リンパマッサージに興味があるけれど、リンパマッサージはとても痛いって聞くから、ちょっと躊躇してしまうという人もいると思います。また、「リンパマッサージを受けて、すごく痛かったんだけど、これって普通なの?」という疑問を抱く人もいますよね。
また、リンパマッサージってどのくらいの頻度で行うの?という疑問もあると思います。そんなリンパマッサージへの疑問を徹底解説します。
リンパってそもそも何?
リンパマッサージへの疑問を考える前に、まずはリンパとは何かを確認しておきましょう。よく「リンパ」という言葉を聞きますし、「リンパが詰まっている」とか「リンパの流れが滞っている」という言葉を耳にしますが、一体リンパとは何でしょうか?
リンパ系とは第二の循環系とも言われていて、血液が全身を流れているように、リンパ液は全身を流れています。
また、血管はどこも開放されておらず、閉じられているという特徴がありますが、リンパ系は末梢が開放されている開放循環系であるという特徴があります。
リンパ系のもう1つの特徴は、血液と比べると流れがとてもゆっくりであることです。血液は心臓が収縮することで勢いよく送り出されていますが、リンパ系は心臓の役割をしてくれるところがないので、流れがとてもゆっくりなのです。
リンパの役割は3つあります。
・免疫機能
・老廃物の回収
・水分の回収
■免疫機能
リンパが集まる場所をリンパ節と言います。リンパ節は首の周辺や鎖骨、脇の下、脚の付け根などに集中しています。
このリンパ節はろ過機能を持っているんです。リンパ系を流れていた細菌やウイルス、がん細胞をリンパ節でろ過して、それ以上全身に広げないようにしているのです。
時々、リンパ節がグリグリと腫れることがありますよね。あれは、リンパ節でろ過された細菌やウイルスと白血球が戦っているからなのです。
■老廃物の回収
細胞の代謝に伴って、老廃物が作られます。この老廃物を排除しないと、細胞に老廃物がどんどん溜まっていきますので、細胞の機能は低下して、体調不良になります。
血液も老廃物を回収する役割を持っていますが、血液が回収しきれない老廃物は、リンパ液が回収して、体外へ排出します。そのため、リンパ液は基本的に老廃物がたくさん流れているのです。
■水分の回収
リンパ液は、余分な水分を回収する役割も持っています。毛細血管から細胞の隙間に染み出した滲出液は組織液として働きますが、その後はまた毛細血管に戻って心臓に戻っていきます。
でも、組織液全てが毛細血管に戻れるわけではありません。戻れなかった不要な組織液は、リンパが回収して、体外へ排出するのです。
リンパマッサージの効果は?
リンパ系には、免疫機能、老廃物の回収、水分の回収の3つの役割があります。では、リンパマッサージをする意味は何でしょうか?
リンパマッサージの目的は、リンパ液の流れを促進することです。リンパマッサージをすることで、リンパの流れを助けてあげるんですね。
先ほども言いましたが、リンパ液の流れはとてもゆっくりなのです。リンパ液の流れは筋肉の動きでリンパ管を収縮させて、リンパ液を流していますので、どうしてもゆっくりになってしまうんです。
そこに老廃物が多くなると、流れはさらにゆっくりになります。流れがゆっくりになれば、老廃物は回収できませんし、水分も回収できません。
そうすると、細胞の機能は低下して、基礎代謝が下がりますし、頭痛や肩こり、冷え性などの体調不良の原因になります。また、むくみも出てきますよね。さらに、免疫機能が低下しますので、風邪をひきやすくなります。
リンパの流れを促進させて、老廃物や水分の回収を助けてあげて、免疫機能も高めるための方法がリンパマッサージなのです。
リンパマッサージは痛いの?
では、リンパマッサージへの疑問を解説していきます。リンパマッサージへの1つ目の疑問は、「痛いって聞くけど、本当に痛いの?耐えられるかな?」というものです。リンパマッサージは痛いという噂を聞きますよね。
でも、本来リンパマッサージは痛くありません。優しくなでるような強さでマッサージをするだけで、リンパの流れを促進することができます。
なぜなら、リンパは皮膚の浅いところを通っているからです。
皮膚の浅いところを通っていますので、心地よさを感じるような力加減でリンパ管をきちんと刺激できます。
リンパマッサージは痛いものではありません。
多くのリンパは皮膚の浅いところに分布しているので、皮膚をやさしくなでる感じでリンパの流れを調整していきます。
むしろ、強い力でギューギュー押したり、揉んだりしながら、リンパマッサージを行うと、筋肉を損傷したり、血管・リンパ節を損傷します。
そうすると、痛みが出たり、内出血を起こしたりします。痛みが出たり、内出血が起こしてまで、リンパマッサージをしても、心地よさを感じるような力加減でリンパマッサージをしても、効果は大きく変わりません。
むしろ、痛みや内出血がある分、痛いマッサージはデメリットがあるんです。しかも、痛いマッサージは、苦痛を感じますよね。そうすると、交感神経が優位になって、リンパ管を収縮させてしまいますので、流れにくくなる可能性もあるのです。
ですから、リンパマッサージは心地よさを感じる程度、撫でるように、皮膚を滑らせるようにマッサージをするだけで効果を得ることができます。
痛いリンパマッサージは怪しいかも?
リンパマッサージは、心地よく撫でるような強さで行うものです。それで十分な効果が得られるのですから、わざわざ痛くする必要はありません。
でも、実際に痛いリンパマッサージは存在します。インターネットの口コミでは、「リンパマッサージを受けた後に内出血をした」、「数日たっても痛みが取れない」、「筋肉痛ような痛みが続く」などをよく見かけます。
リンパマッサージは心地よい程度の強さで良いのに、なぜ痛いリンパマッサージが存在するのでしょうか。
それは、営業のための可能性があります。「リンパの流れが滞っているから痛みを感じる。何回か通ううちに、痛みがなくなる」とか「痛みを感じるのは、体が悪い証拠。2週間に1回、定期的に通うべき」などと言われた経験がありませんか?
リンパマッサージと一緒にツボ押しなどをしていたら、痛みを感じることもあるでしょう。でも、リンパマッサージだけしかしていないのに、苦痛を感じるほどの痛みを感じるなら、今後も施術に通ってほしいから、わざわざ痛いマッサージをして、「リンパの流れが滞っている」と強調しているだけかもしれません。
また、リンパマッサージに対して、正しい知識を持っておらず、「リンパを流すためには、力を入れないと」と思っているだけの可能性もあります。
リンパマッサージをするのって、医師や看護師のような国家資格が必要なわけではありません。民間の資格はありますが、その民間の資格ですら必須というわけではないのです。
ですから、痛いリンパマッサージをするところは「ちょっと怪しいかも?」と思ったほうが良いかもしれません。
先ほども言いましたが、ツボ押しなどのほかの施術も組み合わせているなら、痛みが出ることもありますので、「必ず怪しい!」とは断言できませんが、痛い理由はきちんと確認したほうが良いでしょう。
リンパマッサージはどのくらいの頻度で行うの?
次の疑問は、リンパマッサージの頻度はどのくらいの頻度で行うべきかというものです。リンパマッサージのサロンに行くと、「1週間後にまた来てください」とか「2週間後に予約入れておきますね」なんて言われることがあります。
でも、本当はどのくらいの頻度で行うのが正しいのか、その答えは「毎日」です。なぜなら、リンパ液は24時間365日休まずに体中を巡っているからです。
いつも休まずに老廃物を回収して、休まずに水分を回収して、休まずに細菌やウイルスをろ過してくれています。それなら、リンパマッサージも毎日行うべきなんです。
もちろん、「毎日リンパマッサージのサロンに行け!」というわけではありません。自宅で毎日自分でリンパマッサージをしましょう。首筋や鎖骨、腕、脚を撫でるようにマッサージするだけでOKです。
忙しくて毎日は無理という人は、できる範囲で構いませんので、安心してください。「じゃあ、サロンにはどのくらいの頻度で行くの?」という疑問も出てきますよね。
サロンでリンパマッサージのプロにやってもらう頻度は、あなたのお財布の中身次第でOKです。「今月はちょっと余裕があるから行ってみよう」とか、「ストレスも溜まっているし、自分へのご褒美として行こう」という感覚で良いと思います。
本来なら毎日プロにやってもらうと、一番良いのですが、そうしたら給料を全額リンパマッサージに使うことになってしまいます。そこまでして、リンパマッサージを受ける必要はないですよね。
ですから、自宅で毎日(忙しい人はできる範囲で)リンパマッサージを自分で行って、余裕がある時にサロンに行ってプロにやってもらうようにしましょう。
リンパマッサージの目的・痛いのか・頻度についてのまとめ
「リンパの流れを良くして老廃物や水分の回収と免疫機能を高めること」
・リンパマッサージの痛み
「痛くない」「優しくなでるような強さでマッサージする」「強い力でリンパマッサージを行うと痛みが出る」
・痛いリンパマッサージをするところは、怪しいところの可能性がある
・リンパマッサージは毎日行うのが基本で自宅でもできる
リンパマッサージの目的やリンパマッサージは痛いのか、頻度はどのくらいかという疑問をまとめました。リンパマッサージは痛いものではありません。心地よさを感じる程度で、十分にリンパマッサージの効果を得ることができます。
また、自宅では毎日行うようにして、プロに行ってもらう頻度はお財布の中身と相談して、経済的な負担がない範囲でやるようにしましょう。