皮下脂肪は、いわゆる見た目のスタイルを悪くしている脂肪です。皮膚の下につくので皮下脂肪と呼ばれます。内臓の周りに着く内臓脂肪と構造は同じですが、そのつき方や落とし方が大きく違います。
皮下脂肪の特徴や効率の良い落とし方、皮下脂肪のことをしっかり知るためのあれこれをまとめてみました。
皮下脂肪とは
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皮膚のすぐ下にある「皮下組織」についている脂肪のことを皮下脂肪と呼びます。体を丸く見せたりスタイルを変えてしまったりしているのが皮下脂肪です。その体積は筋肉の2.7倍もあり、体脂肪が多ければ多いほど太って見せてしまう脂肪です。
ただ、皮下脂肪は無意味についているのではありません。ちゃんと、体の中を保温したり体の中を外部の衝撃から守る役割を担っています。女性の場合、子宮など体の中を特にしっかり守りたい臓器があるため、比較的つきやすいのも特徴です。
皮下脂肪が体に及ぼす影響
皮下脂肪は、体の中の臓器を守ったり保温したりするためにつく脂肪です。女性なら肥満でなくても誰でもある程度はついています。
内臓脂肪はあまりについていると生活習慣病を招く物質を出すことがわかっていますが、皮下脂肪にはそのような悪影響はほぼありません。もちろん、皮下脂肪がつきすぎていると体に負担がかかると言われますが、それは皮下脂肪と同時に内臓脂肪もついてしまっているからです。
皮下脂肪がついているだけでは、体への悪影響はほぼないでしょう。むしろ、体の保温や保護をしてくれる役割があるので、皮下脂肪がなさすぎる方が問題です。
皮下脂肪が増える原因
皮下脂肪が増えるのは、他の脂肪と同じく過食や運動不足が原因です。女性の場合、ホルモンバランスが崩れたり、ストレスで過食をしたり、無理なダイエットで筋肉が落ちたり、体が冷えていたりすることでさらにつきやすくなります。
ぶよぶよと柔らかいうちはまだ良いですが、脂肪の間に老廃物や水分などを溜め込んで固まると、セルライトと呼ばれる脂肪の塊に変貌します。すると自分ではなかなか落とすことができない脂肪になってしまうので、注意が必要です。
皮下脂肪の測定方法
実際に自分の体に皮下脂肪がどれくらいついているかを知るのはなかなか難しいです。CTスキャンで内臓の外側についている脂肪の量を測るくらいしか方法はなく、もちろんそれは現実的ではありません。
ただ、ある程度の目安は体脂肪率から導き出すことができます。自分の体脂肪率である程度判断するのです。
体脂肪率はそもそも、体重のうちの体脂肪の重さが占める割合のことを指します。内臓脂肪の量も含まれることにはなりますが、自分の体にどれくらいの脂肪がたまっているかを知る1つの基準にすることは可能です。
・軽度肥満:体脂肪率30.0%~34.9%
・肥満:体脂肪率35%以上
体組成計などではもっと詳細に測定できるものもあるようです。詳しく計測したければ、高機能な体重計を検討してみるのも良いかもしれません。
理想の皮下脂肪量
皮下脂肪の明確な量はわかりませんが、この体脂肪率を基準にした場合、日本人の理想の体脂肪率は男性が15~20%、女性が20~28%と言われています。
皮下脂肪は内臓脂肪と違って少なすぎても冷えや子宮のトラブルなど問題の原因になるものです。体重や体脂肪を落とすばかりでなく、適度に脂肪があっても上手に引き締める方向で対策していくのも大切なのでしょう。
効率の良い皮下脂肪の落とし方5選
実は皮下脂肪は、とても落としにくい脂肪だと言われています。皮膚の下に一度組み込まれてしまうとそこから抜け出すのはとても大変なことなのです。特に老廃物などと一緒に固まったセルライトになるとなかなか落とせません。
効率良く皮下脂肪を落としていくためにはいろいろな対策を組み合わせていく必要があります。
むくみをこまめにとるためにマッサージ
まず必要なのが、皮下脂肪をセルライトに変えないためのマッサージです。体の中に老廃物を溜めないために、脂肪を揉んでマッサージしたりむくみを取る着圧ソックスを履いたり細かく対策していきましょう。
皮下脂肪はやわらかいほど取れやすいとも言われます。とりあえず揉むようにしているだけでも違うようです。デトックスをしっかり意識することも大切です。
有酸素運動で脂肪を燃焼
有酸素運動は、消費カロリーを増やすだけでなく脂肪分解に欠かせない酵素である「リパーゼ」の分泌を促します。アドレナリンなどのホルモンが分泌されると活性化されるものですが、このリパーゼが上手く働けると脂肪が分解されて血液中に排出されるのです。
有酸素運動は意識したら意外と日常に組み込むのが簡単です。まずはちょっとしたウォーキングや階段の上り下りから始めてみてください。
筋トレで基礎代謝をアップ
皮下脂肪を減らすにはダイエットの鉄則と同じく、「摂取カロリー<消費カロリー」の状態にする必要があります。この消費カロリーの多さを左右するのが、基礎代謝です。
基礎代謝は生きるために必要なエネルギー消費のこと。筋肉量が多ければ多いほどその代謝は上がります。筋トレによる効果は微々たるものですが、それでもやって積み重ねる意義はあります。ながら運動などで普段使っていない筋肉を意識して使ってみましょう。
体を冷やさない生活をする
体の体温が1度下がると、代謝が13%も下がることがわかっています。1200kcalの基礎代謝があったら毎日156kcalも変わることになるのです。体が冷えると他にもむくみやすくなったり血流が悪くなったり良いことは何もありません。
ダイエット以外でも小さなトラブルも増えてきます。靴下をきちんと履いたり手首や足首を温めたり常温以上のものだけを飲むようにしたり、体を冷やさないこともぜひ意識してみてください。
食事を見直して摂取カロリーを落とす
消費カロリーを増やすと言ってもやはり限界はあります。それに比べて摂取カロリーを見直すのはとても簡単です。必要以上に食事量を減らすと筋肉が落ちたり体が冷えたり良いことはありませんが、ある程度は食事を減らすことも必要です。
1日に必要な摂取カロリーを知って、自分に合うカロリーカットを実践してみてください。運動と組み合わせることで相乗効果が期待できます。
皮下脂肪が増える原因・落とし方についてのまとめ
・皮下脂肪の落とし方
「むくみをこまめにとるためにマッサージ」「有酸素運動で脂肪燃焼」「筋トレで基礎代謝アップ」「体を冷やさない生活をする」「食事を見直して摂取カロリーを落とす」
皮下脂肪は体のクッションのような役割を担っているものなので、完全にゼロに近づけるのは良くありません。でも、つきすぎた皮下脂肪はやはり頑張って消費していった方が良いです。
皮下脂肪を消費するのはかなり大変ですが、毎日コツコツ積み重ねていくことで徐々に実現していけるでしょう。引き締まった美しいボディラインを目指して、運動と食事を上手に組み合わせた方法を実践していってくださいね。