く気にする必要がなさそうですね。ただし油をたっぷりと使った調理法だと、思いの外カロリーが高くなってしまう可能性があるので注意しましょう。
こんにゃく100gあたりには9gの食物繊維が含まれています。こんにゃくに多く含まれるのは不溶性食物繊維です。
不溶性食物繊維は水分を吸収して便のカサを増やす作用があります。便秘解消に効果が期待できますが、便秘の種類や度合いによっては効果が実感できないことも…。不溶性だけでなく水溶性食物繊維もバランス良く摂りましょう。
・納豆
納豆は大豆を納豆菌で発酵させた食品です。植物性タンパク質が豊富なので、健康的に痩せるためにはおすすめの食品となります。
同じ大豆製品である豆腐や油揚げなどもおすすめなのですが、発酵食品である納豆には乳酸菌がたっぷりと含まれています。特に便秘気味の人は納豆を積極的に食べましょう。
・玄米
和食においての主食はご飯です。せっかく食べるなら、白米よりも玄米をおすすめします!
玄米とは、稲の果実である籾から籾殻を除去した状態で、また精白されていない状態の米である。
引用:wikipedia
精米(白米)は食べやすいですが、お米が本来持っている栄養素まで取り除いてしまっているのです。少し残念ですよね!
玄米は精米と比べてビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富なので、ダイエットや便秘解消に効果が期待できますよ。ただしカロリーはほとんど変わらないので、その点は注意してください。
おすすめのメニュー
いくら和食でも、揚げ物やご飯ものを食べ過ぎると肥満の原因となってしまいます。では、ダイエット中におすすめのメニューとは?
・酢の物
ワカメやきゅうりを使った酢の物は1鉢で20kcal前後と非常に低カロリーです。食物繊維やミネラルが豊富なのも魅力!お酢には疲労回復効果や内臓脂肪を減らす作用があると言われてます。食事に1品プラスしてみてはいかがでしょうか?
・汁物
味噌汁や澄まし汁などの汁物をプラスするだけで、満腹感を得やすくダイエットに効果的です。また、具材に海藻類やきのこ類をプラスするだけで簡単に栄養価をアップすることができます。
・野菜の煮物
根菜類などの野菜を使った煮物は食物繊維を摂取するのに最適です。ボリューム感があるのに、比較的低カロリーなのも魅力的!
ただし、じゃが芋やカボチャの煮物を食べ過ぎるのはNGです。また意外と調味料が高カロリーなので、少し薄味に仕上げることを心掛けましょう。
食べても痩せる!おすすめ和食レシピ3選
ダイエット中でも安心して食べられる和食レシピを紹介していきます。
まごわやさしい!味噌汁
「まごわやさしい」の食材を全部使用した栄養満点の味噌汁です。ま→味噌・ご→ごま・わ→ワカメ・や→お好きな野菜・さ→煮干・し→しいたけ・い→お好きな根菜類。
家にある野菜を使って作れるので節約にもなりそうですね!ボリューム満点なので、その分ご飯を減らすことができそうです。
レシピはこちら。
常備菜♡あっさりめのひじきとちくわ煮
ダイエット中におすすめのひじきの煮物。こんにゃく・ちくわ・野菜を加えてボリューム満点に仕上げています。味付けはあっさりめ!多めに作って常備菜にしておくと良いかもしれません。
レシピはこちらから。
タコとキュウリの生姜酢和え
キュウリとタコの酢の物です。タコを入れることで食べ応えアップ!動物性タンパク質を補うこともできます。この酢の物の特徴は生姜やミョウガが入っていること。代謝アップも期待できそうですね。
レシピはこちらから。
栄養バランスの良い和食がおすすめ
・和食の種類は、懐石料理、会席料理、精進料理、本膳料理の4種
・和食が健康に良い理由
「栄養バランスが整えやすいから」「主食がお米で太りにくい体が作れる」「「まごわやさしい」の食材の健康効果が高い」「旨みを活かす調理法と塩分量を減らす特徴がある」
・ダイエット中におすすめの食品は、こんにゃくや納豆など
・おすすめのメニューは、酢の物や汁物、野菜の煮物など
世界的にも注目を集めている和食。和食は栄養バランスが整いやすく、ダイエット中の人にもおすすめの料理です。日本人の和食離れが叫ばれていますが、体のことを考えるとやはり和食の回数を増やしていきたいものですね!
和食は手間が掛かるイメージがあるかもしれませんが、顆粒だしや電子レンジを活用すれば意外と簡単に作れますよ!アナタも和食を食べて今よりももっと健康的に、そして美しくなりませんか?