早食いの人は同じメニューを食べても太るリスクが高く、肥満解消や健康のためにも早食いは早急に改める必要があります。
今回は早食いの基準、太る噂の検証、メカニズム、太る以外のデメリット4つ、早食い防止策5つを紹介します。
この記事の目次
早食いの基準とは?
「早食いの基準って一体どれくらい?」
そんな疑問を持つ人もいるかもしれません。
誰かと一緒に食事をすることが多い場合、自分の食事時間が短いのかどうか判断しやすいと思います。
しかし、いつも1人で食事をする人は判断が難しいですよね。
職場や家族の人がみんな早食いで、それが当たり前になっているケースも少なくありません。
後で詳しく解説していきますが、食事を開始してから満腹感を感じ始めるまでに15~20分程度かかると言われています。
このことから、早食いとは大体20分以内に食事が終わってしまうケースを指すことが多いようです。
もちろん食事量によっても異なりますが、食事時間がいつも20分以内の人は注意が必要かもしれません。
「早食いで太る」その噂を検証!体験談を紹介
早食いで太るって本当…?
「早食いで太ってしまった」「早食いをやめたら痩せた」というような体験談を集めてみました。
早食いで太った!
この仕事に就いてから、ストレスとか時間が無い故の早食いとかで、10キロ以上太った………(´;ω;`) 転職するか、本気で悩む。
引用:Twitter
本日も男ランチだったので、すごい量と早食いで、あっという間にランチ終了。
このチームに復帰してから確実に数kgデブったね、私。
引用:Twtter
「早食いの習慣ができてから太ってしまった」という体験談でした。
学校や職場の環境によっては、どうしても早食い傾向になってしまうことも…。
早食いをやめたら痩せた!
歯が痛くて早食いできなくなったせいか食べる量が減ってちょっと痩せた。
でもすぐお腹がすく。
引用:Twitter
昨日1年前より痩せたけど特別なことはしてないってツイートしたけど、ひとつだけ気をつけたことがあった。
それは「食事のスピード」。
早食いは胃に負担かけるし太るってことで、ゆっくり食べることを実践したのであった。
引用:Twitter
「早食いを卒業したら痩せた」という嬉しい体験談です。
もちろん他にも理由があるかもしれませんが、早食いも太る1つの要素ということが分かりますね。
早食いで太るメカニズムとは?
早食いで太るのにはしっかりとした根拠があります!
そのメカニズムを解説していきます。
食べ過ぎてしまう
食事を開始してから満腹感を感じるまでに、大体15~20分程度かかると言われています。
これは脳にある満腹中枢が「お腹が一杯だからもう食べなくていいよ」と指令を出すため!
満腹中枢は脳の脳視床下部に存在し、刺激を受けることで摂食行動を抑制します。
引用:からだカルテ
人の食欲は、脳にある満腹中枢と摂食中枢によってコントロールされてます。
食事時間が短いと満腹中枢がうまく刺激されないため、満足できずに食べ過ぎてしまう可能性があるのです。
食べ過ぎた分だけエネルギーや糖質を多く摂ることになるので、当然太るリスクも増します。
血糖値が急上昇する
食べるスピードが速いと、食べ物の消化・吸収が速くなり血糖値が急上昇しやすくなります。
血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度のこと。
食事から糖質を摂ることで上昇します。
この血糖値、肥満と深い関わりがあることを知っていますか?
血糖値が急上昇すると、それを抑えるためにすい臓から「インスリン」というホルモンが大量に分泌されます。
このインスリンは別名「肥満ホルモン」と呼ばれています。
血液中のブドウ糖が余ると、血糖値は下がっても脂肪として蓄積されてしまいます。
つまり太るということ。
また、インスリンは血糖値を下げるために、余った糖分を脂肪に変えるため、脂肪の燃焼が抑えられてしまいます。
引用:糖尿病インフォ
つまり、血糖値が急上昇しインスリンが過剰分泌されると肥満リスクが高まるということ!
インスリンを過剰分泌させないためには、血糖値の上昇をゆるやかにすることが大切です。
血糖値を上げる要素は他にもありますが、ゆっくりと噛んで食べることで血糖値の急上昇を多少抑えることができます。
消費カロリーが少なくなる
早食い傾向の人は、しっかりと噛まずに食べている人が多いと言われています。
柔らかい食べ物は特にその傾向が強く、ほぼ飲み込んでいるような状態の人もいると思います。
実は、しっかりと噛んで食べることで消費カロリーがアップするという研究結果があるのです。
東京工業大学大学院社会理工学研究所の林直亨教授らが発表されたものによると、食事をよく噛んで食べた場合は、早く食べた場合より平均消費量が2倍だということでした。
ゆっくり食べた場合と早食いでは消費カロリーに約2倍も差があるんだとか。
つまり、早食いの人はその分消費カロリーが少なく太りやすいということになります。
わずかな消費カロリーではありますが、毎食のことなので塵も積もれば山となります。
早食いの「太る」以外のデメリット4つ!
早食いのデメリットは「太る」だけではありません。
その他の主なデメリットを紹介していきます。
胃腸に負担がかかる
食べ物をよく噛まずに飲み込んでしまうと、消化に時間がかかるため胃腸に負担がかかります。
また、早食いによって十分な唾液が出ないことも消化不良に繋がるのです。
唾液には消化酵素の「アミラーゼ」が含まれており、食べ物の消化吸収を促進する作用があります。
アミラーゼはでんぷん(糖質)を分解して糖にする酵素で、主に膵臓、睡液腺、耳下腺から分泌されます。
引用:日本臨床検査医学会
消化不良を防ぐためには、食べ物をよく噛んで唾液を出すことが大切です。
虫歯や歯周病になりやい
早食いによって唾液の量が減ると、口の中が乾燥して口臭がきつくなります。
また唾液には浄化作用があるため、唾液の量が減ることで虫歯や歯周病のリスクが増します。
記憶力の低下
よく噛むことで、脳の血流量が増えて脳が活性化します。
その結果、記憶力・学習能力がアップすることが分かっています。
早食いによって噛む回数が減ると、脳がしっかりと働かず本来の力を出せなくなることも。
認知症のリスクも高めてしまいます。
腸閉塞のリスクも
腸閉塞とは、腸の一部が塞がったり通過しにくい状態となる疾患です。
一度に大量の食べ物を流し込むことで、腸閉塞になることがあるので注意しましょう。
十分に噛まないことも危険因子となります。
早食いで太るのを防止する方法5つ!
今日からすぐにできる早食いを防止する方法です。
ぜひ試してみてください。
1口30回噛む
早食いを防止するためには、とにかくよく噛んで自然と食事時間を増やすことが大切!
噛む回数の目安は1口につき30回です。
厚生労働省も、1口30回以上噛むことを目標とした「噛ミング30」という運動を行っています。
「噛ミング30(カミングサンマル)」とは、ひとくち30 回以上噛むことを目標としたキャッチフレーズです。
これは、歯科保健のターゲットとして「う触」や「歯周病」の改善に加え、「食育」や「高齢者への誤嚥や窒息防止に重点を置いた対応」が重要であるとの考え方に基づいた取組みのひとつです。
噛み慣れていない人にとって、いきなり30回は難しいかもしれませんね。
20回、25回…と徐々に増やしていく感じでもOKです。
1口ずつ箸を置く
どうしても早食いになってしまう場合は、1口食べるごとに箸を置く方法をおすすめします。
箸を置いてしまえば自然と食事スピードが落ちますし、その間にしっかりと嚙むことができます。
精神的にも落ち着いて食事できるようになり、ストレスによる過食を防ぐ効果も期待できます。
単品メニューを避ける
丼ものや麺類などの単品メニューはどうしても早食いになりがち。
特に、カレーライスは早食いリスクが高いメニューです。
これらの単品メニューを避け、品数の多い定食メニューを選ぶことをおすすめします。
定食メニューは品数が複数あるため、自然と食事にかかる時間が増えます。
また、様々な食材を使っているので自然と噛む回数が増えます。
単品メニューを食べたい場合は、サラダや煮物などのサイドメニューを追加すると良いですよ。
噛み応えのある食材を選ぶ
自分で料理をする人は、噛み応えのある食材を選ぶことで自然と噛む回数が増えます。
外食やコンビニ弁当派の人も、なるべく噛み応えのあるメニューを選ぶようにしましょう。
◎こんな食材がおすすめ
- 玄米
- 生野菜
- 根菜
- きのこ
- 海藻
- 豆類 など
スプーンよりも箸を使う
丼ものなどはスプーンで食べる人も多いのでは?
スプーンは一度にたくさんの量をすくえてしまうので、どうしても早食いになりがちです。
メニューによっては難しい場合もあると思いますが、なるべく箸を使うことで早食いを防止できます。
スプーンを使わないと食べにくい場合は、なるべく小さめのスプーンを使うことをおすすめします。
1回ですくえる量が少なくなるため、どうしても食事に時間がかかります。
早食いで太るメカニズム・デメリット・防止方法についてのまとめ
・早食いで太るメカニズム
「食べ過ぎ」「血糖値が急上昇する」「消費カロリーが少なくなる」
・早食いの太る以外のデメリット
「胃腸に負担がかる」「虫歯や歯周病になりやすい」「記憶力の低下」「腸閉塞のリスク」
・早食いで太る防止方法
「1口30回噛む」「1口ずつ箸を置く」「単品メニューを避ける」「噛みごたえのある食材を食べる」「スプーンよりも箸」
早食いによって太るリスクが上がることを解説してきました!
他にも様々なデメリットがあるため、できれば改善したほうが良い習慣です。
忙しくて十分な食事時間を確保できない人も多いと思いますが、できる限り噛んでゆっくり食べることを心掛けましょう。