ダイエットをするためには、1日の消費エネルギーをきちんと知ることが大切です。消費エネルギーを把握していないと、ダイエットは成功しません。
ダイエット成功のカギとなる1日の消費エネルギーの種類や計算方法・求め方をまとめました。日常生活でどのくらいエネルギーを消費しているのかも知っておきましょう!
この記事の目次
ダイエットは消費エネルギーを知ることが大切!
ダイエットをする上で重要なのは、消費エネルギーを正確に把握することです。消費エネルギーを知らないと、いくら食事制限をしても、ダイエットは成功しません。
なぜなら、ダイエットの基本は消費エネルギーが摂取エネルギーを上回ることだからです。
どんなに効果のあるダイエット法を実践しても、この「消費エネルギー>摂取エネルギー」の法則は守らないと、体重は落ちないので、ダイエットは成功しないのです。
1日の消費エネルギーは性別・体重・年齢によって大きく異なります。また、同じ性別・同じ体重・同じ年齢でも1人1人違うのです。
ダイエットを成功させるためにも、あなた自身の消費カロリーを正しく計算しておきましょう。
消費エネルギーの種類
消費エネルギーには種類があるって知っていますか?消費エネルギーには、次の3つがあります。
・基礎代謝
・食事誘発性熱代謝
・生活活動代謝
1日の消費エネルギーは、基礎代謝が70%、生活活動代謝20%、食事誘発性熱代謝が10%とされています。
この3つの消費エネルギーを詳しく説明していきます。
基礎代謝
基礎代謝は生命維持のために使われるエネルギーです。つまり、何もしなくても勝手に消費されていくエネルギーのことですね。
私たちは呼吸をし、心臓を動かし、体温を維持するために熱を産生し、そのほかの内臓もそれぞれの働きをすることで、生命を維持することができています。
基礎代謝では肝臓が27%、脳が19%、筋肉が18%、腎臓が10%、心臓が7%、その他が19%となっています。肝臓が一番エネルギーを消費している臓器なのは、ちょっと意外かもしれませんね。
食事誘発性熱代謝
食事誘発性熱代謝とは、食事をしたことで消費エネルギーが増えることです。
食事を摂ると体内に吸収された栄養素が分解され、その一部が体熱となって消費されます。このため食事をした後は、安静にしていても代謝量が増えます。
食事をすると栄養が消化・吸収されることで、熱が産生されるので、消費エネルギーが増えるんですね。食事をした後に、少し汗をかいたり、暑さを感じたことがある人も多いと思います。
あれは、食事誘発性熱代謝が起こっていたからなんですね。
食事でタンパク質だけを摂取したら、摂取エネルギーの約30%が食事誘発性熱代謝として消費されます。糖質のみの場合は6%、脂質のみは4%となっています。
つまり、タンパク質だけを100kcal摂取したら、30kcalが食事誘発性熱代謝として消費され、糖質のみは6kcal、脂質のみは4kcalが消費されるのです。
ただ、普通の食事はタンパク質、糖質、脂質がすべて含まれていますので、最終的には食事の10%程度が食事誘発性熱代謝として消費されることになります。
生活活動代謝
生活活動代謝とは、日常生活内での活動や運動での消費エネルギーのことです。歩けばエネルギーを消費します。家事をすることでもエネルギーを消費します。遊びでも運動でもエネルギーを消費しますね。これが生活活動代謝になるんです。
日ごろから運動をしている人や肉体労働をしている人は、生活活動代謝による消費エネルギーは多くなりますが、デスクワークの人や運動嫌いの人は生活活動代謝のエネルギーは少なくなります。
消費エネルギーの計算方法・求め方
消費エネルギーの計算方法や求め方を紹介します。食事誘発性熱代謝は摂取カロリーの10%程度ですので、それ以外の基礎代謝や生活活動代謝の計算方法や求め方を計算していきましょう。
基礎代謝の計算方法・求め方
基礎代謝の計算方法はいろいろありますが、ここでは厚生労働省の基礎代謝の計算方法をご紹介します。
基礎代謝基準値とは次のものになります。
性別 | 男性 | 女性 | ||||
年齢 | 基礎代謝基準値 | 基準体重 (kg) | 基礎代謝量 (kcal) | 基礎代謝基準値 | 基準体重 (kg) | 基礎代謝量 (kcal) |
1~2歳 | 61.0 | 11.9 | 730 | 59.7 | 11.0 | 660 |
3~5歳 | 54.8 | 16.7 | 920 | 52.2 | 16.0 | 840 |
6~7歳 | 44.3 | 23.0 | 1020 | 41.9 | 21.6 | 920 |
8~9歳 | 40.8 | 23.0 | 1140 | 38.3 | 27.2 | 1050 |
10~11歳 | 37.4 | 35.5 | 1330 | 34.8 | 35.7 | 1260 |
12~14歳 | 31.0 | 50.0 | 1550 | 29.6 | 45.6 | 1410 |
15~17歳 | 27.0 | 58.3 | 1570 | 25.3 | 50.0 | 1310 |
18~29歳 | 24.0 | 63.5 | 1520 | 23.6 | 50.0 | 1110 |
30~49歳 | 22.3 | 68.0 | 1520 | 21.7 | 52.7 | 1150 |
50~69歳 | 21.5 | 64.0 | 1380 | 20.8 | 53.2 | 1110 |
70歳以上 | 21.5 | 57.2 | 1230 | 20.7 | 49.7 | 1020 |
この基準体重と基礎代謝量は、あくまでもその年代の標準体重とそれをもとにに求めた基礎代謝量になりますので、自分の基礎代謝量を求めるためには、自分の体重で求めるようにしましょう。
1日の消費エネルギーの計算方法・求め方
1日の消費エネルギーの計算方法・求め方をご紹介します。基礎代謝量がわかったら、次は1日の消費エネルギーを計算しましょう。
1日の消費エネルギーを求めるには、身体活動レベルを考慮する必要があります。つまり、日常生活内でどのくらい動いているかですね。寝たきりの人と激しい肉体労働をしている人では、日常生活内での消費エネルギーは全く違いますから。
身体活動レベルとは、1日の当たりの総エネルギー消費量を1日当たりの基礎代謝量で割ったものです。
<身体活動レベル>
レベルⅠ | 生活の大部分が座位で、静的な活動が中心 |
レベルⅡ | 座位中心の仕事だが、職場内での移動や立家の作業・接客等、あるいは通 勤・買い物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合 |
レベルⅢ | 移動や立井の多い仕事への従事者。あるいは、スポーツなど余暇における活 発な運動習慣を持っている場合 |
出典:日本医師会
まずは、このレベルⅠ~レベルⅢのどれに自分が当てはまるかを考えましょう。
<年齢別の身体活動レベルの群分け>
年齢 | レベルⅠ | レベルⅡ | レベルⅢ |
15~17歳 | 1.55 | 1.75 | 1.95 |
18~29歳 | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
30~49歳 | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
50~69歳 | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
70歳以上 | 1.45 | 1.70 | 1.95 |
出典:日本医師会
1日の消費エネルギーは次の計算式で求められるんです。
25歳で基礎代謝量が1200kcal、身体活動レベルがレベルⅡの場合、1日の消費エネルギーは1200kcal×1.75=2100kcalとなります。
日常生活での消費エネルギーの計算方法・求め方は?
1日の消費エネルギーの計算方法をご紹介しましたが、ダイエットを成功させるためには、できるだけエネルギーを消費させる必要があります。
日常生活内でできるだけ消費カロリーを増やすために、日常生活内での消費エネルギーの計算方法を知っておきましょう。
日常生活内の消費エネルギーを計算するにはMETsを知ろう!
日常生活内の消費エネルギー計算するためには、METsを知る必要があります。METsとは「Metabolic Equivalents」の略で、活動や運動をすると、安静時に比べて、どのくらいのエネルギーを消費するかの指標となるものです。
このMETsを知っておくことで、「この運動をすると、○○kcal消費した!」ということがわかるのです。
運動をしたことで消費できたエネルギーを知っておくと、ダイエットへのモチベーションが上がりますので、ダイエットが成功しやすくなりますよね。
例えば、犬の散歩をしながら歩いた場合のMETsは3.0です。これは、安静時に比べて、犬の散歩をしながら歩くと、3倍のエネルギーを消費できることを表しています。
消費エネルギーを求めるのに使用する計算式は、こちらです。
・消費エネルギー(kcal)=1.05×METs×時間×体重(kg)
では、体重60kcalの人が犬の散歩を一時間した時の消費エネルギーを計算してみましょう。
1.05×3.0×1.0(時間)×60kg=189kcalです。犬散歩をすると、1時間で189kcalを消費できるというわけです。
ちなみに、60kgの人が1時間安静にして過ごすと、63kcalですので、犬の散歩をしたことで、安静にした時よりも126kcalも多く消費したということになるんです。
日常生活でのMETs値一覧
では、日常生活活動でのMETs値をご紹介します。このMETs値を把握しておくと、少し運動しようかとか家事を頑張ってみようかと思えますので、ダイエット成功に一歩近づくことができるんです。
METs | 日常生活での活動 | 運動 |
0.9 | 睡眠 |
|
1.0 | テレビ鑑賞、音楽鑑賞 |
|
1.5 | 座って会話、電話、読書、運 転、オフィスワーク |
|
2.0 | ゆっくりした歩行、料理、洗 濯、子供を抱っこしながら立つ |
|
2.3 | 洗濯ものの片付け、動物の世話 | ストレッチ |
2.5 | 子供の世話 | ヨガ、ビリヤード |
3.0 | 歩行、電動アシスト自転車に乗 る、台所の手伝い | ボーリング、バレーボール |
3.5 | ほどほどの速さの歩行、軽いサ イクリング、階段を降りる、風 呂掃除 | 釣り、ゴルフ、体操 |
4.0 | サイクリング、階段を上る | ラジオ体操、卓球 |
5.0 | 早歩き | 野球、ソフトボール |
6.0 |
| ゆっくりジョギング、ゆっくり水 泳 |
7.0 |
| ジョギング、サッカー |
出典:国立健康・栄養研究所 改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』
家事のMETs値が高いことに驚くかもしれませんね。忙しくて運動する時間がない、運動が嫌いだけど、ダイエットしたいという人は、家事をいつも以上に力を入れて行ったり、子供の世話を精いっぱいやると、自然と消費カロリーが多くなって、体重が落ちていくはずです。
一日の消費エネルギーの種類・計算・求め方についてのまとめ
・消費エネルギーの種類と1日の消費量は、基礎代謝(70%)と食事誘発性熱代謝(20%)、生活活動代謝(10%)がある
・基礎代謝は、生命維持のために使われるエネルギー
・食事誘発性熱代謝は、食事をしたことで消費エネルギーが増えること
・生活活動代謝は、日常生活内の活動と運動の消費エネルギー
・消費エネルギーの計算方法は、基礎代謝を出す(基礎代謝量=基礎代謝基準値×体重)身体活動レベルの指標を当てはめる
・1日の消費エネルギーの計算式は、1日の消費エネルギー=基礎代謝量×身体活動レベルの指標
・日常生活での消費エネルギー計算方法は、消費エネルギー(kcal)=1.05×METs×時間×体重(kg)
一日の消費エネルギーの種類や消費エネルギーの計算・求め方をまとめました。ダイエットの大原則は消費エネルギー>摂取エネルギーですので、常に消費エネルギーを摂取エネルギーよりも多くするためには、消費エネルギーをできるだけ細かく知っておく必要があるのです。
あなた自身の1日の消費エネルギーを正確に計算して知っておくと、効果的に痩せることができますから、ダイエット成功に大きく一歩近づきますよ!