スリムな身体は、年代問わず多くの女性が憧れるものです。そのため長年ダイエットを頑張っている、なんていう方もいるでしょう。そんな日々ダイエットに励む人におすすめしたい、最近話題のキャビテーションについてまとめました。
キャビテーションの原理やダイエット効果、適切な頻度や副作用など美容専門家が解説いたします。
この記事の目次
キャビテーションとは
キャビテーションという言葉を聞いたことがない人も多いことでしょう。本来キャビテーションとは、液体の中で泡の元となるごく小さな粒子が存在する場合、一時的にその部分の圧力が低くなることで小さな気泡が生まれる現象です。
ダイエットにおけるキャビテーションも、この原理を応用したものに他なりません。ダイエットの場合は、脂肪組織に対してキャビテーションの超音波を当て、結果的に脂肪細胞を破壊し体内で分解されることで、痩せられるという仕組みです。
キャビテーションの原理と効果
キャビテーションで脂肪細胞を破壊する、このように書くと、あたかも超音波が脂肪細胞を焼ききってしまうような印象を与えがちです。なんだか少し怖い感じもしますよね。しかし、実際には、液体の現象であるキャビテーションを利用して、うまく脂肪を分解へと導いています。
キャビテーションの超音波を脂肪組織に照射すると、脂肪の中に真空の気泡を作ることが出来ます。そして、その気泡がはじけることで、周囲の脂肪細胞を少しずつ分解してくれるのです。
分解された脂肪は周囲の水分を使って、乳化と言われるどろどろの状態に変化します。ここまで分解されてしまえば、後はその乳化した脂肪がリンパ管にのって循環していくことで、脂肪組織を処理できるというわけです。
キャビテーションの3つのメリット
他のダイエット法と比べて、なぜキャビテーションがここまで優れているのでしょうか。それは、キャビテーションが持つ特徴にあります。
痛みがない
多くの脂肪吸引をはじめとする脂肪細胞に直接アプローチする形のダイエット処置は、多かれ少なかれ痛みを伴います。脂肪吸引は、吸引管を直接体内に入れて脂肪をアナログで砕きながら進むため、皮膚の切開が必要となりますし、場合によっては出血や腫れ、変色などが発生してしまいます。
しかし、キャビテーションによる超音波を使った分解であれば、体外から超音波を照射するのみですから、皮膚に直接傷をつけないばかりか、脂肪細胞が無理にはがれて合併症を引き起こす危険性を大きく下げることが可能です。
真空の気泡により少しずつ削っていきますから、大体にかかる負荷を大幅に軽減できると言われています。
自分の希望の部位を選択できる
ダイエットにおいてとても難しいのは、自分が狙った部位を選択的に痩せさせるという方法です。そもそも多くのダイエットは運動を必要としていますから、少なからず狙った部位に連動した関節や、筋肉を大きく使っていることになります。
その結果、ピンポイントで効果を得るのは難しいという事態が発生します。また熱心に行うことで、脂肪を燃焼するだけでなく筋肉を発達させてしまうため、痩せるというより引き締まった印象が先行してしまったり、スポーティーな肉体となってしまうことも考えられます。
その点において、キャビテーションは筋肉に影響を与えることなく、やわらかく分解しやすい脂肪のみに焦点を絞って力を発揮してくれるため、無理なく痩せることが可能です。
また、自分が狙った場所に超音波を当てることで、他の部位に影響を与えることなく、ピンポイントな脂肪の減少とダイエットが出来るということになります。
一回の施術で効果が実感できる
多くのダイエットプログラムには時間がかかります。地道に運動を行うにしても、毎日習慣づけて行わないとなかなか効果が出ませんし、やっと効果が出たと思っても微々たる物であったりもするでしょう。さらに運動をやめてしまったらリバウンドしてしまう可能性だって考えられます。
また、エステなどのマッサージでも、脂肪をやわらかくすることはできますが、分解することはできないため、できるだけやせやすい体を作って、ゆっくりと脂肪燃焼を促進していくことになります。
この点において、キャビテーションでは狙った部位の脂肪組織を、気泡の崩壊と一緒に巻き込んで直接乳化してしまいますから、施術そのものがダイエットに繋がると言っても過言ではありません。つまり、施術を受ければ、確実に脂肪を減少させられるということなのです。
これは言い換えれば効果が即時的であり、長い期間継続して施設に通うことなく痩せられるということを意味しており、非常に有用なダイエット方法と言えるでしょう。
また、体内のエネルギーを使わずに外から分解するため、体質が変わってしまう心配も少なく、リバウンドが起こりにくいメリットもあります。
キャビテーションの頻度や副作用は?3つのデメリット
いいこと尽くめのキャビテーションですが、当然デメリットも存在します。どのようなものがあるのでしょうか。
分解した後の脂肪が残る
キャビテーションは、確かに狙った部位の脂肪細胞を減らす効果があります。しかし、その分解した脂肪は乳化され、中性脂肪となってリンパ管から体内を循環することとなります。
リンパ管と血液の通る血管は繋がっていることから、施術後は一時的に中性脂肪の値が高くなる可能性が考えられます。
中性脂肪が高くなると、動脈硬化や高血圧といった病気を引き起こす原因になりますので、排出されるまでの間に不摂生な生活や脂っこい偏った食事などを取ると、身体を壊す危険性が高くなってしまうのです。
またこの中性脂肪は、最終的には肝臓で代謝されて体外へ排出されていきますが、この肝臓の働きが弱まっている場合、注意が必要です。
中性脂肪が分解されれば身体のバランスは元に戻ります。しかし分解されないとなると、先ほどあげた高血圧や動脈硬化といった病気がかなり現実的なものとなるためです。
施術の前には必ず体調を整えて、充分な毒素の処理が出来るコンディションで臨む必要があります。特に刺激物であるタバコやお酒といった嗜好品は、肝臓に大きな負荷をかけますから避ける必要があるでしょう。
あまり分解しすぎると皮膚がたるんでしまう
キャビテーションは、直接脂肪細胞を乳化する働きを持っています。このため、言ってみればその部位にある脂肪細胞のかさを減らすことが出来るということです。しかし、あまり一部位のみを重点的に行ってしまうと、脂肪細胞がなくなった後の空隙が発生してしまいます。
これは皮膚の張りに直結してきますから、空間が出来た分、皮膚の張りがなくなってたるみが生じることもあるようです。一箇所のみでなく、ある程度自然に見えるよう超音波の照射を繰り返していくことが重要ですが、施術を受けるお店によってはこうした弊害が発生する可能性もあります。
マッサージとセットで行わないと詰まったり戻ったりする
一見ただ超音波を当てるだけで簡単そうなキャビテーションですが、実は施術後のマッサージが必要不可欠です。キャビテーションを行うと、確かに脂肪細胞が乳化して肝臓まで流れやすくなります。
しかし、実際には乳化した脂肪は血液に比べて粘度が高いこともありますし、周りの形を成した組織もあることから、放っておくとなかなか流れてくれません。このため、施術後には乳化した脂肪が通るリンパ管を中心とした、リンパマッサージが必要不可欠であるといわれています。
このマッサージをしっかりと行っていかないと、せっかく乳化した脂肪が少し動いたところで再度脂肪組織を形成してしまったり、場所が悪ければ詰まってしまったりということが考えられます。
きちんとマッサージを行って水分をたくさん摂り、乳化した脂肪の流れを良くすることで、肝臓で適切に分解できるようにしていくことが大切なのです。
キャビテーション施術を受けられる施設
キャビテーションは比較的新しい脂肪分解の方法であり、さまざまな施設で取り入れられているとはいえ、その数はまだ決して多いものではありません。大手の美容サロンなどは積極的に取り入れている所が多いでしょうが、金額が高額であったりもします。
また、都心部であれば恵まれていますが、地方や田舎に行くと行っている施設自体を見つけるのが意外と大変であったり、あまり経験のない施術者が営業目的で機械を導入しているケースもあり、安全に施術が受けられないこともあるでしょう。
比較的大きな施設では、美容系の施術の前に必ずカウンセリングを設けているところがほとんどです。料金や導入している機械をはじめ、さまざまな情報が得られる機会があります。こうしたタイミングを有効活用して、自分の納得のいく施術が行える施設を見つけていってください。
キャビテーションはダイエットにおすすめ
・キャビテーションの仕組みは、超音波を当てることで脂肪の中に真空の気泡を作り、周囲の脂肪細胞を分解する
・キャビテーションのメリット
「痛みがない」「自分の希望の部位を選択できる」「一回の施術で効果が実感できる」
・キャビテーションのデメリット
「分解したあとの脂肪が残る」「あまり分解しすぎると、皮膚がたるむ」「マッサージとセットで行わないと詰まったり戻る可能性がある」
・キャビテーションを受けられる施設は、エステサロン
キャビテーションという聞きなれない言葉に、ダイエットとつながりがないんじゃないか、と思う人も少なくないのではないでしょうか。
しかし、最新のダイエットとして、直接皮膚に侵襲を加えたり、極めて長期間の辛い思いをしなくても良い、バランスの取れたダイエット、美容技術であることがご理解いただけたかと思います。
これから施術数が増えるにつれて価格も安くなることが考えられますから、是非自分だけではどうしてもうまく痩せられない、時間や手間をかけずにスマートに痩せたいと思う人は、キャビテーションを活用することをおすすめします。