肥満は健康に悪いというのは常識ですよね。「健康のために肥満を解消しましょう。ダイエットしましょう!」と言われても、一体どのくらいダイエットをすれば良いのかわからないという人も多いと思います。
肥満度とは何か、肥満度を測るためのBMIの計算式や基準値、子供の肥満度を測るための計算式や基準値ををまとめました。肥満かどうか気になっている人は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
肥満度とは何?
肥満度とは、あなたが今肥満かどうかを判定するための指標のことです。肥満は健康に悪い、肥満は万病の元というのは常識になっていますが、今自分は肥満なのかどうか、よくわからないという人もいると思います。
また、肥満であると指摘された場合、どのくらい痩せると基準値内になるのかも、具体的には分からないですよね。
それを数値化して示しているのが、肥満度なんです。肥満度は体重と身長から、肥満かどうかを割り出すものです。肥満かどうかを客観的に調べるための指標と言えるでしょう。
肥満になると発症リスクが高くなる病気は?
肥満度の計算式や基準値を説明する前に、まずは肥満になると何が悪いのか、肥満はどんなリスクがあるのかを知っておきましょう。
<肥満になると発症リスクが上がる病気>
・2型糖尿病
・脂質異常症(高脂血症)
・高血圧
・痛風
・高尿酸血症
・動脈硬化
・脳梗塞
・心筋梗塞
・睡眠時無呼吸症候群
・脂肪肝
・腰椎症、変形性関節症
・月経異常、生理不順
2型糖尿病、脂質異常症、高血圧は食べ過ぎや運動不足が原因です。食べ過ぎや運動不足が続けば、肥満になりますよね。そして、これらの生活習慣病は動脈硬化を促進させ、脳梗塞や心筋梗塞の発症リスクを上げます。
痛風も肥満と強い関連性があることがわかっていますし、睡眠時無呼吸症候群は脂肪が気管を狭くすることで、発症しやすくなります。
腰椎症や変形関節症などの整形外科疾患は、関節が体重の重さに耐えられなくなることで起こります。体重50kgの人と100kgの人、どちらが関節に負荷をかけているかは、考えるまでもありませんよね。体重が増えても、関節が強くなるわけではありませんから。
肥満はこれだけのリスクがあるのですから、今すぐあなた自身の肥満度をチェックして、肥満だった場合は、ダイエットに励み、基準値内の体重にしなければいけません。
大人の肥満度はBMIでチェック
肥満度を計算する方法は、大人と子供では違います。大人の肥満度は、BMIで計算することができます。
BMIとはBody Mass Indexの略で体格指数とも言われるものです。このBMIは世界共通の肥満度指数になっているんです。
BMIの計算式と基準値
BMIは、次の計算式で計算します。
BMI=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))
日本肥満学会による肥満度の基準値はこちらです。
18.5未満 | 低体重 |
18.5~25未満 | 普通体重 |
25~30未満 | 肥満(1度) |
30~35未満 | 肥満(2度) |
35~40未満 | 肥満(3度) |
40以上 | 肥満(4度) |
BMIが18.5~25未満だと普通体重で基準値内に入るということですね。特にBMI値が22だと、最も病気にかかりにくい体重であると言われています。つまり、健康になりたい&長生きしたいなら、BMI=22を目指すべきなんです。
この 22 という数値は疫学調査で最も健康上の問題が少い指数として選定されています. この上下 15% 程度が標準の範囲となります.
大人の場合、健康になりたいなら、BMI=22を目指してダイエットをすると良いでしょう。身長別のBMI=22の体重はこちらです。
身長 | BMI22の体重 |
145cm | 46.3kg |
150cm | 49.5kg |
155cm | 52.9kg |
160cm | 56.3kg |
165cm | 59.9kg |
170cm | 63.6kg |
175cm | 67.4kg |
ちなみに、このBMIの肥満度の基準値は、国によって異なります。日本では25以上が肥満に分類されていますが、WHO(世界保健機関)やアメリカ、イギリスでは25以上は「過体重」、30以上が肥満に分類されます。
世界的に見ると、日本人は痩せ型の人が多く、肥満に厳しい国と言えるかもしれませんね。
幼児の肥満度はカウプ指数でチェック
大人の肥満度を表す指数はBMIですが、子供の場合はBMIでは正しい肥満度を表すことができません。子供は成長段階に応じて、肥満度の基準を調整する必要があるからですね。
生後3ヶ月~5歳の幼児はカウプ指数という指数を使って肥満度を表します。
カウプ指数の計算式と基準値
カウプ指数の計算式は、次のようなものになります。
カウプ指数 = 10×体重[g]/身長[cm]^2
この計算式をよく見てもらうとわかると思いますが、実はカウプ指数はBMIの計算式と同じなんです。ただ、赤ちゃんの体重はgの方が正しく表せるので、BMIとは使う単位を変えているんですね。
カウプ指数の基準値は、月齢・年齢によって異なります。
<カウプ指数の基準値>
乳児(3~12ヶ月) | 16~18 |
1歳 | 15.5~17.5 |
1~2歳 | 15~17 |
3~5歳 | 14.5~16.5 |
子どもの肥満は気にする必要ないと思っているかもしれませんが、乳幼児の肥満は将来の生活習慣病につながりますので、両親がきちんと体重コントロールをして、肥満にならないようにしましょう。
学童の肥満度はローレル指数でチェック
学童の肥満度はローレル指数を用いて表します。昨今は肥満の子供が増えていることが問題になっています。子供の肥満は、将来の生活習慣病の発症リスクを上げますし、女子は思春期になると肥満であることを恥ずかしく思って、摂食障害に移行することもあります。
そのため、保護者は「子供だから、好きなものを好きなだけ食べて良いのよ」という姿勢ではなく、肥満を解消して基準値内の体重になるように、上手にコントロールしてあげなければいけません。
ローレル指数の計算式と基準値
ローレル指数は、次の計算式で表すことができます。
ローレル指数 = 体重[kg]÷身長[m]^3×10 = 体重[kg]÷身長[cm]^3×10^7
ローレル指数の基準値は130です。130の上下15%が標準体重になります。ただ、学童は成長過程の個人差が大きいので、成長過程を考慮して、肥満かどうかを判断する必要があります。
子どもの場合は、数字だけで肥満かどうかを判断することはできないというわけですね。
肥満度はBMIだけでは測れないことも
大人の肥満度はBMIで判定します。18.5~25未満が基準値内ですね。ただ、1つ注意しなければいけないのは、BMIが絶対というわけではないことです。
BMIで基準値内だからといって肥満の可能性はありますし、BMIが25以上でも肥満ではない可能性があります。
筋肉と脂肪はどちらが重いか知っていますか?同じ量だったら、筋肉の方が重いですよね。ということは、体脂肪が少なくて、筋肉がムキムキの人はBMIが25以上になる可能性があります。でも、脂肪が少ないんですから、肥満とは言えません。
逆に、脂肪がたっぷりついていて、筋肉量が少なければ、BMIは25未満になることがあります。これは、肥満度の基準値内の体重ではあるものの、脂肪が多く、筋肉が少ないのですから、肥満ということになりますよね。
ですから、BMIは肥満度の目安ではあるものの、絶対的な指標ではなく、あくまで参考でしかないのです。肥満度を正確に知るためには、体脂肪率も考慮すると良いでしょう。
<体脂肪率の基準値>
判定 | 男性 | 女性 |
低い | 5.0~9.9% | 5.0~19.9% |
普通 | 10.0~19.9% | 20.0~29.9% |
やや高い | 20.0~24.9% | 30.0~34.9% |
高い | 25.0%~ | 35%~ |
出典:体重体組成計でわかること | 商品情報 | オムロン ヘルスケア
肥満度を測るためには、BMIと体脂肪率の両方を考えて、肥満かどうかを判定すると、正確に肥満かどうかを知ることができるはずです。
肥満度とBMIの計算式と基準値・子供の肥満度計算についてのまとめ
・肥満になると発症リスクが上がる病気
「2型糖尿病」「脂質異常症」「高血圧」
・肥満度は、BMIでチェックできる。BMIの計算式は、BMI=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))
・肥満度の基準値、普通体重は18.5~25未満、肥満になるのは25から40まで
・幼児の肥満度は、カウプ指数でチェックできる(カウプ指数=10×体重/身長^2)
・幼児のカウプ指数の基準値は、月齢と年齢によって異なる。
・学童の肥満度は、ローレル指数(体重[kg]÷身長[m]^3×10 = 体重[kg]÷身長[cm]^3×10^7)でチェックできる。基準値は、130
・肥満度を正確に出すには、BMIに加えて体脂肪も入れるとわかる
肥満度とは何かやBMIの計算式や基準値、子供の肥満度の計算式や基準値をまとめました。肥満度の計算式と基準値は、大人と幼児・学童では違うので注意が必要です。
また、肥満度は筋肉と体脂肪の割合によっても変わってきますので、BMIだけでなく体脂肪率も考慮して、肥満かどうかを判定するようにしてください。肥満は万病の元ですから、肥満の人はダイエットをして早めに肥満を解消しましょうね。