「楽して痩せたい!」、「きついダイエットなんてしたくない!」と思っているあなたは、ダイエットピルを試してみると、良いかもしれません。
ダイエットピルは別名「痩せ薬」と言われるものです。楽して簡単に痩せたい人にとっては、魔法のような薬ですが、副作用もあるので注意が必要です。
ダイエットピルの種類やサプリメントとの違い、効果や副作用、購入する時の注意点をまとめました。
この記事の目次
ダイエットピルの種類とサプリメントとの違い
「きつい食事制限はしたくないし、運動するのも好きじゃない。だけど、痩せたい!」、こんなわがままな希望を持っている人は、ダイエットピルの利用を考えてみると良いかもしれません。
ダイエットピルとサプリメントとの違いや主な種類をご紹介します。
ダイエットピルとは?サプリメントとは違う?
ドラッグストアやコンビニなどで、ダイエット向けのサプリメントが販売されていますよね。「脂肪燃焼効果あり!」のようなサプリメントです。
このようなダイエットサプリメントとダイエットピルは違います。ダイエットサプリメントは、あくまで「サプリメント」です。サプリメントとは栄養補助食品のことですから、栄養面からダイエットを助けていこうというものです。
それに対して、ダイエットピルは医薬品を使っています。医薬品は治療効果があると認められた成分です。
つまり、ダイエットピルは医学的に痩せる効果があると認められたものになりますので、ダイエットサプリメントよりもダイエット効果は高いのです。
ただ、後ほど説明しますが、ダイエットピルはダイエット効果は高いものの、その分副作用等のリスクもあるので、注意は必要になります。
ダイエットピルの主な種類
ダイエットピルには、その効果によって3種類があります。
・脂肪吸収阻害薬
・ブドウ糖再吸収阻害薬
どれもダイエット効果は確実にあるものです。
ダイエットは摂取カロリーを減らして、消費カロリーを増やすことが大原則ですよね。消費カロリー>摂取カロリーになれば、脂肪はエネルギーとして燃焼されますので、ダイエットをすることができるんです。
この3つのダイエットピルは、すべて摂取カロリーを減らしてくれる作用があります。
ダイエットピルの種類① 食欲抑制剤
ダイエットピルの1種類目、まずは食欲抑制剤について説明していきます。食欲抑制剤で有名なものは、サノレックスとコントレイブの2種類ですね。
食欲抑制剤の効果
サノレックスとコントレイブは、どちらもその名前の通り、食欲を抑制して、食べる量を減らす効果があります。
■サノレックス
サノレックスは、ダイエットピルの中で唯一、日本で認可されています。BMI=35以上など高度肥満症と診断されると、保険診療で処方してもらうことができます。
サノレックスは食欲中枢に働きかけることで、空腹は感じるものの、食欲を抑え、食べたいという欲求を我慢しやすくする効果があります。
■コントレイブ
コントレイブは米国FDA(米国食品医薬品局)が承認しているダイエットピルで、食べ物を食べる量と代謝量を調整して、食欲を抑える効果があります。
食欲抑制剤の副作用
食欲抑制剤は、食欲を抑えてくれる働きがありますが、副作用が出ることもあるので注意が必要です。サノレックスとコントレイブの副作用をそれぞれ確認しておきましょう。
■サノレックス
サノレックスは、重い副作用はほとんど報告されていませんが、口の渇き、吐き気、便秘、不眠、頭痛、動悸などの症状が出ることがあります。また、食欲を抑えられ、簡単にダイエットできるので、薬に依存しやすくなることがあります。
サノレックスは眼圧を上げるリスクがあるので、緑内障の人は禁忌ですし、持病がある人も慎重に使用しなければいけません。
■コントレイブ
コントレイブは、てんかんや嘔気・嘔吐、便秘、頭痛、口渇感、下痢、めまい、不眠症などの副作用が報告されています。また、てんかんの既往がある人は飲んではいけません。
ダイエットピルの種類② 脂肪吸収阻害薬
ダイエットピルの2種類目、脂肪吸収阻害薬について説明します。この名前からもわかるように、この薬は食べた脂肪分が吸収されないようにすることで、カロリーをカットして、ダイエットできるようにします。
脂肪吸収阻害薬のダイエットピルは、ゼニカルが有名ですね。ゼニカルのジェネリック薬として、オルリファストという薬もあります。ただ、ジェネリックですので、基本的な成分はゼニカルと同じです。
脂肪吸収阻害薬の効果
脂肪吸収阻害薬のダイエットピルは、脂肪の吸収を抑制します。脂肪は1g=9kcalとカロリーが高いですよね。食べた脂肪が吸収されなければ、それだけ大幅にカロリーをカットできます。
脂肪は胃液や膵液の中に含まれるリパーゼという酵素が分解して、腸で吸収されます。 脂肪吸収阻害薬は、このリパーゼの働きを阻害して、脂肪を分解しないようにすることで、脂肪の吸収を抑制するのです。
脂肪吸収阻害薬は食べた脂肪分の約30%を吸収させずに、そのまま体外へ排出してくれます。
脂肪吸収阻害薬の副作用
脂肪吸収阻害薬は、命にかかわるような重篤な副作用はありません。ただ、脂質が吸収されずに、そのまま排出されますので、それに伴う副作用はあります。
たとえば、おならの回数が増えたり、便が緩くなったりですね。また、急に便意を催すこともあります。
また、脂分がそのまま便と一緒に出てくるので、トイレが油っぽくなります。排便後にトイレを見ると、油が浮いていることも良くありますね。
お腹が緩い時には、肛門から脂分が出てしまう人もいるので、女性はナプキンやおりものシートをつけておくと安心だと思います。
ダイエットピルの種類③ ブドウ糖再吸収阻害薬
ダイエットピルの種類、3つ目はブドウ糖再吸収阻害薬です。このブドウ糖再吸収阻害薬は、ブドウ糖を尿と一緒に排出してくれる薬になります。
このブドウ糖再吸収阻害薬には、カナグルやスーグラなどがありますが、日本では糖尿病治療薬としてのみ処方されていて、ダイエットピルとしては認可されていません。
ブドウ糖再吸収阻害薬の効果
ブドウ糖再吸収阻害薬は、ブドウ糖を尿と一緒に排出してくれる薬です。
ブドウ糖はいったん腸で吸収され、血液中に取り込まれます。そして、血流に乗って腎臓に到達するのですが、腎臓では濾過された後に、また血液中に再吸収されます。
このダイエットピルは、腎臓で濾過された後の再吸収を阻害することで、ブドウ糖を尿と一緒に排出できるのです。
ブドウ糖は1g=4kcalになっていますので、それだけカロリーをカットできます。また、インスリンが分泌されると、ブドウ糖と結びついて、一部が中性脂肪として脂肪細胞内に取り込まれます。
ブドウ糖を尿と一緒に排出すると、カロリーをカットできるだけでなく、脂肪が蓄積しにくくなるので、ダイエットをすることができるんですね。
ブドウ糖再吸収阻害薬の副作用
ブドウ糖再吸収阻害薬は、副作用に注意しなければいけません。本来は、ブドウ糖再吸収阻害薬は2型糖尿病の治療薬です。
ブドウ糖を排出してしまうのですから、低血糖を起こすリスクがあります。また、尿中にブドウ糖が多いと浸透圧の関係で尿量が多くなりますので、頻尿になったり、尿量が増えます。
さらに、尿中で細菌が繁殖しやすくなるため、膀胱炎のリスクも高くなるんです。
また、尿量が増えるため、口渇感が出たり、脱水になったりするので、注意が必要です。
ダイエットピルを購入する時の注意点
ダイエットピルは、サノレックス以外は日本未承認となっています。そのため、普通の保険診療でサノレックス以外のダイエットピルを処方してもらうことはできません。
では、ダイエットピルを服用したい時には、どうすれば良いのでしょうか?
基本は医師に処方してもらう
ダイエットピルを服用したい場合は、医師に処方してもらうことが基本です。いくら、ゼニカルのように重篤な副作用はないとされているダイエットピルでも、サプリメントではなく医薬品です。
安全のためにも、医師に処方してもらうようにしましょう。ただ、保険診療ではサノレックス以外は処方してもらえませんので、自由診療の肥満外来を受診して処方してもらいましょう。
肥満外来で処方してもらえば、既往歴や体質などを医師が判断して、あなたに最も合ったダイエットピルを処方してもらうことができます。
ダイエットピルを飲んで、重篤な副作用を起こしたり、健康を害すると困りますから、ダイエットピルは医師に処方してもらうことを基本にしてください。
インターネットでの購入は自己責任で
ダイエットピルは、インターネットで個人輸入したものを購入することも可能です。インターネットで購入したほうが手軽だから、わざわざ肥満外来を受診したくないという人もいると思います。
確かに、インターネットで購入したほうが楽ですよね。ただ、その場合は、すべて自己責任での服用になります。副作用が出ても、誰も責めることができません。
特に、ブドウ糖再吸収阻害薬をダイエットピルとして用いる場合は、低血糖を起こして死亡するリスクもあるんです。
そのリスクを承知して、ダイエットピルを服用してください。また、万が一、副作用と思われる症状が出たら、ダイエットピルを持って、近くの医療機関を受診するようにしてください。
ダイエットピルの種類や種類別の作用・副作用についてのまとめ
「食欲抑制剤」「脂肪吸収阻害薬」「ブドウ糖再吸収阻害薬」
・ダイエットピルの注意点
「サノレックス以外は日本未承認になっているので注意」「自由診療の肥満外来で処方してもらう」「インターネットでの購入は自己責任で行う」
ダイエットピルの種類や種類別の作用・副作用をまとめました。ダイエットピルは、医学的にダイエットに効果があると認められていますので、楽にダイエットしたい人、確実にダイエットしたい人におすすめです。
ただ、日本未承認のものばかりですので、リスクを承知して、服用してください。基本は肥満外来で医師に処方してもらってくださいね。