20代から40代女性でお腹の脂肪が気になる方が多いと思います。
この記事では、お腹の脂肪を取る6つの方法について、ダイエットや脂肪の基礎知識を合わせて専門家が徹底的にまとめたのでご紹介します。
この記事の目次
ダイエットとお腹の脂肪の基礎知識
ダイエットには男女差がある
男性の場合のダイエットは、主に内臓脂肪の除去が第一条件になります。メタボリック・シンドロームの大きな要因の一つが、肝臓や腎臓、あるいは胃腸における酷使によるものです。お酒の飲みすぎや偏った食生活が、内臓に負担をかけます。
この点は女性でも良くありますが、男性は体質的にインスリン抵抗性が弱いと言われています。インスリンとは、すい臓が作り出す物質で、血糖値を下げる役割があります。
メタボの人が罹りやすい病気の代表格『糖尿病』では、このインスリンの働きが弱くなることが知られていますが、その原因が肥満による内臓脂肪の蓄積だと言われているのです。代わりに男性の場合は皮下脂肪が付きにくく、筋肉の動かすことに関してはそれほど深刻ではありません。
一方の女性は、インスリン抵抗性が高く、内臓脂肪がついても男性ほどのメタボの心配は低いとされています。ただし代わりに男性に比べて筋力が弱いため、皮下脂肪と内臓脂肪の2つで、ダブルに太る傾向があるのです。
女性がお腹の脂肪を減らそうと思ったら、単純に内臓脂肪だけではなく、皮膚組織にある皮下脂肪も考慮したダイエットが必要になります。
皮下脂肪と内臓脂肪の違いについて
内臓脂肪はどうやってお腹に付くのでしょうか?
内臓脂肪は皮下脂肪に比べて、非常に短期間に付くものなんです。脂肪がつく場所は「腸」です。お腹といっても、胃ではありません。腸管膜と呼ばれる器官が小腸と大腸の後ろ側あたりにあります。
よく「内臓脂肪は取りにくい」と言われますが、それは皮下脂肪と内臓脂肪を混同しているせいかも知れません。お腹をつまんで握れる脂肪は、皮下脂肪でありお腹ポッコリの直接的な原因ではないのです。
痩せているのにお腹が出ている人の場合は、内臓脂肪がついていることが考えられます。腸管膜の脂肪が大きくなることで腸が前に押されてしまい、お腹だけがポッコリと出た状態になります。女性の場合は、内臓脂肪に皮下脂肪の2つが同時に付いている点が、男性よりも顕著です。
内臓脂肪を減らすのは難しいことではありません。食事制限によって、「食べる総量」を減らすだけでいいからです。バランス良い食事は原則ですが、「量」を全体で落とします。特に脂肪と結びつきやすい食材を減らすのが、最も有効です。
一方で、女性の場合は皮下脂肪もお腹の脂肪の一つですから、こちらは腹筋などの筋力を使う事で引き締め、お腹を引っ込ませる必要があります。不健康でも太っているわけでもない無い女性のスタイルが、まるで「樽」のようになるのは、この皮下脂肪が原因であると考えられます。
筋力と脂肪よりも重要な事
女性の場合は、やはり「糖」に対しての耐性があります。この糖とは、炭水化物消化の時に作られる糖ではなく、直接的な砂糖などの「糖分」です。医学的に女性だけが甘いものを好む理由は特に無いそうですが、日常的に甘いものを好んで食べている女性は多くいらっしゃいます。
スポーツを趣味にしている女性であれば、多少甘いものや脂っこいものを食べたとしてもきちんと消費できます。しかし運動量が少ないのに、普段から食べることでストレスを解消しているような人は、少し生活環境を考えていかなければなりません。
運動が少ないという事は、カロリーが高い食生活では、体内に消費されないエネルギーが常に余っている状態です。しかも砂糖を多く使うお菓子は油脂も非常に多いため、小麦粉などの炭水化物と油と砂糖を、”効率よく”大量に食べていることになります。
「自分は食事量が少ないのに、何故か痩せない。」そのようなケースは、結局間食が多いという事です。人体は絶対的に食べた量以上に体重が増えることはありません。
いつからお腹ポッコリは治る?
第一に食事制限を行う事で内臓脂肪は取れます。食べる量をいつもの3分の2に抑えれば、3か月から4か月でお腹の脂肪はかなり落とせます。内臓脂肪は、食事制限するだけでカンタンに落とせるものなのです。その分、食べる量を増やせば確実についていきます。
一方で、食べるカロリー以上に消費する量が多い、つまり食べた分以上の運動を毎日行うなら、内臓脂肪は消費されお腹周りにつくことはありません。こうしてみると非常に単純ですよね。
しかし皮下脂肪が分厚くついてしまっている場合、内臓脂肪を減らしてお腹自体が引っ込んでも、お腹の皮には脂肪がついていることがあります。わき腹をつまんで握れるのは、全て皮下脂肪です。
女性が太りやすい理由
20代から40代までの女性は、同じ年齢の男性より皮下脂肪が厚くなりやすいです。これは寒冷地でもお腹の子供を守れるよう、母体の働きによるものです。代わりに空腹に耐性が低いといわれています。
事実、米国の国立研究所が女性と男性で比較し、脳の偏桃体の活性を研究したところ、空腹感に耐えにくいのは女性の方であると結論付けていました。
女性が太りやすいというよりも、「暇な時についつい食べる癖」が本質的にあるという事です。裏を返せば、食べ物によるストレス耐性が低いとも言えます。これは、女性のお腹の脂肪を取る方法として、ヒントになるのでは無いでしょうか。
お腹の脂肪を取る方法①キッチンを居場所にしない
20代でも40代の女性でも、気づけばよくキッチンにいるな、ということはありませんか?ダイニングテーブルでパソコンや読書などをしていれば、なんとなく小腹がすいた時、どうしても冷蔵庫に目が行ってしまうものです。
キッチンには食材があることが分かっていますから、何の気なしにチョコレートやキャンディを口に入れているかも知れません。ダイエットの本質は、食事制限、それも「間食を絶つ事」これに尽きます。
女性は空腹感に耐える能力が低いと自覚して、キッチンを自分の定位置にするのは、絶対に止めましょう。
お腹の脂肪を取る方法②鏡と体重計を頻繁に使う
ダイエットに失敗する女性の部屋には、幾つか面白い特徴があります。一つは鏡が少ない事です。全身が映る鏡が1枚も無い家庭も多いでしょう。
もう一つ、ダイエットに失敗する人ほど体重計に乗りません。せいぜいお風呂上がりの1回のみです。ダイエットに成功する条件は一つだけ、「現実を直視する」そのことだけなのです。
どれだけカロリーを摂るか、ということもダイエットにおいては大切ですが、さらに問題なのはカロリーを使う“量”がどれくらいかということです。これを「基礎代謝量」と言いますが、これには基準値があります。20代は22.1、そこから40代までは21.7です。
これに自分の体重をかけた値が、自分の基礎代謝量になります。体重55キロで35歳なら、55に21.7をかけますから、1,193.5キロカロリーです。つまり、これが一日に必要とする最低限のカロリーになります。
お腹の脂肪を取る方法③自分の運動量を知ること
カロリー必須量は、同じ女性でも1日の活動量によってかなり違ってきます。目安として覚えておくと、食事制限に役立ちます。
まず運動量を数値化してみましょう。睡眠時間が8時間程度、一日の中で座っている時間が10時間以上、外出も買い物程度という人がいたとします。その場合基準となる数値は25から30くらいです。事務職に就いている人などもこの値になります。
睡眠時間が8時間程度、製造業やコンビニなど多少体を動かすパートをしていれば、基準値は30から35程度になります。ほとんどの女性が2つのパターンに当てはまるでしょう。つまり平均を取れば、20代から40代までは、基準値30と見れば良いわけです。
この基準値は、その運動量に必要なカロリーを計算する時に使います。体重55キロの女性なら、55に30をかけて1,650キロカロリーは必要です。基礎代謝量、つまり消費する能力は1,193.5キロカロリーですから、差し引き457キロカロリーとなりますよね。
健康的に生活するためには1,650キロカロリー必要だけれど、自然と消費できるのは1,193.5キロカロリーの分だけなので、457キロカロリーを運動などで消費する必要がある、という事です。逆に考えれば、この分を節制すれば理屈的には痩せられます。
ご飯は腹八分目にしておく、甘いものや間食を控える、野菜やキノコ類など低カロリーの食材をたくさん取り入れる、といった工夫も必要になります。
お腹の脂肪を取る方法④お腹のストレッチ
お腹の脂肪を取るなら、ベストな方法はジョギングではありません。基礎代謝量をあげるためには、全身の筋肉とお腹の筋肉を使う事です。コツは動作をとにかく“ゆっくり”にすることです。エクササイズといっても難しい事はありません。自宅の部屋で十分できます。
立ち上がり両手をあげて、手のひらを上に向けて両手を合わせ、上半身を左右に曲げます。両肩に両腕をクロスして手をつけて、お腹を中心に大きく体を捻るなどなどです。自宅で出来るストレッチはこれ以外にもたくさんあります。
お腹の脂肪を取る方法⑤姿勢を正していく
女性のお腹の脂肪で、内臓脂肪よりも厄介なのは皮下脂肪です。特に腹部は普段はあまり使わないために、脂肪が付きやすいのです。腹筋はジムなどに通って、専門指導のもとに鍛えなければ、効率よく短期間で鍛えるのは難しいでしょう。
そこで普段行える腹筋の鍛え方として、「姿勢」に注目します。椅子に座る時間が長い人でも、その姿勢に気を付ければきちんと筋肉は鍛えられるものです。気を付けたいポイントを見ていきましょう。
・かかとが床につく高さの椅子に取り換えるか、高さを調整できるものにします。
・背もたれには背中はつけずに、椅子の座面半分くらいに腰かけます。
・パソコンは、画面は目線よりも下になるようにし、顎を引いて作業をするようにします。
椅子に1時間以上座る場合では、この姿勢を維持すると良いでしょう。また普段は床や畳にあぐらをかいて坐るのは、ダイエット中は止めたいところです。女性の骨盤は男性よりも大きいので、骨盤後傾はお腹が出て見えるからです。
意識的に正しい姿勢にするよりも、普段から骨盤を正しい位置にキープすることが、ダイエット中では非常に効果的なんです。それもお腹の脂肪を常に意識することに繋がります。
お腹の脂肪を取る方法⑥脂肪吸引をする
手軽に努力せずに痩せたい人が気になっているものと言えば、脂肪吸引だと思います。確かに、脂肪吸引でお腹は簡単に痩せることができますが、失敗やリスクもあるので、慎重にならなければいけません。
脂肪吸引のダイエット効果や失敗のリスクを以下でまとめました。
お腹の脂肪を取りたいなら「正しいダイエット」を
女性の場合、やはり「理想体型」に近づくことが、ダイエットをする第一の目標ではないでしょうか。それと同時に、年齢を感じさせない素肌の維持です。単に運動を激しくしても、皮下脂肪はそう簡単には落ちません。
お腹の脂肪を取る方法について、詳しく解説してきましたが、最後にダイエットのコツを説明しておきましょう。
非常に基本的な事ですが、ダイエットの期間中だけ食事制限や運動を集中しても、必ずその程度ではリバウンドがあります。太る人と痩せている人の違いは、運動量でも食事量でもないのです。それは「習慣」の違いです。
つまり日常で無意識に行っている何気ない事ばかりが、その人の体型を作っています。普段テレビをあまり見ない人は、その時間を散歩に使っているかも知れません。
甘い物が好きでも、脳をたくさん使う事務作業、作家やそうした職業では、甘いものが太る要因でも無いのです。身体で最も糖を使うのは脳です。
美しい素肌を作るには、たくさんのアミノ酸が必要です。肉類から効率よく摂ることで、コラーゲンを身体は生成することが出来ます。内臓脂肪は食材よりも、食事の総量が多いか少ないかの違いです。
食事は少なくても高カロリーのお菓子を食べてしまえば、1日の摂取カロリーが消費よりも超えて太ってしまいます。そして、40代を過ぎてからのダイエットは代謝も落ちるため、なかなか難しいものになります。そこから先、体型を変えるには相当な努力が必要になるのです。
お腹の脂肪をとる方法についてのまとめ
・鏡と体重計を頻繁に使って、現実を直視する
・自分の運動量を知り、腹八分目にしたり甘い物など控える
・お腹のストレッチは効果的
・姿勢を正しくする
・努力せずにするなら、脂肪吸引もある
・お腹の脂肪をとるなら、正しいダイエットをする
女性のお腹の脂肪は、普段の習慣の結果といえるかも知れません。運動量に食べる量、そして姿勢を一から見直し、内側と外側から要らない贅肉を撃退していきましょう。正しくダイエットをして、美しいお腹周りを手に入れてくださいね。